歩き出すために

澪架は、空を見上げた。

空は広く、どこまでも続いている。
でも、今日はその空が、少しだけ身近に感じられた。
澪架は今、心の中で新たな一歩を踏み出そうとしている。
生きる意味を見つけることは、簡単なことではなかった。
それでも、今はそれを探す理由を見つけられた気がする。

「生きる意味は簡単に見つからないけれど、誰かの存在がそれを変えてくれることもある」

澪架はその言葉を心に刻んだ。
過去の傷や恐れを抱えたままでいい。
不完全でも、迷っても、彼女はそれを受け入れようと思えた。

その時、後ろから温かい気配を感じた。
振り返ると、蒼依が微笑んで立っていた。
彼の存在が、澪架にとってどれほど大きな意味を持っているのか、今はっきりと分かる。

「ありがとう」
澪架は心からその言葉を呟いた。
蒼依はただ静かに頷き、少し照れたように微笑んだ。
「君が前を向くその姿を、僕はずっと見守ってる」

涙がひとしずく、澪架の頬を伝った。
でも、その涙が落ちた場所に、明るい光が差し込んだ。
それは、彼女がもう一度歩き出す力となった。
誰かの存在が、確かに澪架の心を変えてくれたから。

そして、澪架は空を見上げて新しい一歩を踏み出した。
まだ不完全でも、まだ怖くても。
未来はきっと、どこまでも広がっている。
その広がる未来の中で、彼女はきっと、自分だけの生きる理由を見つけるだろう。

その一歩を、踏み出していくのだ。