「みんな、クドウ先輩についていくっすよ!」
「みんな、ミヤマエを盾に」
「なんでっすか!?」
サーシャも冷静なタイプで周りをよく見ている。
先生たちも控えているしサーシャに任せても大丈夫だろうとトモナリも思った。
「こっち早く終わらせて、すぐにそっちも手伝うよ」
「ん、お願いね」
流石にタンクのサーシャと一年生でファイヤーゴーレムを倒すのは難しい。
安全に立ち回れば引きつけられるだろうが、早めに援助に回ってやる方がいいだろうなと考えていた。
「いくぞ、ヒカリ!」
「おうともなのだー!」
コウたちの方はもうすでにボスファイヤーゴーレムと戦い始めている。
そっちの方はあまり心配をしていない。
トモナリはヒカリと共に、取り巻きのファイヤーゴーレムの一体に向かう。
「ちょっとデカいか? ……まあ、そんなに変わらないか」
取り巻きのファイヤーゴーレムも目の前にすると普通よりも少し大きい感じがする。
ここまでトモナリは直接戦ってこなかったので、目の前にするとこんなものなのかなと思った。
「ぬおおおおん! 僕の本気を見るのだー!」
「おおっ! ヒカリ先輩がデカくなった!」
「よそ見禁物」
「あっ、すいません!」
ヒカリがカッと光って大きくなる。
思わずヒカリに目を奪われたミヤマエを、サーシャがしっかりと守る。
「ほおっ! とりゃーなのだ!」
デカくなってもヒカリのスピードは変わらない。
ヒカリは振り下ろされたファイヤーゴーレムの腕をかわして、グルリと縦に一回転する。
大きくなって太くもなった尻尾を、お返しとばかりにブンと振り下ろす。
魔力の込められた尻尾の一撃は思っていたより威力がある。
ヒカリの攻撃でファイヤーゴーレムの右腕が肩から破壊されて落ちる。
「ぬははー! 僕、最強、なのだ!」
ヒカリは胸を張ってドヤ顔をする。
「まだ終わってないぞ!」
ファイヤーゴーレムの方から炎が噴き出す。
コアは右腕にはないようだ。
「はっ!」
前に出るトモナリにファイヤーゴーレムが拳を突き出す。
トモナリは避けることもなく、正面から剣を振る。
怪力を使って強化したトモナリの一撃はファイヤーゴーレムの左腕を破壊した。
「さて、少し試すか」
反動でファイヤーゴーレムは尻餅をついて倒れる。
トモナリは一つ試してみたいものがあった。
「ルビウス、エド!」
どうせならここで試してみようとルビウスとエドを呼び出す。
「ぬおおっ! 少しデカくなっておる!」
「ヒカリの影響も我々も受けているのか」
呼び出されたルビウスとエドはヒカリのように少し大きな姿になっていた。
もしかしたらと思っていた。
ヒカリが大きくなれるのだから、ルビウスとエドも大きくなれるのではないかと期待していたのだけど、トモナリの予想通りだった。
「狙いは足だ! 頼むぞ!」
「ふむ、妾に任せておれ!」
「了解した」
ルビウスはそのまんま大きくなった感じがするが、エドはなんだかオオサンショウウオ感が増したなとトモナリは目を細める。
あの感じから恐竜みたいになっていくのだとしたら、なかなか成長過程は面白そうである。
「妾の美しき一撃!」
翼を広げて飛び上がったルビウスはブレスを放つ。
渦巻く火炎がファイヤーゴーレムの足に当たって大きな爆発を起こす。
「派手だな」
エドはサッとファイヤーゴーレムの足に巻きつくように近づいていた。
そしてそのまま大きく口を開けると、ファイヤーゴーレムの足の根元に噛みついた。
ファイヤーゴーレムの体はかなり熱いはずなのに、エドは全く気にしないように足を噛み砕いてしまった。
「うーん、全体的な戦力アップだな」
ルビウスとエドも大きくなって強くなった。
どれほど強くなったのかは後々確かめていく必要があるけれど、強くなったことは確実なのでまた一つ戦略の幅が広がった。
「そして……足か」
胴体だろうと予想していたのだけど、再生はエドが噛み砕いた右足から始まっていた。
こうなるとちょっとだけ楽である。
「ヒカリ!」
「うむ! パーンチ!」
大きくなったのでヒカリの攻撃方法も増えた。
これまでの小さいおててでは限られた威力だった殴打も、今の大きさなら立派な攻撃となる。
ヒカリが炎噴き出す足の膝を殴って叩き折る。
「なかなか珍しいな」
膝から折れて、太ももとふくらはぎに分かれた足を観察する。
ふくらはぎ側の膝から炎が出てきた。
ということはふくらはぎ側にコアがあるということである。
やはり末端というのは破壊されやすいためなのか、コアがある確率は低い傾向にある。
膝より下にゴーレムのコアがあるのは意外と珍しいのだ。
「いけ、みんなで攻撃だ!」
どうせならこのままドラゴンズに任せようとトモナリは指示を出す。
「いくのだー! ボーッ!」
「さっさと諦めい」
ヒカリとルビウスがブレスを放つ。
二体のドラゴンのブレスが直撃して、ファイヤーゴーレムの足が粉々に破壊される。
「これがコアですね。壊させていただきます」
足から赤い石のようなコアが飛び出してきた。
エドが素早くコアに接近すると前足を振り下ろした。
鋭い爪がコアに当たってパキンと真っ二つに壊される。
出かけていた炎が収まって、淡く光っていたコアはそのまま暗くなって地面に転がってしまった。
