確実なことは卒業後も覚醒者として活動するということである。
覚醒者としてやっていくことを決めた三年生はレベル上げに奔走する。
特進クラスでの班を中心にしてトモナリも色々なゲートを攻略して回った。
中には攻略せずにモンスターだけをずっと討伐してレベル上げを行うなんてこともあった。
もちろん一、二年生の面倒を見ることも忘れない。
レベルが低いうちのトレーニングは非常に重要なので、しっかりとトレーニングのやり方を叩き込む。
ウルマがトモナリに近いのでヒカリのお怒り尻尾が何回か発動したものの、ウルマはめげないしトレーニングにも真面目に取り組んでいた。
「ちょ……トモナリ君分厚くない?」
気づけば時間も経っていた。
三年生はこれからギルドで研修を受けることになる。
アカデミーが研修先ギルドを広く募集して、その中から行きたいギルドを選ぶ。
だけど一部の生徒にはギルドからの誘いがある。
うちのギルドに来てくれないかとラブコールを受けるのだ。
ギルド研修はアカデミーの生徒が実際のギルドを学ぶ場であると同時に、ギルドからすると優秀な学生にいち早く接触できるチャンスでもある。
正直アカデミーという環境は外から見えにくく、特定個人に対してラブコールは出しにくい。
手当たり次第、知らない生徒にうちに来てくれとも言えない。
だがそんな中でも課外活動部の生徒にはそうしたお誘いの声は多くくる。
課外活動部だから、というよりは交流戦などアカデミー外での目立つ活動も多いためにより多く目につくのだ。
「ああ……これだけあると流石にな」
当然トモナリの注目度は高い。
交流戦の団体戦、個人戦優勝者なこともあるし、ドゥウェルとの戦いも放送されていなかったはずなのに話は広まっていた。
仕方なく戦っただけなのに、観客のために命をかけた正義の行いだったなんて巷では言われている。
それだけじゃない。
ヒカリというドラゴンを連れていることに加えて、海水浴場での人命救助やこれまでの活躍でもトモナリは注目されていた。
マサヨシがトモナリの雑音にならないようにと全てをシャットアウトしてくれていたから、ただ静かにアカデミー生活に集中できていた。
そしてギルド研修でどこに行くのかを決める時期が来た。
アカデミーが募集して集まったギルドのうち、信用できるところを調査してピックアップしてリスト化されたものが生徒たちに配られた。
続いて個人に対するギルドのお誘いもそれぞれの生徒に渡された。
ギルドの名前や場所、お誘いの文句なんかが書いてある書類は普通数枚あれば大人気というところだ。
トモナリの前に置かれたお誘いは抱えられるほどに分厚かった。
中には数枚に渡って熱いラブコールの文章を書いてきているところもあるが、やはりトモナリに声をかけたいところは多かった。
「大人気なのだ〜よりどりみどり〜」
あまりの多さに苦笑いを浮かべるトモナリの膝に座るヒカリが適当にペラペラとお誘いをめくる。
「確認するのにどれだけかかると思うんだよ……」
北は北海道、南は九州まで様々なギルドがトモナリに声をかけてきている。
嬉しいといえば嬉しくはある。
それだけ周りに認められているということでもあった。
お誘いがない人はリストを眺め、トモナリはお誘いの方から軽く確認してみる。
知っているところもある。
回帰前に名前を聞いたというところもあれば、今回関わりがあるところからもお誘いがあった。
五十嵐ギルドはもちろん、オウルグループからもびっしりとお誘いの言葉が並んでいる。
他にも国内最大規模のギルド、海外本拠地の日本支部ギルドなんか様々だった。
「ふふ……近況報告かな?」
五十嵐ギルドのお誘い文句を見て笑ってしまう。
前半は真面目な文章だった。
トモナリにどんな研修をしてくれるのか、ゲートの攻略予定やトレーニングの内容など細かく書いてくれている。
後半になると文体が変わる。
今みんなはどんなことをしていて、どんな調子なのか、手紙のように書いてあるのだ。
この軽い書き方はイヌサワかなとトモナリは思わず笑ってしまう。
「まっ、候補の一つだよな」
どこか一ヶ所だけに絞らねばならないわけじゃない。
広くいろいろ経験するために何ヶ所かを巡る。
第一候補は少し長めに行くことになるので大事ではあるが、いくつか候補に絞り込むだけならあまり悩むこともない。
五十嵐ギルドはトモナリの中で一つの候補である。
レベル上げをするのにもいい場所だし、五十嵐ギルドのみんなもいい人たちだ。
「オウルグループも候補かな……」
強い力を持つところと縁を持っておいて悪いことはない。
カエデがいたおかげで、オウルグループとは多少の繋がりができた。
エドを加工してもらったこともあるし、研修の体制もしっかりしているだろうから候補としてもかなりいい。
こちらもまた候補の一つだ。
「おっ……こんなところもあるのか……」
日本最高峰のギルドの名前を見つけて驚いてしまう。
どうせならここまでに得られなかった縁を新しく繋いでもいいのかもしれない。
