「ええと……」
受付のお兄さんはパソコンで状況を確認する。
「申し訳ありません。現在空きはないようですね。大人数向けの広いところなら空いてますよ?」
「じゃあそこお願いします」
スキルを得るだけだしそんなに広いスペースは必要ない。
でも空いてるなら使ってもいいだろう。
「一時間でよろしいですか?」
「大丈夫です」
とりあえず部屋は借りることができた。
「おお……結構な広さあるもんだな」
大人数用のトレーニングルームは広い。
「好きに体動かしてもいいぞ」
「ディーニ……」
「いやです」
「……そっか」
「僕がやるのだ?」
「おっ、いいぜ! ちょっくらやろうか」
入り口付近にトモナリとディーニを残して、ヒカリとサントリは軽く戦い始める。
「ボーッ!」
「オラっ!」
互いに炎を出して、ぶつかり合う。
「やれやれです」
サントリは戦いで体を動かすことが好きであるが、ディーニはそれほどでもない。
ヒカリとしてもトモナリに置いていかれないように戦いの練習にもなるので、サントリと戦って経験を積めることに意外と積極的だったりする。
「それじゃあサクッとやっちゃうかな」
「私が見張ります」
そんなに大それたものじゃないと思いながらステータス表示を開く。
「今回は何もなしにスキルの抽選を行うっと……」
『ランダムスキルの抽選を行います』
「何が出るかな?」
否が応でも期待はしてしまう。
ショックを受けないように何でもいいかなとは口では言うが、内心良いものがくるかもしれないと思ってしまうことは止められない。
『姉の意思が介入しました!』
「へっ?」
見慣れない表示が現れた。
「うっ!」
「ご主人様? 大丈夫ですか?」
その表示の意味を考えようとしたトモナリは、手の甲が異常な熱さを感じて顔をしかめる。
オートマタゲートを出て以来、現れていなかったディーニたちとの契約の証が手の甲に浮かび上がっている。
「トモナリ!」
「おい、大丈夫か!」
痛みにも近いような手の甲の熱さに汗が噴き出す。
トモナリの様子がおかしいとヒカリとサントリも集まってくる。
『スキルの抽選が終わりました! EXスキルが抽選されました!』
手の甲の熱が体全体に広がっていって、また新しく表示が目の前に現れた。
その瞬間熱が引いていく。
「はぁ……はぁ……」
『EXスキル四姉妹の誓いを獲得しました!』
手の甲に感じるほんのわずかな熱と読む暇もなかった表示を残してスキルの抽選は終わった。
「四姉妹の誓い?」
トモナリは汗を拭いながら表示を確認する。
見たことも聞いたこともないスキルである。
スキルの名前からは、どんなスキルか予想ができない。
ただなんだか普通のスキルではない予感がしている。
「何だよ?」
「どうか致しましたか?」
トモナリはディーニとサントリのことをみる。
何の偶然か身の回りに四姉妹がいる。
ディーニ、サントリ、シテトラ、ペンターゴの四人である。
「姉の介入……」
姉の意思が介入しましたという表示も気になる。
ふと思い出すのはモーノのことである。
「まあどんなスキルかは確認してみれば分かるか」
ディーニたちに関わっているような気がしなくもないが、考えたところで答えは出なさそう。
そんなことよりもどんなスキルなのかを見てみることにした。
『四姉妹の誓い
とある意思の願いにより繋がりがスキルとして再構成された。契約した四姉妹の力を借りることができる。魔力物質構成、魔力吸収高変換、弱点看破、怪力のスキルを切り替え、または併用して使うことができる。ただし併用するとスキルの効率は落ちる。
ーー魔力物質構成
魔力を消費して物質を作り出すことができる。スキルを解除すると物質は魔力となって消滅してしまう。
ーー魔力吸収高変換
物の持つ魔力を吸収することができる。他の物質が持つ魔力は自分のものとするのが難しいけれど、このスキルで吸収した魔力は高い変換率で自分のものとすることができる。
ーー弱点看破
相手の弱点を見抜くことができる。ただし相手を理解する必要がある。
ーー怪力
魔力を消費して力の数値を二倍まで引き上げることができる。』
「……おおっ!?」
スキルの説明が長くて読むのもちょっと大変だ。
しかしかなり有用なスキルであることは軽く読んで分かった。
要するに四つのスキルを切り替えて使うことができるというものだった。
EXスキルということで期待はしていたが、期待以上の効果である。
スキルの内容を確認した感じでは四姉妹それぞれの特徴的能力がスキルとして使えるようだ。
やっぱり四姉妹とはディーニたちのことのようである。
「魔石使わなくても良いの手に入ったな」
思わずニヤリとしてしまう。
聞いたこともないEXスキルの二個目を手に入れることができた。
魔石なんかを投入して、良いスキルを獲得できる確率を引き上げなくてもよかったのはありがたい。
「ある意味で四人を全員助けた特典……ってやつなのかな?」
こんなことがあったなんて話は聞いたことがない。
となればやはり四人全員を助け出して外に連れ出したからこうしたことが起こったという可能性が高い。
