それからの授業中、私はなんとなく落ち着かなかった。

海藤くんの視線の先を、何度も追ってしまう

彼は、星奈さんを見ようとしない

だけど、星奈さんのほうは、たまに海藤くんのほうをちらっと見ている

なんとなく、気になる

——でも、聞いていいものか、わからなかった

昼休みになり、私は優鞠ちゃん達といつものようにお弁当を広げる

だけど、心のどこかで気にしてしまって、つい、海藤くんのほうを探した

——いた

だけど、海藤くんの隣には星奈さんがいた。

二人で話してる

なんだかすごく楽しそう

「ねえ、あの二人、もしかして昔付き合ってたとか?」

花緋ちゃんが私の視線の先を追って、小声で囁いた

「え……」

「だって、知り合いだったんでしょ? 」

「……」

私は答えられなかった

私の心の靄がどんどん濃くなっていくような気がした