Ⅳ
十月になっても真夏のように暑い日が続いている。「行ってきます」と玄関を出て、外の眩しさに顔をしかめる。
昨日は敦彦に信号無視をしてしまう手前で助けられた。今日はお礼を言った方が良いかな、と考えていた時に元気な声が聞こえた。
「雪兎、おはよ!」
顔を上げると輝く笑顔の敦彦が居た。驚きすぎて雪兎の動きが止まってしまった。
「は、はぁ? 敦彦? 何してんの?」
「朝デートしようと思って」
「はぁぁ?」
意味が分からず大声を出していた。
「ほら、サッカーって朝練あっただろ? だから朝は強いんだ」
「だからって、ここまで来るかよ」
雪兎は呆れてしまった。仕方なく一緒に高校に向かう。朝迎えに来るなんて少女漫画か恋愛ドラマみたいだ。
「あのさ、敦彦ってモテるよな」
「ん? 嫉妬してくれてる?」
「バカ。違うって。その、女子と付き合ったりしないのかなって」
雪兎の言葉に敦彦が歩みを止めた。敦彦を見れば、その目線は雪兎を捉えている。
「俺は、女子とか男子とか関係なく、雪兎が好きなんだ」
聞いていて雪兎が恥ずかしくなる。堂々とした宣言に、サッカーの時の駆け抜ける敦彦の姿が思い出される。
「敦彦って羞恥心とか、ないわけ?」
「あるよ。心臓がバク鳴りしてる。平気なフリはサッカーのおかげかも、な。俺、部活引退したらすぐに告白するって決めていた。試合が終わってすぐに雪兎を探したよ。そこで応援席に雪兎が居ない事を知った。先生に聞いて心臓が止まりそうになった。交通事故に会ったって」
敦彦が知り得たのは交通事故の事だけだろうか。その先が気になった。
「雪兎は、色が分からないから、信号の赤を見落としたって聞いた」
敦彦の言葉に心臓が冷える感覚がした。
「ネットで調べた。色盲って言うんだろ?」
これまで誰にも言わずにいた雪兎の秘密を知られていた。悔しい様な怒りに似た感情が雪兎を襲う。
「もう、言うな!」
叫ぶように言い捨てて早足で歩いた。ずっと隠してきた事が知られていたショックで涙が溢れた。
「雪兎! 待って!」
すぐに覆いかぶさるように抱き留められる。
「離せ!」
叫んで敦彦の厚い胸を叩いた。すると、びくともしないと思っていた敦彦がぐらりと揺れた。
予想外の事に驚いて、同時に敦彦の様子が心配になる。雪兎の涙が一気に引いた。
「おい、どうしたんだよ?」
よろめく敦彦を支えて顔を見た。青くなっている。
「トイレ! 我慢できん! 雪兎、どっかコンビニは?」
「は、はぁ? ちょっと、ちょっと待て!」
「朝の牛乳が効いた~~」
「ふざけんな! このタイミングかよ!」
有り得ないアホさぶりに怒りたかったが、漏らしたら困るだろうという雪兎の親切心のほうに従った。
急いで近くのコンビニを案内した。放っておいて先に学校に行こうかとも考えたが、もうここまで来たら敦彦と一緒に遅刻しようと覚悟を決めた。
(迎えに来たんだろ? 遅刻に巻き込んだら意味ないだろうが)
そんなバカバカしさを含んだ呆れと小さな笑いが雪兎に渦巻く。
(僕はとんでもない奴に好かれたな)
店内を見て回りながら雪兎は小さく微笑みを浮かべた。
「雪兎、これ食う?」
目の前に差し出されたチョコ菓子を見てから敦彦を見て雪兎は盛大にため息をついた。
「敦彦、トイレの礼に買ったチョコを僕に渡すな」
「チョコに罪はないって」
ニカっと笑う敦彦に雪兎は肩の力が抜けてしまった。
「あ~~、アホらしい。敦彦見ていると自分の悩みがどうでも良くなるよ」
「雪兎は目が悪いことが悩み?」
「まぁね」
触れて欲しくないところをストレートに攻めてくるところが敦彦らしい。
「そっか。色盲って身体障害じゃないんだろ? 意外と多いってネットに書いてあった」
「あぁ、赤だけ見にくいとかあるらしいけど、僕のは全色盲ってやつだって。別に僕にとっては普通の世界なんだけどね」
