颯真に連れられてやってきたのは、小さな公園だった。

人通りも少なく、静かで、空には星が輝いている。

「ここ、俺がガキの頃によく来てた場所なんだ」

彼はブランコに座りながら、夜空を見上げた。

「桜井、ちょっと話そうぜ」

「……うん」

「俺、お前のこと、やっぱ好きだわ」

「っ……!」

突然すぎて、言葉が詰まる。

「でも、無理に答えは求めねぇ。お前にはお前のペースがあるからな」

「……あんた」

「ただ、俺はお前ともっと一緒にいたいし、お前がどんな顔してるか見たい。お前が笑ってくれると、めっちゃ嬉しいし」

彼は、いつもの軽い調子で言う。

でも、その言葉の奥には、本気の想いが滲んでいた。

「桜井はさ、俺といると楽しい?」

その言葉に、私はゆっくりとうなずいた。

「楽しいよ」

「なら、それで十分だ」

彼は、ふわりと笑った。

「いつかさ、お前が『好き』って思える時が来たら、その時は俺のこと、ちゃんと捕まえてくれよ?」

私は、その言葉の意味をかみしめるように、ゆっくりと頷いた。

この出会いが、いつか「特別」になる日が来るのかもしれない。

そんな予感が、静かに胸を満たしていった——。