「僕はシテトラ。この子はヘキサムっていうんだ」
四体目のオートマタが仲間になった。
トモナリの手の甲に浮かび上がる紋章は四人分合わせて一つの形を成している。
「こんなところ言われなきゃ気づかないところだったね」
窓がある違和感は覚えるかもしれないが、窓を開けてバルコニーに出て屋根上に行くことができるなど想像できる人はいないだろう。
実際トモナリも知らなかった。
ディーニたちを仲間にして、信頼を得たから教えてもらえたという可能性が高い。
「ここは……何かのホールかな?」
シテトラも仲間にして、全体的な士気も高い。
そのまま攻略を進めて鍵もかかっていないドアを開けて中に入ると、かなり広い部屋であった。
正面に四体のオートマタが立っていて、壁際にもぎっしりとオートマタたちが並んでいる。
「あの四体は少し……雰囲気が違うね」
オートマタたちが動き出す。
ディーニたちの力によって一部のオートマタが動きを止めるが、正面の四体はそのまま動く。
「どことなくディーニたちにも雰囲気が似ているね」
オートマタはどれも美形の作りをしているが、ディーニたちはその中でもかなり人に近い自然さがありながらも顔立ちも美人である。
ディーニたちに比べるとオートマタたちは偽物感、人形感があって美形のお面のような顔をしている。
ちょっとディーニたちとも顔立ちが違う雰囲気もあるし、ディーニたちは赤と紫の綺麗な瞳をしていて、そこもオートマタとは違っていた。
四体のオートマタはディーニたちに顔立ちも似ている。
加えて瞳も赤と紫色をしていて、ディーニたちから人っぽさを抜き取って完全にオートマタにしたような雰囲気があった。
「いや……なんでぇ!」
ひとまず動き出した四体のオートマタの警戒をしていると、狙われたのはトモナリだった。
なぜか四体すべてが他を無視してトモナリに向かってくる。
「ご主人様、私たちがお守りいたします」
四体の攻撃をディーニたちがそれぞれ防ぐ。
「ちょーと、こいつらの相手は任せてほしいなぁ」
「見てるとイライラするね」
「……気に入らない」
ディーニ、サントリ、シテトラ、ペンターゴはややピリピリとした雰囲気を醸し出している。
「じゃあ任せるぞ」
「ありがとうございます」
四体のオートマタに対して何か思うところがあるようだ。
トモナリは四体のオートマタをディーニたち四人に任せることにした。
「他にもヤバめのやついるしな」
多腕型や剣士型などこれまで出てきた中でも一つ強いオートマタも混じっている。
油断すると危険だ。
「ユウ、お前は剣士のオートマタに当たれ! イサキ、ヤナギ、多腕型を相手にしろ!」
「オーケー!」
「あたしはあっちだね!」
「分かった!」
イガラシが素早くオートマタを把握して指示を出す。
「ご主人様、あまり離れないでください!」
「えっ?」
トモナリも四体のオートマタはディーニたちが相手にしてくれるので、別のオートマタを狙おうと思った。
しかし動こうとしたらディーニに怒られた。
トモナリの周りではディーニたちが戦っている。
本当に守られているような感じである。
「ふむ、よく戦っているのだ!」
ヒカリは腕を組んで、ドヤ顔でディーニたちの戦いを眺めている。
どうにも四体のオートマタは戦いながらもトモナリを狙っているらしい。
トモナリが動き回ると狙いがズレるから動かないでほしいようだ。
「ええ……」
周りではみんなが戦っている。
ディーニたち四体が止めてくれた数もそれなりにいるはずなのに、それでも襲いくるオートマタの数はかなり多い。
戦いたいのに戦えない。
トモナリはもどかしさを覚えていた。
「いや……むしろいいのかもしれない」
ディーニたちはやや優勢に戦っている。
このまま邪魔しなければ勝てそうな感じもある。
ある種のタンクみたいにトモナリが敵の気を引きつけているのだと考えれば、役割はこなしているとも言えるのかもしれない。
周りを見ると少しずつだがオートマタを倒れていっている。
流石に数が多く、犠牲になっている人はいるものの、イヌサワやイガラシが特殊個体を倒せばもうちょっと楽になるだろう。
「……ヒカリ、そろそろ準備するんだ」
「ぬ? 分かったのだ」
オートマタの減り具合を見てトモナリは警戒を強める。
余裕の表情で戦いを眺めていたヒカリも、真面目なトモナリの顔を見て気を引き締める。
トモナリはディーニたちの戦いを見ていない。
見ている先はホールの奥。
そこには大きな扉がある。
いかにも何かありそうな大きな扉は今の所何も起きていないが、トモナリは警戒しているなとヒカリも扉を睨みつける。
「フッ!」
イヌサワが剣士オートマタを縦に真っ二つに斬り裂いた。
純粋にちょっと強いというだけならイヌサワにとってはさほど脅威でもなかった。
切断面に見えた魔石を剣先でほじくり出すようにして弾き飛ばす。
重力操作というスキルがピックアップされがちなイヌサワであるが、スキルを十分に活かして戦えるだけの技術や能力を持ち合わせているのである。
