「どうした・・・?」
ドアが開いた瞬間に無月がスッと目を細めたのを、ひなせは嫌嫌をする様にして胸にすがった。
「お願い・・・無月」
このところ、ひなせは二日と空けず深夜2時も回った頃になって、無月の部屋を訪れる。由伊と精気を分け合った後だと言うことは一目瞭然だ。それでも更に欲しいと彼女は言う。
「危険だ。これ以上はお前の毒になる」
「大丈夫。あたしは平気だから・・・っ」
瑠璃色の瞳を潤ませながら切なげに見上げるひなせに、無月は嘆息した。
「・・・お入り。理由があるんだろう?言いなさい全部」
ベッドの縁に腰掛けさせると彼女は目を伏せ、声を振り絞った。
「遊佐を・・・死なせたくないの・・・!」
「それは」
「・・・多分あたしの精気を糧にしてるんだって・・・わかるの」
死期を告白されてからも、ひなせは遊佐に抱かれていた。それが望みだと知ったからだ。
灼けつくような欲情がうねる中で逆に、自分から気が流れ出ている感覚を捉えていた。知らず遊佐を活かそうとする力が作用している。事実、彼に自覚があるのならば自分を抱くはずがない。他人から奪ってでもなどと、遊佐のプライドが許すはずがない。
しかし、そんな事はいい。それで遊佐が少しでも永らえるのであれば。
ドアが開いた瞬間に無月がスッと目を細めたのを、ひなせは嫌嫌をする様にして胸にすがった。
「お願い・・・無月」
このところ、ひなせは二日と空けず深夜2時も回った頃になって、無月の部屋を訪れる。由伊と精気を分け合った後だと言うことは一目瞭然だ。それでも更に欲しいと彼女は言う。
「危険だ。これ以上はお前の毒になる」
「大丈夫。あたしは平気だから・・・っ」
瑠璃色の瞳を潤ませながら切なげに見上げるひなせに、無月は嘆息した。
「・・・お入り。理由があるんだろう?言いなさい全部」
ベッドの縁に腰掛けさせると彼女は目を伏せ、声を振り絞った。
「遊佐を・・・死なせたくないの・・・!」
「それは」
「・・・多分あたしの精気を糧にしてるんだって・・・わかるの」
死期を告白されてからも、ひなせは遊佐に抱かれていた。それが望みだと知ったからだ。
灼けつくような欲情がうねる中で逆に、自分から気が流れ出ている感覚を捉えていた。知らず遊佐を活かそうとする力が作用している。事実、彼に自覚があるのならば自分を抱くはずがない。他人から奪ってでもなどと、遊佐のプライドが許すはずがない。
しかし、そんな事はいい。それで遊佐が少しでも永らえるのであれば。