「みんな、ミヤマエを盾に」
「なんでっすか!?」
サーシャも冷静なタイプで周りをよく見ている。
先生たちも控えているしサーシャに任せても大丈夫だろうとトモナリも思った。
「こっち早く終わらせて、すぐにそっちも手伝うよ」
「ん、お願いね」
流石にタンクのサーシャと一年生でファイヤーゴーレムを倒すのは難しい。
安全に立ち回れば引きつけられるだろうが、早めに援助に回ってやる方がいいだろうなと考えていた。
「いくぞ、ヒカリ!」
「おうともなのだー!」
コウたちの方はもうすでにボスファイヤーゴーレムと戦い始めている。
そっちの方はあまり心配をしていない。
トモナリはヒカリと共に、取り巻きのファイヤーゴーレムの一体に向かう。
「ちょっとデカいか? ……まあ、そんなに変わらないか」
取り巻きのファイヤーゴーレムも目の前にすると普通よりも少し大きい感じがする。
ここまでトモナリは直接戦ってこなかったので、目の前にするとこんなものなのかなと思った。
「ぬおおおおん! 僕の本気を見るのだー!」
「おおっ! ヒカリ先輩がデカくなった!」
「よそ見禁物」
「あっ、すいません!」
ヒカリがカッと光って大きくなる。
思わずヒカリに目を奪われたミヤマエを、サーシャがしっかりと守る。
「ほおっ! とりゃーなのだ!」
デカくなってもヒカリのスピードは変わらない。
ヒカリは振り下ろされたファイヤーゴーレムの腕をかわして、グルリと縦に一回転する。
大きくなって太くもなった尻尾を、お返しとばかりにブンと振り下ろす。
魔力の込められた尻尾の一撃は思っていたより威力がある。
ヒカリの攻撃でファイヤーゴーレムの右腕が肩から破壊されて落ちる。
「ぬははー! 僕、最強、なのだ!」
ヒカリは胸を張ってドヤ顔をする。
「まだ終わってないぞ!」
ファイヤーゴーレムの方から炎が噴き出す。
コアは右腕にはないようだ。
「はっ!」
前に出るトモナリにファイヤーゴーレムが拳を突き出す。
トモナリは避けることもなく、正面から剣を振る。
怪力を使って強化したトモナリの一撃はファイヤーゴーレムの左腕を破壊した。
「さて、少し試すか」
反動でファイヤーゴーレムは尻餅をついて倒れる。
トモナリは一つ試してみたいものがあった。
「ルビウス、エド!」
どうせならここで試してみようとルビウスとエドを呼び出す。
「ぬおおっ! 少しデカくなっておる!」
「ヒカリの影響も我々も受けているのか」
呼び出されたルビウスとエドはヒカリのように少し大きな姿になっていた。
もしかしたらと思っていた。
ヒカリが大きくなれるのだから、ルビウスとエドも大きくなれるのではないかと期待していたのだけど、トモナリの予想通りだった。
「狙いは足だ! 頼むぞ!」
「ふむ、妾に任せておれ!」
「了解した」
ルビウスはそのまんま大きくなった感じがするが、エドはなんだかオオサンショウウオ感が増したなとトモナリは目を細める。
あの感じから恐竜みたいになっていくのだとしたら、なかなか成長過程は面白そうである。
「妾の美しき一撃!」
翼を広げて飛び上がったルビウスはブレスを放つ。
渦巻く火炎がファイヤーゴーレムの足に当たって大きな爆発を起こす。
「派手だな」
エドはサッとファイヤーゴーレムの足に巻きつくように近づいていた。
そしてそのまま大きく口を開けると、ファイヤーゴーレムの足の根元に噛みついた。
ファイヤーゴーレムの体はかなり熱いはずなのに、エドは全く気にしないように足を噛み砕いてしまった。
「うーん、全体的な戦力アップだな」
ルビウスとエドも大きくなって強くなった。
どれほど強くなったのかは後々確かめていく必要があるけれど、強くなったことは確実なのでまた一つ戦略の幅が広がった。
「そして……足か」
胴体だろうと予想していたのだけど、再生はエドが噛み砕いた右足から始まっていた。
こうなるとちょっとだけ楽である。
「ヒカリ!」
「うむ! パーンチ!」
大きくなったのでヒカリの攻撃方法も増えた。
これまでの小さいおててでは限られた威力だった殴打も、今の大きさなら立派な攻撃となる。
ヒカリが炎噴き出す足の膝を殴って叩き折る。
「なかなか珍しいな」
膝から折れて、太ももとふくらはぎに分かれた足を観察する。
ふくらはぎ側の膝から炎が出てきた。
ということはふくらはぎ側にコアがあるということである。
やはり末端というのは破壊されやすいためなのか、コアがある確率は低い傾向にある。
膝より下にゴーレムのコアがあるのは意外と珍しいのだ。
「いけ、みんなで攻撃だ!」
どうせならこのままドラゴンズに任せようとトモナリは指示を出す。
「いくのだー! ボーッ!」
「さっさと諦めい」
ヒカリとルビウスがブレスを放つ。
二体のドラゴンのブレスが直撃して、ファイヤーゴーレムの足が粉々に破壊される。
「これがコアですね。壊させていただきます」
足から赤い石のようなコアが飛び出してきた。
エドが素早くコアに接近すると前足を振り下ろした。
鋭い爪がコアに当たってパキンと真っ二つに壊される。
出かけていた炎が収まって、淡く光っていたコアはそのまま暗くなって地面に転がってしまった。

