ハルカの未来予知については覚醒者協会の方で何ヶ所か怪しい場所を見つけてくれた。
木の感じなんかからさらに候補を絞り、捜索を行うことでゲートを見つけ出すことができた。
素早く攻略するギルドを選定して、ゲートは上手いこと攻略されたのである。
おかげでハルカもすっかり明るさが戻った。
今のところ未来予知のスキルはハルカが完全にコントロールしているわけじゃなく、月に一、二回ほど夢で勝手に未来予知してしまうようだ。
モンスターに関わることもあれば、全く関係なく季節の特別メニューを言い当てたこともある。
強い力を持つスキルなので、自分が慣れてくるまである程度は仕方ないのかもしれない。
あるいはもうちょっと魔力が強く慣れば、自分でも意図的に発動できる可能性もあった。
他に大きな問題もなく、時間は過ぎていった。
トモナリの方も四姉妹の誓いのスキルを試しつつ、上手くコントロールして使っていく方法を模索していた。
強すぎる力は己も周りも傷つけてしまう。
上手く使いこなすことができなければ戦いに用いることはできない。
「アイゼン。私はお前がふさわしいと思っている」
いつしか季節は冬になった。
冬休みを前にしてトモナリたち課外活動部は部室に集められていた。
「俺ですか?」
「白々しいことをするな。お前以外に誰がいる? みんなも納得だろう」
「……こういう時にそうですね、とも答えにくいですよ」
カエデに指名されたトモナリは苦笑いを浮かべる。
「トモナリ君なら僕も安心だよ」
「ああ、そうだな」
「異議ナーシ!」
「ほら、みんなもこう言ってるぞ」
カエデは笑顔を浮かべる。
「引き受けてくれるな?」
「……分かりました」
「よし、決まりだ! アイゼン、お前が新しい部長だ!」
カエデはトモナリの肩に手を置いた。
今日集められたのは新しい部長を決めるためであったのだ。
まだ冬休み前ではあるが、カエデたち三年生も忙しいので集められる時に集まって決めてしまったのである。
トモナリが課外活動部の部長になることに反対の意見はなかった。
トモナリもちょっと謙遜してみせたが、絶対に嫌だと断るつもりもなかった。
先輩、同級生、あるいは後輩までトモナリしかいないと言ってくれて、トモナリが課外活動部の部長となったのだった。
「ワハハー! トモナリが課外活動部の部長ということは僕も部長なのだ!」
トモナリがトップに立ったことでヒカリも自慢げだ。
「僕にお菓子を献上するのだ! ぬははははー!」
「ヒカリ、別に部長になったからって独裁できるわけじゃないぞ……」
「はい、ヒカリちゃん、お菓子」
「ヒカリ先輩には敵いませんもんね」
「みたか、トモナリ!」
みんながヒカリの前にお菓子を置く。
ヒカリはドヤ顔しているが、ヒカリが権力を得たからというより普通にいつもの光景だったりする。
「これからはアイゼンを中心にして活動を続けていくことになる。ただ、学生覚醒者世界交流戦は私が部長として行くことになる。だから実際の部長はアイゼンだが、名目上は私がもう少し部長を務めることになる」
「先輩、今年も交流戦あるんですか?」
ユウトが手を上げて質問する。
去年の交流戦は終末教のせいでひどいものとなった。
時期的にはそろそろ交流戦も近づいているなと意識していたものの、去年のことを考えると今年はないかもしれないと考えていた。
しかしカエデの口ぶりでは開催されそうだ。
「今年もあるそうだ。開催国はヨーロッパ全体の協力で行われるらしく、詳細はもうちょっとしないと分からないな」
「そうなんすか」
「まあともかく、これからアイゼンを中心に頑張ってくれ。みんなも支えてやってくれ」
「よろしくね、新部長」
「トモナリの天下なのだ!」
「みんな、よろしくな」
トモナリは課外活動部の部長となった。
メンバーの中で誰が部長かを考えた時に、そんなこともあるかもしれないとは思っていた。
「今日は私の奢りで外に食べに行こう。許可ももらっているからな」
「やった! 旧部長万歳!」
「これでようやく部長という重責から解放される」
しかし実際にそんな時が来てしまった。
