それから数ヶ月が経ち、季節は春になった。

受験も無事に終わり、私は第一志望の大学に合格。

颯真も自分の進路を決め、それぞれ新しい道を歩み始めていた。

「これからは、お前の彼氏として、もっと甘やかしてやるからな」

「……調子に乗らないでよ」

「はは、冗談だって!」

彼と並んで歩く桜並木の道。

これからどんな未来が待っているのかはわからない。

でも、少なくとも今は——。

「一緒に歩いてくれる?」

「もちろん」

彼の手が、そっと私の手を握る。

この交差点の先に、新しい物語が待っている気がした——。