受付のお兄さんはパソコンで状況を確認する。
「申し訳ありません。現在空きはないようですね。大人数向けの広いところなら空いてますよ?」
「じゃあそこお願いします」
スキルを得るだけだしそんなに広いスペースは必要ない。
でも空いてるなら使ってもいいだろう。
「一時間でよろしいですか?」
「大丈夫です」
とりあえず部屋は借りることができた。
「おお……結構な広さあるもんだな」
大人数用のトレーニングルームは広い。
「好きに体動かしてもいいぞ」
「ディーニ……」
「いやです」
「……そっか」
「僕がやるのだ?」
「おっ、いいぜ! ちょっくらやろうか」
入り口付近にトモナリとディーニを残して、ヒカリとサントリは軽く戦い始める。
「ボーッ!」
「オラっ!」
互いに炎を出して、ぶつかり合う。
「やれやれです」
サントリは戦いで体を動かすことが好きであるが、ディーニはそれほどでもない。
ヒカリとしてもトモナリに置いていかれないように戦いの練習にもなるので、サントリと戦って経験を積めることに意外と積極的だったりする。
「それじゃあサクッとやっちゃうかな」
「私が見張ります」
そんなに大それたものじゃないと思いながらステータス表示を開く。
「今回は何もなしにスキルの抽選を行うっと……」
『ランダムスキルの抽選を行います』
「何が出るかな?」
否が応でも期待はしてしまう。
ショックを受けないように何でもいいかなとは口では言うが、内心良いものがくるかもしれないと思ってしまうことは止められない。
『姉の意思が介入しました!』
「へっ?」
見慣れない表示が現れた。
「うっ!」
「ご主人様? 大丈夫ですか?」
その表示の意味を考えようとしたトモナリは、手の甲が異常な熱さを感じて顔をしかめる。
オートマタゲートを出て以来、現れていなかったディーニたちとの契約の証が手の甲に浮かび上がっている。
「トモナリ!」
「おい、大丈夫か!」
痛みにも近いような手の甲の熱さに汗が噴き出す。
トモナリの様子がおかしいとヒカリとサントリも集まってくる。
『スキルの抽選が終わりました! EXスキルが抽選されました!』
手の甲の熱が体全体に広がっていって、また新しく表示が目の前に現れた。
その瞬間熱が引いていく。
「はぁ……はぁ……」
『EXスキル四姉妹の誓いを獲得しました!』
手の甲に感じるほんのわずかな熱と読む暇もなかった表示を残してスキルの抽選は終わった。
「四姉妹の誓い?」
トモナリは汗を拭いながら表示を確認する。
見たことも聞いたこともないスキルである。
スキルの名前からは、どんなスキルか予想ができない。
ただなんだか普通のスキルではない予感がしている。
「何だよ?」
「どうか致しましたか?」
トモナリはディーニとサントリのことをみる。
何の偶然か身の回りに四姉妹がいる。
ディーニ、サントリ、シテトラ、ペンターゴの四人である。
「姉の介入……」
姉の意思が介入しましたという表示も気になる。
ふと思い出すのはモーノのことである。
「まあどんなスキルかは確認してみれば分かるか」
ディーニたちに関わっているような気がしなくもないが、考えたところで答えは出なさそう。
そんなことよりもどんなスキルなのかを見てみることにした。
『四姉妹の誓い
とある意思の願いにより繋がりがスキルとして再構成された。契約した四姉妹の力を借りることができる。魔力物質構成、魔力吸収高変換、弱点看破、怪力のスキルを切り替え、または併用して使うことができる。ただし併用するとスキルの効率は落ちる。
ーー魔力物質構成
魔力を消費して物質を作り出すことができる。スキルを解除すると物質は魔力となって消滅してしまう。
ーー魔力吸収高変換
物の持つ魔力を吸収することができる。他の物質が持つ魔力は自分のものとするのが難しいけれど、このスキルで吸収した魔力は高い変換率で自分のものとすることができる。
ーー弱点看破
相手の弱点を見抜くことができる。ただし相手を理解する必要がある。
ーー怪力
魔力を消費して力の数値を二倍まで引き上げることができる。』
「……おおっ!?」
スキルの説明が長くて読むのもちょっと大変だ。
しかしかなり有用なスキルであることは軽く読んで分かった。
要するに四つのスキルを切り替えて使うことができるというものだった。
EXスキルということで期待はしていたが、期待以上の効果である。
スキルの内容を確認した感じでは四姉妹それぞれの特徴的能力がスキルとして使えるようだ。
やっぱり四姉妹とはディーニたちのことのようである。
「魔石使わなくても良いの手に入ったな」
思わずニヤリとしてしまう。
聞いたこともないEXスキルの二個目を手に入れることができた。
魔石なんかを投入して、良いスキルを獲得できる確率を引き上げなくてもよかったのはありがたい。
「ある意味で四人を全員助けた特典……ってやつなのかな?」
こんなことがあったなんて話は聞いたことがない。
となればやはり四人全員を助け出して外に連れ出したからこうしたことが起こったという可能性が高い。