時の流れは早いものだと思わざるを得ないのだった。
木の感じなんかからさらに候補を絞り、捜索を行うことでゲートを見つけ出すことができた。
素早く攻略するギルドを選定して、ゲートは上手いこと攻略されたのである。
おかげでハルカもすっかり明るさが戻った。
今のところ未来予知のスキルはハルカが完全にコントロールしているわけじゃなく、月に一、二回ほど夢で勝手に未来予知してしまうようだ。
モンスターに関わることもあれば、全く関係なく季節の特別メニューを言い当てたこともある。
強い力を持つスキルなので、自分が慣れてくるまである程度は仕方ないのかもしれない。
あるいはもうちょっと魔力が強く慣れば、自分でも意図的に発動できる可能性もあった。
他に大きな問題もなく、時間は過ぎていった。
トモナリの方も四姉妹の誓いのスキルを試しつつ、上手くコントロールして使っていく方法を模索していた。
強すぎる力は己も周りも傷つけてしまう。
上手く使いこなすことができなければ戦いに用いることはできない。
「アイゼン。私はお前がふさわしいと思っている」
いつしか季節は冬になった。
冬休みを前にしてトモナリたち課外活動部は部室に集められていた。
「俺ですか?」
「白々しいことをするな。お前以外に誰がいる? みんなも納得だろう」
「……こういう時にそうですね、とも答えにくいですよ」
カエデに指名されたトモナリは苦笑いを浮かべる。
「トモナリ君なら僕も安心だよ」
「ああ、そうだな」
「異議ナーシ!」
「ほら、みんなもこう言ってるぞ」
カエデは笑顔を浮かべる。
「引き受けてくれるな?」
「……分かりました」
「よし、決まりだ! アイゼン、お前が新しい部長だ!」
カエデはトモナリの肩に手を置いた。
今日集められたのは新しい部長を決めるためであったのだ。
まだ冬休み前ではあるが、カエデたち三年生も忙しいので集められる時に集まって決めてしまったのである。
トモナリが課外活動部の部長になることに反対の意見はなかった。
トモナリもちょっと謙遜してみせたが、絶対に嫌だと断るつもりもなかった。
先輩、同級生、あるいは後輩までトモナリしかいないと言ってくれて、トモナリが課外活動部の部長となったのだった。
「ワハハー! トモナリが課外活動部の部長ということは僕も部長なのだ!」
トモナリがトップに立ったことでヒカリも自慢げだ。
「僕にお菓子を献上するのだ! ぬははははー!」
「ヒカリ、別に部長になったからって独裁できるわけじゃないぞ……」
「はい、ヒカリちゃん、お菓子」
「ヒカリ先輩には敵いませんもんね」
「みたか、トモナリ!」
みんながヒカリの前にお菓子を置く。
ヒカリはドヤ顔しているが、ヒカリが権力を得たからというより普通にいつもの光景だったりする。
「これからはアイゼンを中心にして活動を続けていくことになる。ただ、学生覚醒者世界交流戦は私が部長として行くことになる。だから実際の部長はアイゼンだが、名目上は私がもう少し部長を務めることになる」
「先輩、今年も交流戦あるんですか?」
ユウトが手を上げて質問する。
去年の交流戦は終末教のせいでひどいものとなった。
時期的にはそろそろ交流戦も近づいているなと意識していたものの、去年のことを考えると今年はないかもしれないと考えていた。
しかしカエデの口ぶりでは開催されそうだ。
「今年もあるそうだ。開催国はヨーロッパ全体の協力で行われるらしく、詳細はもうちょっとしないと分からないな」
「そうなんすか」
「まあともかく、これからアイゼンを中心に頑張ってくれ。みんなも支えてやってくれ」
「よろしくね、新部長」
「トモナリの天下なのだ!」
「みんな、よろしくな」
トモナリは課外活動部の部長となった。
メンバーの中で誰が部長かを考えた時に、そんなこともあるかもしれないとは思っていた。
「今日は私の奢りで外に食べに行こう。許可ももらっているからな」
「やった! 旧部長万歳!」
「これでようやく部長という重責から解放される」
しかし実際にそんな時が来てしまった。
時の流れは早いものだと思わざるを得ないのだった。

