ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした

「母さんも……どう?」

 いきなり知らないモンスターと同居することを提案してしまった。
 ディーニたちのみならず、ゆかりにもこんなふうに考えていたとは言っていなかった。

 覚醒者ギルドに守られた建物だとしてもやはり心配はある。
 直接守ってくれる存在がいてくれればトモナリとしても安心だ。

「僕はそれでもいいけど」

「私も」

「うーん、いきなり言われてもちょっと困るかしら……」

 シテトラとペンターゴはよさそうだけど、ゆかりは悩んでいるようだった。

「今すぐ決めなくてもいいよ。しばらくここにいるし、みんなとも生活してみて少し様子を見てよ」

「まあそれなら……」

 ということでディーニたち四人も含めてトモナリの家で過ごすことになった。
 一つ分かったことは、サントリには料理のセンスが壊滅的なほどにないということだ。

 キッチンにサントリが封じられていたことが何かの嫌味かのようにディーニとペンターゴが言っていたけれど、その理由がよく分かった。
 とりあえずサントリは料理封印となった。
 
 ちなみに四姉妹も普通に食事する。
 食べたものは魔力になるらしく、普段から食事を摂ったりすることはディーニたちにとっても大切なようだ。
 
 味覚も普通にあるし、食べ物の好みだってある。
 ディーニは割と何でもこなす。

 炊事洗濯掃除も何でも完璧にやってみせる。
 ただいつも無表情なので、笑ったりするのかと何でもできる万能美人だと褒めちぎってみたら無表情のまま耳を赤くしていた。

 表情に出ないだけで感情はあるみたいだ。
 サントリは料理以外ならできる。

 なぜ料理がダメなのかは知らないけれど、とにかくダメなのでやらせないことが一番だとディーニも言っていた。
 逆にシテトラは料理がうまい。

 あまり家事をしたがらない性格をしているが、やればできる子である。
 ペンターゴはまだまだ修行中といったところだ。

 教えればちゃんとできそう。

「どう?」

「うん……悪くはないわね」

 同居人として必要なことをサントリとペンターゴはやってくれる。
 ゆかりに干渉することもなく、それぞれ自分の趣味でも見つけようとしている。

「この家はトモナリが買ってくれたものだものね。それに部屋も余ってる。……少し寂しさもあったからいいかもしれないわね」

 数日過ごしてみてゆかりも少し情が湧いてしまった。
 トモナリ以外の子供を欲しいと思ったことはないけれど、娘がいたらこんな感じだったのかもしれないとは感じていたりする。

「シテちゃんとペンちゃんはうちにいるとして、ディーちゃんとサンちゃんは連れていくの?」

 呼び方もすっかり愛称になっている。

「二人には覚醒者としての活動を手伝ってもらうよ」

「そうなのね……」

「まさか四人いないと寂しくなる……なんて思ってる?」

「あなたたちを含めて六人……もしかしたら七人かもしれないわね」

 トモナリとヒカリももちろん数に入っているとゆかりは笑顔を浮かべる。
 加えてリビングで寝ているヘキサムもいた。

「まあ二人のことは任せなさい」

「本当にいいんだね?」

「ええ、それに私のことを守ってくれるのでしょう?」

 こうして四人姉妹がどうするのかは決まった。
 ディーニとサントリはトモナリと共に、そしてシテトラとペンターゴはゆかりのところに残ることになった。

 ヘキサムはシテトラが使役している形なのでゆかりのところに残る。
 これで多少の相手ぐらいなら手を出せないレベルの自宅警備員も置くことができた。

「あとは……みんなにも紹介だな」

 ディーニたちを何と紹介したものか。
 それもまた面倒だなとトモナリは苦笑いを浮かべていたのだった。