覚醒者としてやっていくことを決めた三年生はレベル上げに奔走する。
特進クラスでの班を中心にしてトモナリも色々なゲートを攻略して回った。
中には攻略せずにモンスターだけをずっと討伐してレベル上げを行うなんてこともあった。
もちろん一、二年生の面倒を見ることも忘れない。
レベルが低いうちのトレーニングは非常に重要なので、しっかりとトレーニングのやり方を叩き込む。
ウルマがトモナリに近いのでヒカリのお怒り尻尾が何回か発動したものの、ウルマはめげないしトレーニングにも真面目に取り組んでいた。
「ちょ……トモナリ君分厚くない?」
気づけば時間も経っていた。
三年生はこれからギルドで研修を受けることになる。
アカデミーが研修先ギルドを広く募集して、その中から行きたいギルドを選ぶ。
だけど一部の生徒にはギルドからの誘いがある。
うちのギルドに来てくれないかとラブコールを受けるのだ。
ギルド研修はアカデミーの生徒が実際のギルドを学ぶ場であると同時に、ギルドからすると優秀な学生にいち早く接触できるチャンスでもある。
正直アカデミーという環境は外から見えにくく、特定個人に対してラブコールは出しにくい。
手当たり次第、知らない生徒にうちに来てくれとも言えない。
だがそんな中でも課外活動部の生徒にはそうしたお誘いの声は多くくる。
課外活動部だから、というよりは交流戦などアカデミー外での目立つ活動も多いためにより多く目につくのだ。
「ああ……これだけあると流石にな」
当然トモナリの注目度は高い。
交流戦の団体戦、個人戦優勝者なこともあるし、ドゥウェルとの戦いも放送されていなかったはずなのに話は広まっていた。
仕方なく戦っただけなのに、観客のために命をかけた正義の行いだったなんて巷では言われている。
それだけじゃない。
ヒカリというドラゴンを連れていることに加えて、海水浴場での人命救助やこれまでの活躍でもトモナリは注目されていた。
マサヨシがトモナリの雑音にならないようにと全てをシャットアウトしてくれていたから、ただ静かにアカデミー生活に集中できていた。
そしてギルド研修でどこに行くのかを決める時期が来た。
アカデミーが募集して集まったギルドのうち、信用できるところを調査してピックアップしてリスト化されたものが生徒たちに配られた。
続いて個人に対するギルドのお誘いもそれぞれの生徒に渡された。
ギルドの名前や場所、お誘いの文句なんかが書いてある書類は普通数枚あれば大人気というところだ。
トモナリの前に置かれたお誘いは抱えられるほどに分厚かった。
中には数枚に渡って熱いラブコールの文章を書いてきているところもあるが、やはりトモナリに声をかけたいところは多かった。
「大人気なのだ〜よりどりみどり〜」
あまりの多さに苦笑いを浮かべるトモナリの膝に座るヒカリが適当にペラペラとお誘いをめくる。
「確認するのにどれだけかかると思うんだよ……」
北は北海道、南は九州まで様々なギルドがトモナリに声をかけてきている。
嬉しいといえば嬉しくはある。
それだけ周りに認められているということでもあった。
お誘いがない人はリストを眺め、トモナリはお誘いの方から軽く確認してみる。
知っているところもある。
回帰前に名前を聞いたというところもあれば、今回関わりがあるところからもお誘いがあった。
五十嵐ギルドはもちろん、オウルグループからもびっしりとお誘いの言葉が並んでいる。
他にも国内最大規模のギルド、海外本拠地の日本支部ギルドなんか様々だった。
「ふふ……近況報告かな?」
五十嵐ギルドのお誘い文句を見て笑ってしまう。
前半は真面目な文章だった。
トモナリにどんな研修をしてくれるのか、ゲートの攻略予定やトレーニングの内容など細かく書いてくれている。
後半になると文体が変わる。
今みんなはどんなことをしていて、どんな調子なのか、手紙のように書いてあるのだ。
この軽い書き方はイヌサワかなとトモナリは思わず笑ってしまう。
「まっ、候補の一つだよな」
どこか一ヶ所だけに絞らねばならないわけじゃない。
広くいろいろ経験するために何ヶ所かを巡る。
第一候補は少し長めに行くことになるので大事ではあるが、いくつか候補に絞り込むだけならあまり悩むこともない。
五十嵐ギルドはトモナリの中で一つの候補である。
レベル上げをするのにもいい場所だし、五十嵐ギルドのみんなもいい人たちだ。
「オウルグループも候補かな……」
強い力を持つところと縁を持っておいて悪いことはない。
カエデがいたおかげで、オウルグループとは多少の繋がりができた。
エドを加工してもらったこともあるし、研修の体制もしっかりしているだろうから候補としてもかなりいい。
こちらもまた候補の一つだ。
「おっ……こんなところもあるのか……」
日本最高峰のギルドの名前を見つけて驚いてしまう。
どうせならここまでに得られなかった縁を新しく繋いでもいいのかもしれない。