四体目のオートマタが仲間になった。
トモナリの手の甲に浮かび上がる紋章は四人分合わせて一つの形を成している。
「こんなところ言われなきゃ気づかないところだったね」
窓がある違和感は覚えるかもしれないが、窓を開けてバルコニーに出て屋根上に行くことができるなど想像できる人はいないだろう。
実際トモナリも知らなかった。
ディーニたちを仲間にして、信頼を得たから教えてもらえたという可能性が高い。
「ここは……何かのホールかな?」
シテトラも仲間にして、全体的な士気も高い。
そのまま攻略を進めて鍵もかかっていないドアを開けて中に入ると、かなり広い部屋であった。
正面に四体のオートマタが立っていて、壁際にもぎっしりとオートマタたちが並んでいる。
「あの四体は少し……雰囲気が違うね」
オートマタたちが動き出す。
ディーニたちの力によって一部のオートマタが動きを止めるが、正面の四体はそのまま動く。
「どことなくディーニたちにも雰囲気が似ているね」
オートマタはどれも美形の作りをしているが、ディーニたちはその中でもかなり人に近い自然さがありながらも顔立ちも美人である。
ディーニたちに比べるとオートマタたちは偽物感、人形感があって美形のお面のような顔をしている。
ちょっとディーニたちとも顔立ちが違う雰囲気もあるし、ディーニたちは赤と紫の綺麗な瞳をしていて、そこもオートマタとは違っていた。
四体のオートマタはディーニたちに顔立ちも似ている。
加えて瞳も赤と紫色をしていて、ディーニたちから人っぽさを抜き取って完全にオートマタにしたような雰囲気があった。
「いや……なんでぇ!」
ひとまず動き出した四体のオートマタの警戒をしていると、狙われたのはトモナリだった。
なぜか四体すべてが他を無視してトモナリに向かってくる。
「ご主人様、私たちがお守りいたします」
四体の攻撃をディーニたちがそれぞれ防ぐ。
「ちょーと、こいつらの相手は任せてほしいなぁ」
「見てるとイライラするね」
「……気に入らない」
ディーニ、サントリ、シテトラ、ペンターゴはややピリピリとした雰囲気を醸し出している。
「じゃあ任せるぞ」
「ありがとうございます」
四体のオートマタに対して何か思うところがあるようだ。
トモナリは四体のオートマタをディーニたち四人に任せることにした。
「他にもヤバめのやついるしな」
多腕型や剣士型などこれまで出てきた中でも一つ強いオートマタも混じっている。
油断すると危険だ。
「ユウ、お前は剣士のオートマタに当たれ! イサキ、ヤナギ、多腕型を相手にしろ!」
「オーケー!」
「あたしはあっちだね!」
「分かった!」
イガラシが素早くオートマタを把握して指示を出す。
「ご主人様、あまり離れないでください!」
「えっ?」
トモナリも四体のオートマタはディーニたちが相手にしてくれるので、別のオートマタを狙おうと思った。
しかし動こうとしたらディーニに怒られた。
トモナリの周りではディーニたちが戦っている。
本当に守られているような感じである。
「ふむ、よく戦っているのだ!」
ヒカリは腕を組んで、ドヤ顔でディーニたちの戦いを眺めている。
どうにも四体のオートマタは戦いながらもトモナリを狙っているらしい。
トモナリが動き回ると狙いがズレるから動かないでほしいようだ。
「ええ……」
周りではみんなが戦っている。
ディーニたち四体が止めてくれた数もそれなりにいるはずなのに、それでも襲いくるオートマタの数はかなり多い。
戦いたいのに戦えない。
トモナリはもどかしさを覚えていた。
「いや……むしろいいのかもしれない」
ディーニたちはやや優勢に戦っている。
このまま邪魔しなければ勝てそうな感じもある。
ある種のタンクみたいにトモナリが敵の気を引きつけているのだと考えれば、役割はこなしているとも言えるのかもしれない。
周りを見ると少しずつだがオートマタを倒れていっている。
流石に数が多く、犠牲になっている人はいるものの、イヌサワやイガラシが特殊個体を倒せばもうちょっと楽になるだろう。
「……ヒカリ、そろそろ準備するんだ」
「ぬ? 分かったのだ」
オートマタの減り具合を見てトモナリは警戒を強める。
余裕の表情で戦いを眺めていたヒカリも、真面目なトモナリの顔を見て気を引き締める。
トモナリはディーニたちの戦いを見ていない。
見ている先はホールの奥。
そこには大きな扉がある。
いかにも何かありそうな大きな扉は今の所何も起きていないが、トモナリは警戒しているなとヒカリも扉を睨みつける。
「フッ!」
イヌサワが剣士オートマタを縦に真っ二つに斬り裂いた。
純粋にちょっと強いというだけならイヌサワにとってはさほど脅威でもなかった。
切断面に見えた魔石を剣先でほじくり出すようにして弾き飛ばす。
重力操作というスキルがピックアップされがちなイヌサワであるが、スキルを十分に活かして戦えるだけの技術や能力を持ち合わせているのである。