色盲の事を聞かれても落ち着いて応えている自分に少し驚いた。
「それって何が困るの? 信号機が見にくいのは分かったけどさ」
困る事と聞かれて首を傾げる。
「う~~ん、色を言われた時にどれか分からないとか。眩しさに弱いとか」
「ふ~~ん。サッカーで軽い捻挫して、ちょっと痛いけど生活は困らん、みたいな感じかな」
敦彦の例えに笑いが込み上げる。そんな風に考えたことは無かった。
「捻挫か。ま、そうかもな」
「なぁ、俺が捻挫したら助けてくれる?」
急に聞かれて敦彦を見上げた。
「そりゃ、大変そうなら荷物持つとか肩貸すとかするだろ」
「じゃ、俺も雪兎を助けていい?」
意外過ぎる言葉に心臓がドキリとする。
「いや、だから僕のは怪我と違うって。手を借りなくても、僕が普通の中でやっていかなくちゃいけないことだから」
いつも心の奥で思っていることを口にして、敦彦から目線を外す。少しずれた眼鏡を直した。
「それは一人で乗り越えなきゃいけないことなのか?」
そう言われると心臓がドキドキ鳴り出して返事に困る。
これまで自分一人の問題だと思っていた。普通に学校生活が送れていると見せることで心配する親を安心させることができたし、それが正しいと思っていた。
人の手を借りるのは考えたことが無かった。
「もう、雪兎が交通事故に会ったとか、心臓が止まりそうな想いは嫌なんだ。傍で、俺が支えたい」
強い目線を向けてくる敦彦を断ることが出来ず雪兎はコクリと頷いていた。
(さっきまでトイレに籠っていたくせに)
何だかソワソワしてしまう自分の心を誤魔化すように雪兎は下を向いて歩いた。
その日は当然ながら学校に遅刻した。先生から遅刻届と反省文を出すように言われた。放課後に敦彦と二人で残る羽目になった。
誰も居なくなった教室で、敦彦と机を並べて反省文に取り掛かる。
「敦彦のせいだ」
「ごめん。今朝については、本当にごめんなさい」
肩をガクリと落とす敦彦を見ていると優しい笑いが雪兎に沸き上がる。
「あはは。もう、いいって。それより書いちゃおう」
一度伸びをしてから机に向かう。ふと目線を感じて横を見れば、隣の席の敦彦がこちらを見ていた。
「何?」
「いや、何でもない」
頬を染めた敦彦が机に向かう様子を眺めて、雪兎は首を傾げた。
職員室に反省文を届けて敦彦と一緒に帰る。相変わらず夕方でも暑い。廊下で歩みを止めた敦彦の視線を辿れば、運動場でサッカー部が練習をしている。敦彦はもう引退したけれど未練があるんだろうな、と感じた。
「サッカーの応援してくれている時の雪兎がとってもいい表情しているんだ。応援席の表情ってふとした時に見えるんだよ。雪兎が楽しそうだって思うと、がぜんヤル気が出た」
見られていたと思わなくて、急に恥ずかしくなる。
「なのに今年は一回も雪兎が見つけられなくて」
サッカー部を見つめる敦彦の表情に切なさが混じっている。静かな廊下に運動部の声が届いている。
優しい目をして外を見る敦彦が美しいと思った。
敦彦の顔を眺めながら目線を下げれば太い首が目に入る。肩幅も広くて、腕には逞しく筋肉がついている。敦彦の男らしさを意識してしまい雪兎の心臓がドキドキ鳴りだす。
「お、応援に行けなくて、ごめん」
自分の心臓の音を隠すように話しかけた。
「いや、ついサッカー部見ると自分の世界入っちゃうわ。今の、忘れて」
軽く笑顔を浮かべた敦彦が輝いて見えた。いつまでも敦彦を見ていたいと思う瞬間だった。
「ん」
何となく敦彦に向けて手を差し伸べた。敦彦が驚いた顔をして雪兎の手に視線を向けた。その動きがスローモーションのように雪兎の脳に入り込み、途端に恥ずかしさで汗が滲む。居たたまれなくて顔が熱を持つ。
(何やってんだよ、僕は!)
