文化祭の準備が本格的に始まり、教室の中はどこか活気づいていた
黒い模造紙を壁に貼りつけたり、発泡スチロールで棺桶のセットを作ったり、クラスメイトたちはそれぞれの役割をこなしている
海藤くんも作業に積極的に取り組んでいた
やっぱりこの前のは、気のせいだったのかな...
「ねぇ、ここもうちょっと暗くしたほうが雰囲気出るんじゃない?」
「たしかに!でも、あんまり暗すぎるとお客さんが歩きにくくない?」
装飾班の作業をしながら、心寧ちゃんと話していると——
「ちょっと!それ、そっちじゃなくてこっちに置くって言ったじゃん!」
「え?でも、こっちのほうがバランスよくない?」
「最初に決めたことを勝手に変えないでよ!」
——バンッ!
突然、大きな音がして、私は思わずそちらを振り向いた
そこには、怒った顔の優鞠ちゃんと、ムッとした表情の花緋ちゃんが立っていた
「……え、なに?」
誰かが小さくつぶやく
周りのクラスメイトもざわざわとざわつき始めた
「花緋が言った場所、めっちゃ邪魔になるじゃん!こっちのほうが絶対いいって!」
「優鞠こそ、最初にちゃんと話し合ったのに、なんで急に変えようとするの?」
「だって、実際に作業してみたらこっちのほうが良さそうだから——」
「でも、それなら一言相談してくれたらよくない?」
「……そんなの、いちいち聞いてたら時間かかるじゃん!」
ピリピリとした空気が教室を包む
いつも仲がいい二人の突然の衝突に、クラスのみんなもどうしていいかわからず固まっていた
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて——」
慌てて止めようとするが、二人は互いに譲らない
「……もういい!勝手にすれば?」
イライラした様子の花緋ちゃんが、ぽつりと言い放つ
「は?なにそれ!そっちが勝手にすれば?」
「……っ!」
バン!
花緋ちゃんは机を乱暴に押しのけると、そのまま教室を飛び出していった
「……」
静まり返る教室
優鞠ちゃんは唇を噛みしめたまま、悔しそうに下を向いていた
私はどうすればいいのかわからず、ただ、二人がすれ違ってしまったことに胸が締めつけられるのを感じた——
黒い模造紙を壁に貼りつけたり、発泡スチロールで棺桶のセットを作ったり、クラスメイトたちはそれぞれの役割をこなしている
海藤くんも作業に積極的に取り組んでいた
やっぱりこの前のは、気のせいだったのかな...
「ねぇ、ここもうちょっと暗くしたほうが雰囲気出るんじゃない?」
「たしかに!でも、あんまり暗すぎるとお客さんが歩きにくくない?」
装飾班の作業をしながら、心寧ちゃんと話していると——
「ちょっと!それ、そっちじゃなくてこっちに置くって言ったじゃん!」
「え?でも、こっちのほうがバランスよくない?」
「最初に決めたことを勝手に変えないでよ!」
——バンッ!
突然、大きな音がして、私は思わずそちらを振り向いた
そこには、怒った顔の優鞠ちゃんと、ムッとした表情の花緋ちゃんが立っていた
「……え、なに?」
誰かが小さくつぶやく
周りのクラスメイトもざわざわとざわつき始めた
「花緋が言った場所、めっちゃ邪魔になるじゃん!こっちのほうが絶対いいって!」
「優鞠こそ、最初にちゃんと話し合ったのに、なんで急に変えようとするの?」
「だって、実際に作業してみたらこっちのほうが良さそうだから——」
「でも、それなら一言相談してくれたらよくない?」
「……そんなの、いちいち聞いてたら時間かかるじゃん!」
ピリピリとした空気が教室を包む
いつも仲がいい二人の突然の衝突に、クラスのみんなもどうしていいかわからず固まっていた
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて——」
慌てて止めようとするが、二人は互いに譲らない
「……もういい!勝手にすれば?」
イライラした様子の花緋ちゃんが、ぽつりと言い放つ
「は?なにそれ!そっちが勝手にすれば?」
「……っ!」
バン!
花緋ちゃんは机を乱暴に押しのけると、そのまま教室を飛び出していった
「……」
静まり返る教室
優鞠ちゃんは唇を噛みしめたまま、悔しそうに下を向いていた
私はどうすればいいのかわからず、ただ、二人がすれ違ってしまったことに胸が締めつけられるのを感じた——



