この出来事から、もう1年以上も経った。私たちはもうすぐ高校を卒業する。
陽世くんは、この出来事の後、クラスメートの支えを受けながらも、少しずつ変わっていった。3年生でも学級委員を務め、時には厳しく、時には優しくクラスメートの相談に乗っていた。今の彼には「頼りになる」という言葉が一番似合うと思う。もう、クラスメート全員が陽世くんを受け入れている。
私と拓真は、ときには❝陰キャ❞でありときには❝陽キャ❞の姿で、ありのままの自分を生きていた。今までに感じたことない発見がたくさんできた。
そして、拓真との恋もゆっくりと育んでいき、今では大切な恋人だ。図書館で静かに本を読むデートや遊園地ではしゃぎながらジェットコースターを乗ったデートなど、数えきれないほどのデートを重ねた。今では親友2人も混ぜてデートに行くことだって増えてきた。
もし、今、願いがあるのだとしたら、ずっと皆が幸せでいられますように――そして、いつまでも、ありのままの姿で輝けますように。そう願うだろう。