すぐに手を引っ込めようとするが、一足早く敦彦に雪兎の手が捕まる。チラリと見れば敦彦が嬉しそうな笑顔を浮かべている。
「えへへ」
敦彦の声が聞こえて恥ずかしさがピークになる。
「お、お前、笑うな!」
手に汗が滲む。敦彦の大きな手も汗が滲んでいる。手が、熱い。繋いだ手を隠すように、しばらくサッカー部を一緒に眺めた。雪兎の心臓がバクバクと鳴りっぱなしだった。
その日から敦彦と雪兎は時々手をつなぐ。
一緒に帰るときに手が触れ合うと敦彦に捕らわれる。人目が無いところでそっと包み込まれる手の熱さが心地よい。
心臓がドキドキして照れくさい感覚と、人肌の心地よさを手から感じる。骨ばって大きな手のひらに包み込まれると絶対的な安心感もある。
敦彦と一緒の時間が雪兎の心を優しく包み込んでいる。
「幸せ」
小さく呟く敦彦の声が聞こえるのも心地いい。
いつか、卒業までには雪兎も言ってみようかと思っている。「僕も、幸せ」と。
〈完〉
十月になっても真夏のように暑い日が続いている。「行ってきます」と玄関を出て、外の眩しさに顔をしかめる。
昨日は敦彦に信号無視をしてしまう手前で助けられた。今日はお礼を言った方が良いかな、と考えていた時に元気な声が聞こえた。
「雪兎、おはよ!」
顔を上げると輝く笑顔の敦彦が居た。驚きすぎて雪兎の動きが止まってしまった。
「は、はぁ? 敦彦? 何してんの?」
「朝デートしようと思って」
「はぁぁ?」
意味が分からず大声を出していた。
「ほら、サッカーって朝練あっただろ? だから朝は強いんだ」
「だからって、ここまで来るかよ」
雪兎は呆れてしまった。仕方なく一緒に高校に向かう。朝迎えに来るなんて少女漫画か恋愛ドラマみたいだ。
「あのさ、敦彦ってモテるよな」
「ん? 嫉妬してくれてる?」
「バカ。違うって。その、女子と付き合ったりしないのかなって」
雪兎の言葉に敦彦が歩みを止めた。敦彦を見れば、その目線は雪兎を捉えている。
「俺は、女子とか男子とか関係なく、雪兎が好きなんだ」
聞いていて雪兎が恥ずかしくなる。堂々とした宣言に、サッカーの時の駆け抜ける敦彦の姿が思い出される。
「敦彦って羞恥心とか、ないわけ?」
「あるよ。心臓がバク鳴りしてる。平気なフリはサッカーのおかげかも、な。俺、部活引退したらすぐに告白するって決めていた。試合が終わってすぐに雪兎を探したよ。そこで応援席に雪兎が居ない事を知った。先生に聞いて心臓が止まりそうになった。交通事故に会ったって」
敦彦が知り得たのは交通事故の事だけだろうか。その先が気になった。
「雪兎は、色が分からないから、信号の赤を見落としたって聞いた」
敦彦の言葉に心臓が冷える感覚がした。
「ネットで調べた。色盲って言うんだろ?」
これまで誰にも言わずにいた雪兎の秘密を知られていた。悔しい様な怒りに似た感情が雪兎を襲う。
「もう、言うな!」
叫ぶように言い捨てて早足で歩いた。ずっと隠してきた事が知られていたショックで涙が溢れた。
「雪兎! 待って!」
すぐに覆いかぶさるように抱き留められる。
「離せ!」
叫んで敦彦の厚い胸を叩いた。すると、びくともしないと思っていた敦彦がぐらりと揺れた。
