「おおっ! さらに楽になったな」
ディーニと同じようにペンターゴもオートマタを止める力があった。
二人合わせるとオートマタの四分の一ぐらいは無力化することができた。
これはかなり大きい。
攻略が進むにつれて攻略が難しくなることは、多くのゲートで共通している。
しかしこんなふうに進むにつれて攻略が楽になるのは非常にありがたい。
ディーニもペンターゴも戦えて戦力にもなる。
ディーニは己の体を変形させて戦い、ペンターゴはオートマタから奪った大きな斧を軽々と振り回して戦っていた。
それぞれが止めているオートマタの戦い方に似ているなとトモナリは思った。
「ますたーであるトモナリの大親友の僕はほぼますたーなのだ!」
まだ仲間にできるオートマタはいる。
しかし二人とも近くに反応を感じることもなく攻略は続いていく。
ヒカリはディーニとペンターゴに上下関係を教えていた。
二人の距離がトモナリと近いのでちょっと気になるようだ。
「いいえ、マスターはマスターです」
「そう。マスターは一人」
「むぅ!」
トモナリがマスターと呼ばれる存在ならトモナリの相棒である自分もマスターだとヒカリは主張する。
しかしディーニもペンターゴも冷静に首を振った。
「まあ……こいつは半分俺みたいなもんだと思ってくれ」
もはやヒカリとトモナリは一心同体だと言ってもいい。
ヒカリがおかしな命令をするとも思えないし、トモナリはヒカリの頭を撫でながら軽く笑顔を浮かべる。
「……検討しておきます」
「チビマスターよろしくね」
「誰がチビだ!」
ディーニは目を細め、ペンターゴは笑顔を浮かべる。
二人もそれぞれ性格や考え方が違うようである。
「階段があったぞ!」
屋敷の中を奥に進んでいくと階段を発見した。
「上から姉妹の気配を感じます」
「多分もうこの階にはいないよ」
ディーニとペンターゴは階段を見上げていた。
「この階はもう捜索しなくても大丈夫そうなのか」
「何もないよ? 何かあるなら宝物室。ここじゃない」
イガラシの質問にペンターゴがぶっきらぼうに答えた。
「では上に行きましょうか」
イガラシはシノヅカに視線を送った。
ディーニやペンターゴのことを信じたわけではないが、流石に一階全ての敵を潰して回るほど余裕があるわけでもない。
ゲートの基礎として別の階層に移動すれば、他の階層のモンスターが来ることはない。
洋館はダンジョン階層がEXなので少し分からないところはあるものの、上の階に行けば下の階のオートマタは来ないだろうと判断した。
「ここは……」
「エントランスホールの上に出るのか」
階段を上がるとドアがあった。
開けて出てみるとエントランスホールであった。
入り口から入ってきた時に階段がなくて行けなかったエントランスホールの二階部分に出てきたのだ。
「やはり空間が歪んでいるのだな」
エントランスホールからだいぶ奥に進んでいた。
階段もまっすぐ上に伸びていて、エントランスホールに繋がっているはずがない。
「気配は感じるか?」
「うっすらと」
「とりあえずいそうだな」
エントランスホールに出てきたものの、下に降りるつもりはない。
そのまま屋敷の中の捜索を再開する。
「うわっ……」
早速最初の部屋で一階との違いがあった。
「数が多いな……!」
ドアを開けてもオートマタが襲いかかって来なかった。
部屋の中に入ってみるとそこは広い部屋で、テーブルが並べられていた。
オートマタたちがテーブルに並べられた椅子に座っていて、タンクが入ると同時に顔を上げて動き出した。
「この子たちの力……助かるね」
ディーニとペンターゴの力はここでも通じた。
イヌサワは座ったまま動かないオートマタを無視して、襲いかかってくるものを先に倒していく。
「おっと!?」
「気をつけてください! 魔法を使うタイプのオートマタも出てきたようです!」
火の玉が飛んできてイヌサワはとっさに剣で切り裂いた。
オートマタの中に見慣れないタイプの見た目をしている個体がいた。
全身刺青のようなものが入っていて、他のオートマタのように飛びかかってこない。
刺青が淡く光ると魔法が発動して、火の玉が撃ち出された。
「魔法を使うものもいると聞いていたけれど……本当にいたんだな」
一階では魔法を使うオートマタはいなかった。
事前にそんなものもいるとは聞いていたが、二階で出てきたということは少し攻略も先に進んだのだなという感じがある。
「ああああっ!」
「イノウエ!」
ここまで大きな怪我人もなく戦いを進めてきた。
一体のオートマタが一人の覚醒者の腕を斬り飛ばした。
大きな叫び声を上げた覚醒者にわっとオートマタが襲いかかり、瞬く間にズタズタにされてしまう。
助ける間もなく、とうとう死人が出てしまった。
「そのオートマタ、強いぞ!」
黒髪ロング、黒い瞳のオートマタは剣を手に持っている。
動きが速くて、ちゃんとした剣術のようなものを駆使していた。
「僕が戦おう」
話したこともない相手であるが、全身ズタズタにされては気分も良くない。
険しい顔をしたイヌサワが剣士オートマタと戦う。
「ヒカリ、俺たちはあれを狙うぞ!」
明らかに邪魔なのは遠くから狙っている魔法オートマタである。
トモナリとヒカリは魔法オートマタを狙うことにした。
