「一回り大きくなったな」
去年も別に華奢ではなかったが、エリオットは去年よりも身長も体つきも大きくなっている。
「対戦相手はアルケスか」
去年の十六歳組個人戦準優勝者エリオットと今年の団体戦準優勝のチームで大将を務めたアルケスの戦いとなった。
エリオットは団体戦に出ておらず、実力がいかほどのものなのかは分からない。
少なくとも個人戦ではここまで勝ち抜いてきたので、相応の強さはあるだろうとトモナリは思っている。
組み合わせとしては事実上決勝にも近い戦いだといえる。
トモナリも戦いを真剣に見つめる。
勝ち上がった方とこの先戦う可能性も高い。
アルケスはもう手の内もわかっているが、今のエリオットがどんな感じなのはいまいち分かっていない。
戦い方を分かっているアルケスに勝ち上がってもらう方がトモナリとしてはいいのだけど、エリオットが勝った時のことも考えておく。
「最初から全力だな」
アルケスもエリオットを警戒しているようだ。
すでにトモナリとの一戦で手の内は相手にバレているから隠すこともないのか、最初から影のアルケスやキュリシーを出している。
トモナリにはヒカリがいて、ルビウスやエドを呼び出せるという数に対抗する手段もあった。
エリオットはどうするのだろうかとトモナリも興味がある。
トモナリが画面を見つめる間、ヒカリはケータリングのお菓子を抱えて食べていた。
「…………圧倒的な力だな」
影のキュリシーも、影のアルケスも決して弱くない。
だがエリオットは高い破壊力の一撃で影のキュリシーを消し飛ばしてしまった。
「はぁ……あんなのトモナリ君勝てるの?」
そのまま戦いはエリオット優位のまま続いていき、アルケスは倒されてしまった。
倒れるアルケスとキュリシーに背を向けて、ニコリともしないでステージを降りる。
「……確かに強かったな」
去年の印象では爽やかな好青年という感じだったが、今年はかなり険しい顔をしている。
団体戦に出なかったことも含めて相当本気なのかもしれない。
相手がランダムに選出される以上、どこで当たるかは分からない。
しかしエリオットは勝ち抜くだろう。
つまりどこかでは当たるだろうなとトモナリは思ったのだった。
ーーーーー
「‘去年も同じような感じだったね’」
「‘ああ、そうだな。どこかで戦うとは思っていたけど、まさかここでとはな’」
「‘交流戦も最終試合……とうとう決勝戦を迎えました!’」
トモナリとエリオットはステージの上で対峙する。
割れんばかりの歓声が降り注いでいるけれど、二人には他の音は遠くに聞こえるような気分だった。
「‘一つ前の試合で中国のリー選手を破って団体戦に続く、個人戦も優勝を狙う日本代表アイゼントモナリ! そして……愛らしさと確かな強さで会場を魅了するスーパーモンスターのヒカリ〜!’」
一つ前の試合もなかなか大変だった。
トモナリを少しでも弱らせようと中国の選手はかなり粘ってきた。
ただコウを倒した選手でもあったので、トモナリが敵討ちでしっかりと倒した。
「‘対するは日本のシミズミズキを撃破し、快進撃を続けるカナダのキングランサー! 圧倒的な槍捌きは誰にも止められない! 去年の雪辱を晴らすことはできるのか! エリオット・クラーーーーク!’」
ミズキもかなり頑張った。
粘り強く戦い、準決勝まで勝ち上がっていた。
しかし準決勝でエリオットと戦ってミズキは負けてしまったのである。
正面からみると割と可愛い系だった顔も男らしくなっている。
かなり圧力も感じるし、強者の風格がある。
「‘……なんだかこれまでと格好違くない?’」
「‘俺も本気ってことなんだ’」
トモナリはエドと同化したドラゴンズコネクト姿となっていた。
黒いロングコートの出立ちはあまりにもこれまでと風貌が違う上に、あまり戦う服装にも見えないとエリオットは思った。
ただ着ているのも普通のロングコートではなく、エドという存在が変化したものである。
簡単にはダメージを受けるようなものでもない。
最初からドラゴンズコネクト姿なのは本気で挑むという理由もあるし、多くの人の前でスキルを発動させることを避けて隠す意味合いもあった。
赤いルビウスの姿については多少バレているようなこともあるが、エドの姿については知らない人も多い。
何が切り札になるか分からないので、あたかも装備であるかのように最初からドラゴンズコネクトを使って出てきたのだ。
瞳が金色になって、髪は茶髪になっているので明らかに装備だけじゃないと思うだろうが、ルビウスを使ったドラゴンズコネクトとはまた別スキルだと思ってくれるかもしれない。
「むふー!」
ヒカリも闘争本能が刺激されて鼻息が荒い。
トモナリのドラゴンズコネクト姿が好きなので興奮しているところもちょっとある。
「‘今年は勝たせてもらうよ。それを目標に一年間頑張ってきたんだ’」
エリオットは槍をグルリと回して構える。
トモナリをなんとしてでも倒すというエリオットの目には燃えていた。
