結果から言うと、暗黙のルールは破ることが出来たらしい。
 教師たち運営陣も、たまには盛り上がるような酔狂をするのも有りだと思っていたらしかった。
 元々、運営から禁止されている訳でもないものだから、決定自体は早かった。

 しかし困ったことに、俺たち二クラス以外にも、バスケ部込みでやりたいと名乗り出るクラスは多かったらしく――しかしそれで問題になるようなこともなく、別に良いんじゃね、くらいのテンション感で許可は下り、一部かなりの盛り上がりを見せていた。

 決まったことを話すと、先輩は拍手までして喜んでくれた。
 明るく笑って、良かったね、見に行くね、と。
 それからの練習にも、自然と熱が入った。

 ランニング、悟志たちとパス練、個人的にシュート練――球技大会までの二週間、バスケ部顧問からの厚意で、たまに練習に混ぜてもらうこともあった。悟志たちからの進言らしかった。球技大会より先の練習相手にもなるから、とかなんとか言って説得したらしい。
 ブランクがあるっていうのに、有難いと同時に迷惑な話だ。

 それが終わったら、先輩との下校。
 癪な話ではあるけれど、部活終わりの時間まで体育館を使っていた時は、自然とそのままの流れで部のやつらと校門までは一緒に行くことになって……彼女か、どんな関係だ、と囃し立てられた。
 校門からは右の方に向かうやつらばかりなことは、不幸中の幸いだった。