君が居場所をくれたから

「お化け屋敷?いいね、行こう!」

「ちょ、待って!あたしは休憩がいい!」

そう言いながらも、結局4人でお化け屋敷の入り口に立っていた

薄暗い入り口から、ヒューッと冷たい風が吹いてきて、私たちは思わず身を寄せ合う

夏のはずなのに、冷房が効きすぎているせいか肌寒かった

「先頭、お願いね!」

「え!?私!?…絶対怖いやつじゃん!」

しぶしぶ先頭に立ち、ゆっくりと中へ足を踏み入れる

カタンッと音がした瞬間、後ろから「ひゃあああ!!!」と誰かの悲鳴!振り返ると、

純鈴ちゃんが私の服をぎゅっと掴んでいる

「え、まだ何も出てきてないよ?」

「いやいや、雰囲気が怖すぎるの!!!」

少しずつ進んでいくと、突然、目の前の扉がガタンと開き、中から白い影が飛び出してきた!

「うわああああ!!!」

「ちょ、やめてやめて!!」

「誰か前進んで!私はもう動けない!」

全力で叫びながらも、なんだかんだで出口までたどり着いた私たち

外の光を浴びた瞬間、全員がへたり込んで大笑いした

「ねえ、遊園地ってこんなに体力使うっけ?」

「あたしの心臓のHPゼロなんだけど!」

「でもさ、これが最高に楽しいってことじゃない?」

太陽が少しずつ傾き始め、空がオレンジ色に染まる

まだまだ乗りたいものはたくさんあるけど、今はちょっと休憩

屋台で買った甘いチュロスをかじりながら、私たちは今日の冒険を振り返る

「次は観覧車、行こっか。」

「うん!みんなで、一番上まで!」

夕暮れの遊園地に、私たちの笑い声が響き続けていた