去年も別に華奢ではなかったが、エリオットは去年よりも身長も体つきも大きくなっている。
「対戦相手はアルケスか」
去年の十六歳組個人戦準優勝者エリオットと今年の団体戦準優勝のチームで大将を務めたアルケスの戦いとなった。
エリオットは団体戦に出ておらず、実力がいかほどのものなのかは分からない。
少なくとも個人戦ではここまで勝ち抜いてきたので、相応の強さはあるだろうとトモナリは思っている。
組み合わせとしては事実上決勝にも近い戦いだといえる。
トモナリも戦いを真剣に見つめる。
勝ち上がった方とこの先戦う可能性も高い。
アルケスはもう手の内もわかっているが、今のエリオットがどんな感じなのはいまいち分かっていない。
戦い方を分かっているアルケスに勝ち上がってもらう方がトモナリとしてはいいのだけど、エリオットが勝った時のことも考えておく。
「最初から全力だな」
アルケスもエリオットを警戒しているようだ。
すでにトモナリとの一戦で手の内は相手にバレているから隠すこともないのか、最初から影のアルケスやキュリシーを出している。
トモナリにはヒカリがいて、ルビウスやエドを呼び出せるという数に対抗する手段もあった。
エリオットはどうするのだろうかとトモナリも興味がある。
トモナリが画面を見つめる間、ヒカリはケータリングのお菓子を抱えて食べていた。
「…………圧倒的な力だな」
影のキュリシーも、影のアルケスも決して弱くない。
だがエリオットは高い破壊力の一撃で影のキュリシーを消し飛ばしてしまった。
「はぁ……あんなのトモナリ君勝てるの?」
そのまま戦いはエリオット優位のまま続いていき、アルケスは倒されてしまった。
倒れるアルケスとキュリシーに背を向けて、ニコリともしないでステージを降りる。
「……確かに強かったな」
去年の印象では爽やかな好青年という感じだったが、今年はかなり険しい顔をしている。
団体戦に出なかったことも含めて相当本気なのかもしれない。
相手がランダムに選出される以上、どこで当たるかは分からない。
しかしエリオットは勝ち抜くだろう。
つまりどこかでは当たるだろうなとトモナリは思ったのだった。
ーーーーー
「‘去年も同じような感じだったね’」
「‘ああ、そうだな。どこかで戦うとは思っていたけど、まさかここでとはな’」
「‘交流戦も最終試合……とうとう決勝戦を迎えました!’」
トモナリとエリオットはステージの上で対峙する。
割れんばかりの歓声が降り注いでいるけれど、二人には他の音は遠くに聞こえるような気分だった。
「‘一つ前の試合で中国のリー選手を破って団体戦に続く、個人戦も優勝を狙う日本代表アイゼントモナリ! そして……愛らしさと確かな強さで会場を魅了するスーパーモンスターのヒカリ〜!’」
一つ前の試合もなかなか大変だった。
トモナリを少しでも弱らせようと中国の選手はかなり粘ってきた。
ただコウを倒した選手でもあったので、トモナリが敵討ちでしっかりと倒した。
「‘対するは日本のシミズミズキを撃破し、快進撃を続けるカナダのキングランサー! 圧倒的な槍捌きは誰にも止められない! 去年の雪辱を晴らすことはできるのか! エリオット・クラーーーーク!’」
ミズキもかなり頑張った。
粘り強く戦い、準決勝まで勝ち上がっていた。
しかし準決勝でエリオットと戦ってミズキは負けてしまったのである。
正面からみると割と可愛い系だった顔も男らしくなっている。
かなり圧力も感じるし、強者の風格がある。
「‘……なんだかこれまでと格好違くない?’」
「‘俺も本気ってことなんだ’」
トモナリはエドと同化したドラゴンズコネクト姿となっていた。
黒いロングコートの出立ちはあまりにもこれまでと風貌が違う上に、あまり戦う服装にも見えないとエリオットは思った。
ただ着ているのも普通のロングコートではなく、エドという存在が変化したものである。
簡単にはダメージを受けるようなものでもない。
最初からドラゴンズコネクト姿なのは本気で挑むという理由もあるし、多くの人の前でスキルを発動させることを避けて隠す意味合いもあった。
赤いルビウスの姿については多少バレているようなこともあるが、エドの姿については知らない人も多い。
何が切り札になるか分からないので、あたかも装備であるかのように最初からドラゴンズコネクトを使って出てきたのだ。
瞳が金色になって、髪は茶髪になっているので明らかに装備だけじゃないと思うだろうが、ルビウスを使ったドラゴンズコネクトとはまた別スキルだと思ってくれるかもしれない。
「むふー!」
ヒカリも闘争本能が刺激されて鼻息が荒い。
トモナリのドラゴンズコネクト姿が好きなので興奮しているところもちょっとある。
「‘今年は勝たせてもらうよ。それを目標に一年間頑張ってきたんだ’」
エリオットは槍をグルリと回して構える。
トモナリをなんとしてでも倒すというエリオットの目には燃えていた。