予想外の事に驚いて、同時に敦彦の様子が心配になる。雪兎の涙が一気に引いた。
「おい、どうしたんだよ?」
よろめく敦彦を支えて顔を見た。青くなっている。
「トイレ! 我慢できん! 雪兎、どっかコンビニは?」
「は、はぁ? ちょっと、ちょっと待て!」
「朝の牛乳が効いた~~」
「ふざけんな! このタイミングかよ!」
有り得ないアホさぶりに怒りたかったが、漏らしたら困るだろうという雪兎の親切心のほうに従った。
急いで近くのコンビニを案内した。放っておいて先に学校に行こうかとも考えたが、もうここまで来たら敦彦と一緒に遅刻しようと覚悟を決めた。
(迎えに来たんだろ? 遅刻に巻き込んだら意味ないだろうが)
そんなバカバカしさを含んだ呆れと小さな笑いが雪兎に渦巻く。
(僕はとんでもない奴に好かれたな)
店内を見て回りながら雪兎は小さく微笑みを浮かべた。
「雪兎、これ食う?」
目の前に差し出されたチョコ菓子を見てから敦彦を見て雪兎は盛大にため息をついた。
「敦彦、トイレの礼に買ったチョコを僕に渡すな」
「チョコに罪はないって」
ニカっと笑う敦彦に雪兎は肩の力が抜けてしまった。
「あ~~、アホらしい。敦彦見ていると自分の悩みがどうでも良くなるよ」
「雪兎は目が悪いことが悩み?」
「まぁね」
触れて欲しくないところをストレートに攻めてくるところが敦彦らしい。
「そっか。色盲って身体障害じゃないんだろ? 意外と多いってネットに書いてあった」
「あぁ、赤だけ見にくいとかあるらしいけど、僕のは全色盲ってやつだって。別に僕にとっては普通の世界なんだけどね」
色盲の事を聞かれても落ち着いて応えている自分に少し驚いた。
「それって何が困るの? 信号機が見にくいのは分かったけどさ」
困る事と聞かれて首を傾げる。
「う~~ん、色を言われた時にどれか分からないとか。眩しさに弱いとか」
「ふ~~ん。サッカーで軽い捻挫して、ちょっと痛いけど生活は困らん、みたいな感じかな」
敦彦の例えに笑いが込み上げる。そんな風に考えたことは無かった。
「捻挫か。ま、そうかもな」
「なぁ、俺が捻挫したら助けてくれる?」
急に聞かれて敦彦を見上げた。
「そりゃ、大変そうなら荷物持つとか肩貸すとかするだろ」
「じゃ、俺も雪兎を助けていい?」
意外過ぎる言葉に心臓がドキリとする。
「いや、だから僕のは怪我と違うって。手を借りなくても、僕が普通の中でやっていかなくちゃいけないことだから」
いつも心の奥で思っていることを口にして、敦彦から目線を外す。少しずれた眼鏡を直した。
「それは一人で乗り越えなきゃいけないことなのか?」
そう言われると心臓がドキドキ鳴り出して返事に困る。
これまで自分一人の問題だと思っていた。普通に学校生活が送れていると見せることで心配する親を安心させることができたし、それが正しいと思っていた。
人の手を借りるのは考えたことが無かった。
「もう、雪兎が交通事故に会ったとか、心臓が止まりそうな想いは嫌なんだ。傍で、俺が支えたい」
強い目線を向けてくる敦彦を断ることが出来ず雪兎はコクリと頷いていた。
(さっきまでトイレに籠っていたくせに)
