私たちが標的となったのは、性格が「真逆」だったからだろう。しかし、その真実も、まるで鏡に映したかのように「真逆」だった――。
『王様の命令は絶対! 凛音と拓真は、今度の週末、デートしてこい!』
王様ゲームの終盤、陽世くんがニヤりと笑い、教室中に響き渡った言葉。
その言葉が、今でもふとした瞬間に思い出され、私の頭から離れないことがある。
この一言が、私と彼の運命を狂わせたのだ。
高校では「太陽」と称され、学級委員も務めるクラスの中心的存在――それが❝陽キャ❞の私。
そして、高校ではどこかひっそりと1人、教室の隅っこで読書をする「月」のような存在。それが――❝陰キャ❞の彼。
これは、決して交わるはずのなかった私と彼の、小さな奇跡のような物語だ――。
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