それから数日後——

「え、転校生?」

朝のHRで、担任の先生が告げた言葉に、教室がざわついた

「はいはい、静かにー!じゃあ、入ってきていいよ~」

先生がドアを開けると、そこに立っていたのは——

長い黒髪に、どこか元気な雰囲気のある女の子だった

「初めまして!」

透き通るような声で、彼女は静かに口を開いた。

「星奈心寧です!よろしくお願いします!」

ぱちん、と一瞬で空気が変わる

まるでその場の空気を一気に支配するような、不思議な雰囲気のある子だった

「うわ、めっちゃ美人……」

「やば、モデルとかやってそうじゃね?」

そんなひそひそ声が飛び交う中、私はふと隣の海藤くんを見る

「……」

表情が、少しだけ固い気がした

——もしかして、知り合い?

そう思ったのも束の間

「星奈さんの席は……海藤の隣が空いてるから、そこに座ってね!」

先生の言葉に、星奈さんは静かに頷き、海藤くんの隣の席に座った

ちらりと、海藤くんの顔を見つめる

「……久しぶり!」

「……ああ」

海藤くんが短く答える

やっぱり、知り合いなんだ

でも、その空気は、懐かしさとか嬉しさとか、そんな風に感じた

「ねぇ、海藤くん」

私は小声で聞く。

「星奈さんって……知り合い?」

「……まぁな」

それだけ言って、海藤くんは目をそらした

私の心になにか靄がかかったような気がした