何だかソワソワしてしまう自分の心を誤魔化すように雪兎は下を向いて歩いた。
その日は当然ながら学校に遅刻した。先生から遅刻届と反省文を出すように言われた。放課後に敦彦と二人で残る羽目になった。
誰も居なくなった教室で、敦彦と机を並べて反省文に取り掛かる。
「敦彦のせいだ」
「ごめん。今朝については、本当にごめんなさい」
肩をガクリと落とす敦彦を見ていると優しい笑いが雪兎に沸き上がる。
「あはは。もう、いいって。それより書いちゃおう」
一度伸びをしてから机に向かう。ふと目線を感じて横を見れば、隣の席の敦彦がこちらを見ていた。
「何?」
「いや、何でもない」
頬を染めた敦彦が机に向かう様子を眺めて、雪兎は首を傾げた。
職員室に反省文を届けて敦彦と一緒に帰る。相変わらず夕方でも暑い。廊下で歩みを止めた敦彦の視線を辿れば、運動場でサッカー部が練習をしている。敦彦はもう引退したけれど未練があるんだろうな、と感じた。
「サッカーの応援してくれている時の雪兎がとってもいい表情しているんだ。応援席の表情ってふとした時に見えるんだよ。雪兎が楽しそうだって思うと、がぜんヤル気が出た」
見られていたと思わなくて、急に恥ずかしくなる。
「なのに今年は一回も雪兎が見つけられなくて」
サッカー部を見つめる敦彦の表情に切なさが混じっている。静かな廊下に運動部の声が届いている。
優しい目をして外を見る敦彦が美しいと思った。
敦彦の顔を眺めながら目線を下げれば太い首が目に入る。肩幅も広くて、腕には逞しく筋肉がついている。敦彦の男らしさを意識してしまい雪兎の心臓がドキドキ鳴りだす。
「お、応援に行けなくて、ごめん」
自分の心臓の音を隠すように話しかけた。
「いや、ついサッカー部見ると自分の世界入っちゃうわ。今の、忘れて」
軽く笑顔を浮かべた敦彦が輝いて見えた。いつまでも敦彦を見ていたいと思う瞬間だった。
「ん」
何となく敦彦に向けて手を差し伸べた。敦彦が驚いた顔をして雪兎の手に視線を向けた。その動きがスローモーションのように雪兎の脳に入り込み、途端に恥ずかしさで汗が滲む。居たたまれなくて顔が熱を持つ。
(何やってんだよ、僕は!)
すぐに手を引っ込めようとするが、一足早く敦彦に雪兎の手が捕まる。チラリと見れば敦彦が嬉しそうな笑顔を浮かべている。
「えへへ」
敦彦の声が聞こえて恥ずかしさがピークになる。
「お、お前、笑うな!」
手に汗が滲む。敦彦の大きな手も汗が滲んでいる。手が、熱い。繋いだ手を隠すように、しばらくサッカー部を一緒に眺めた。雪兎の心臓がバクバクと鳴りっぱなしだった。
その日から敦彦と雪兎は時々手をつなぐ。
一緒に帰るときに手が触れ合うと敦彦に捕らわれる。人目が無いところでそっと包み込まれる手の熱さが心地よい。
心臓がドキドキして照れくさい感覚と、人肌の心地よさを手から感じる。骨ばって大きな手のひらに包み込まれると絶対的な安心感もある。
敦彦と一緒の時間が雪兎の心を優しく包み込んでいる。
「幸せ」
小さく呟く敦彦の声が聞こえるのも心地いい。
いつか、卒業までには雪兎も言ってみようかと思っている。「僕も、幸せ」と。
〈完〉

