そんなすれ違いの中、クリスマスを迎えた。

「今日くらいは、一緒に過ごせる?」

「……うん。」

待ち合わせ場所に来た颯真は、どこか疲れていた。

「バイト、終わったばっか?」

「まぁな。でも、お前に会う時間は作った。」

私は、そっと彼の手を取った。

「無理しないで。」

「無理なんかしてねぇよ。」

「ほんと?」

「……ほんと。」

私たちは、イルミネーションの光に包まれながら、ゆっくりと歩いた。

「このまま、ずっと一緒にいたいね。」

「……ああ。」

彼の言葉が、少し震えていた気がした。

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