ディーニと同じようにペンターゴもオートマタを止める力があった。
二人合わせるとオートマタの四分の一ぐらいは無力化することができた。
これはかなり大きい。
攻略が進むにつれて攻略が難しくなることは、多くのゲートで共通している。
しかしこんなふうに進むにつれて攻略が楽になるのは非常にありがたい。
ディーニもペンターゴも戦えて戦力にもなる。
ディーニは己の体を変形させて戦い、ペンターゴはオートマタから奪った大きな斧を軽々と振り回して戦っていた。
それぞれが止めているオートマタの戦い方に似ているなとトモナリは思った。
「ますたーであるトモナリの大親友の僕はほぼますたーなのだ!」
まだ仲間にできるオートマタはいる。
しかし二人とも近くに反応を感じることもなく攻略は続いていく。
ヒカリはディーニとペンターゴに上下関係を教えていた。
二人の距離がトモナリと近いのでちょっと気になるようだ。
「いいえ、マスターはマスターです」
「そう。マスターは一人」
「むぅ!」
トモナリがマスターと呼ばれる存在ならトモナリの相棒である自分もマスターだとヒカリは主張する。
しかしディーニもペンターゴも冷静に首を振った。
「まあ……こいつは半分俺みたいなもんだと思ってくれ」
もはやヒカリとトモナリは一心同体だと言ってもいい。
ヒカリがおかしな命令をするとも思えないし、トモナリはヒカリの頭を撫でながら軽く笑顔を浮かべる。
「……検討しておきます」
「チビマスターよろしくね」
「誰がチビだ!」
ディーニは目を細め、ペンターゴは笑顔を浮かべる。
二人もそれぞれ性格や考え方が違うようである。
「階段があったぞ!」
屋敷の中を奥に進んでいくと階段を発見した。
「上から姉妹の気配を感じます」
「多分もうこの階にはいないよ」
ディーニとペンターゴは階段を見上げていた。
「この階はもう捜索しなくても大丈夫そうなのか」
「何もないよ? 何かあるなら宝物室。ここじゃない」
イガラシの質問にペンターゴがぶっきらぼうに答えた。
「では上に行きましょうか」
イガラシはシノヅカに視線を送った。
ディーニやペンターゴのことを信じたわけではないが、流石に一階全ての敵を潰して回るほど余裕があるわけでもない。
ゲートの基礎として別の階層に移動すれば、他の階層のモンスターが来ることはない。
洋館はダンジョン階層がEXなので少し分からないところはあるものの、上の階に行けば下の階のオートマタは来ないだろうと判断した。
「ここは……」
「エントランスホールの上に出るのか」
階段を上がるとドアがあった。
開けて出てみるとエントランスホールであった。
入り口から入ってきた時に階段がなくて行けなかったエントランスホールの二階部分に出てきたのだ。
「やはり空間が歪んでいるのだな」
エントランスホールからだいぶ奥に進んでいた。
階段もまっすぐ上に伸びていて、エントランスホールに繋がっているはずがない。
「気配は感じるか?」
「うっすらと」
「とりあえずいそうだな」
エントランスホールに出てきたものの、下に降りるつもりはない。
そのまま屋敷の中の捜索を再開する。
「うわっ……」
早速最初の部屋で一階との違いがあった。
「数が多いな……!」
ドアを開けてもオートマタが襲いかかって来なかった。
部屋の中に入ってみるとそこは広い部屋で、テーブルが並べられていた。
オートマタたちがテーブルに並べられた椅子に座っていて、タンクが入ると同時に顔を上げて動き出した。
「この子たちの力……助かるね」
ディーニとペンターゴの力はここでも通じた。
イヌサワは座ったまま動かないオートマタを無視して、襲いかかってくるものを先に倒していく。
「おっと!?」
「気をつけてください! 魔法を使うタイプのオートマタも出てきたようです!」
火の玉が飛んできてイヌサワはとっさに剣で切り裂いた。
オートマタの中に見慣れないタイプの見た目をしている個体がいた。
全身刺青のようなものが入っていて、他のオートマタのように飛びかかってこない。
刺青が淡く光ると魔法が発動して、火の玉が撃ち出された。
「魔法を使うものもいると聞いていたけれど……本当にいたんだな」
一階では魔法を使うオートマタはいなかった。
事前にそんなものもいるとは聞いていたが、二階で出てきたということは少し攻略も先に進んだのだなという感じがある。
「ああああっ!」
「イノウエ!」
ここまで大きな怪我人もなく戦いを進めてきた。
一体のオートマタが一人の覚醒者の腕を斬り飛ばした。
大きな叫び声を上げた覚醒者にわっとオートマタが襲いかかり、瞬く間にズタズタにされてしまう。
助ける間もなく、とうとう死人が出てしまった。
「そのオートマタ、強いぞ!」
黒髪ロング、黒い瞳のオートマタは剣を手に持っている。
動きが速くて、ちゃんとした剣術のようなものを駆使していた。
「僕が戦おう」
話したこともない相手であるが、全身ズタズタにされては気分も良くない。
険しい顔をしたイヌサワが剣士オートマタと戦う。
「ヒカリ、俺たちはあれを狙うぞ!」
明らかに邪魔なのは遠くから狙っている魔法オートマタである。
トモナリとヒカリは魔法オートマタを狙うことにした。

