颯真が私を連れてきたのは、遊園地だった。

「え、なんでここ……?」

「冬の遊園地って、意外といい感じなんだぜ?」

颯真はニッと笑いながら、私の手にチケットを押し付ける。

「でも、遊園地なんて……私、久しぶりすぎて……」

「ならちょうどいいじゃん。たまには勉強のこと忘れて楽しもうぜ?」

そう言って、颯真は先に歩き出した。

その背中を見ていると、自然と心が軽くなるのを感じた。

── まぁ、たまにはいいのかもしれない。

そう思って、私は彼の後を追った。