「思ったより普通のカフェだな」
病院の一階にあるカフェに入ると、帆向くんは周りを見渡しながらそう呟いた
白を基調とした落ち着いた空間で、窓際の席からは中庭が見える。病院の中とは思えないくらい、おしゃれな雰囲気だった
「でしょ?私も最初びっくりしたんだ」
私はメニューを開きながら、ふふっと笑った
「コーヒーとか紅茶もあるし、スイーツも結構おいしいんだよ」
「心和、ここの常連か?」
「……まあね」
帆向くんのお見舞いの帰りに、何度かここでお茶をしたことがある
なんとなく落ち着く場所だった
「どれにする?」
私はメニューを見せながら聞いた
帆向くんは少し迷って——
「じゃあ、カフェラテで」
「私は……ミルクティーにしようかな」
注文を済ませると、私はふと彼の顔をじっと見た
「……なに」
「いや、こうやって普通にカフェで話せるのが、なんだか夢みたいだなって」
「……」
帆向くんは少しだけ目を伏せる
「……悪かったな、心配かけて」
「ううん。元気になってくれて、それだけで嬉しいよ」
私は自然と笑顔になった
そのとき、店員さんがカフェラテとミルクティー、そしてちょっとしたクッキーを運んできた
「わ、クッキーだ。サービスかな?」
「……お前、甘いの好きだろ」
帆向くんがぽつりと言う
「え?」
「お前、疲れたとき甘いの食べると元気になるって、前に言ってた」
「……あ」
確かに、そんなことを言った気がする
「じゃあ、一緒に食べよ?」
私はクッキーを一枚取って、帆向くんのほうに差し出した
「ほら、あーん」
「……自分で食える」
そう言いながらも、帆向くんは少しだけ笑ってクッキーを受け取る
「……甘すぎなくて、うまいな」
「でしょ?」
二人でクッキーを食べながら、ゆっくりと飲み物を口にする
病院のカフェだけど、今だけは特別なデートみたいだった
「これからも、またこうやって一緒にお茶できたらいいな」
私がそう呟くと、帆向くんは少しだけ目を細めた
「……そうだな」
カップを置く音が静かに響いた
——これから先のことはまだ分からないけど
今、この瞬間がすごく大切に思えた
病院の一階にあるカフェに入ると、帆向くんは周りを見渡しながらそう呟いた
白を基調とした落ち着いた空間で、窓際の席からは中庭が見える。病院の中とは思えないくらい、おしゃれな雰囲気だった
「でしょ?私も最初びっくりしたんだ」
私はメニューを開きながら、ふふっと笑った
「コーヒーとか紅茶もあるし、スイーツも結構おいしいんだよ」
「心和、ここの常連か?」
「……まあね」
帆向くんのお見舞いの帰りに、何度かここでお茶をしたことがある
なんとなく落ち着く場所だった
「どれにする?」
私はメニューを見せながら聞いた
帆向くんは少し迷って——
「じゃあ、カフェラテで」
「私は……ミルクティーにしようかな」
注文を済ませると、私はふと彼の顔をじっと見た
「……なに」
「いや、こうやって普通にカフェで話せるのが、なんだか夢みたいだなって」
「……」
帆向くんは少しだけ目を伏せる
「……悪かったな、心配かけて」
「ううん。元気になってくれて、それだけで嬉しいよ」
私は自然と笑顔になった
そのとき、店員さんがカフェラテとミルクティー、そしてちょっとしたクッキーを運んできた
「わ、クッキーだ。サービスかな?」
「……お前、甘いの好きだろ」
帆向くんがぽつりと言う
「え?」
「お前、疲れたとき甘いの食べると元気になるって、前に言ってた」
「……あ」
確かに、そんなことを言った気がする
「じゃあ、一緒に食べよ?」
私はクッキーを一枚取って、帆向くんのほうに差し出した
「ほら、あーん」
「……自分で食える」
そう言いながらも、帆向くんは少しだけ笑ってクッキーを受け取る
「……甘すぎなくて、うまいな」
「でしょ?」
二人でクッキーを食べながら、ゆっくりと飲み物を口にする
病院のカフェだけど、今だけは特別なデートみたいだった
「これからも、またこうやって一緒にお茶できたらいいな」
私がそう呟くと、帆向くんは少しだけ目を細めた
「……そうだな」
カップを置く音が静かに響いた
——これから先のことはまだ分からないけど
今、この瞬間がすごく大切に思えた



