それから数日が経ち、私と心寧ちゃんは少しずつ話すようになった

最初はぎこちなかったけれど、彼女は意外と明るくて、話してみると楽しい

海藤くんはいつの間にか仲良くなっている私たちを見て安心したような表情だった

そして、気づけばもうすぐ文化祭

「おっし！じゃあ、うちのクラスは“お化け屋敷”ってことで決定な！」

クラスの文化祭の出し物が決まり、みんながざわざわと盛り上がる

「お化け屋敷かぁ、めっちゃ楽しそう！」

優鞠ちゃんが嬉しそうに笑う

「でも、準備とか大変そうじゃない？」

花緋ちゃんは少し不安そう

「まあね、でも、こういうのってみんなで作り上げるのが楽しいんでしょ？」

純鈴ちゃんが笑いながら肩をすくめる

「じゃあ、装飾班と演者班、それから音響と受付に分かれてー」

委員長の号令で、みんながそれぞれやりたい役割を決めていく

私は迷った末に、装飾班に手を挙げた

すると——

「私も装飾やりたい！」

隣で心寧ちゃんが手を挙げる

優鞠ちゃん達も手を挙げている

「お、じゃあ廣瀬と星奈と花里と愛崎と天野は装飾班な！」

「うん、よろしくね！」

「こちらこそ！」

少し前のことを考えると、こうして自然に話せるようになったのが不思議な感じがする

ふと、教室の隅に視線を向けると——

海藤くんが、窓の外をぼんやりと見つめていた

「……」

少し考えた後、私は海藤くんの方へと歩いていった

「海藤くんは、何の班にするの？」

そう聞くと、彼はゆっくりと私の方を見て、微かに笑った

「俺は……どうしようかな」

「お化け役とか似合いそうだけど？」

「はは、それは勘弁してくれ」

そう言いながら、海藤くんは少しだけ笑う

……でも、どこか寂しそうだった

でも、心寧ちゃんのことではないはず...

その表情に、私はまた胸の奥がざわめくのを感じた——