「すでにご存知かもしれませんが、試練ゲートに現れるモンスターは人形型なものです」
蝦夷ギルドのギルウドハウスの会議室でオートマタゲートの説明を受ける。
モニターに映像が映し出された。
「まずはゲート内の環境から。攻略すべき場所は巨大な洋館です」
どんよりとした空模様の下にいかにもな洋館がある。
写真でのサイズ感は分かりにくいけれど、手前に生えている枯れ木から見るに相当大きそうである。
「加えて中は空間が歪んでいるのか見た目以上の大きさと複雑さがあります」
中の様子を移した写真を見ても洋館というイメージそのまんまだった。
「次にモンスターのオートマタ。見た目的にはどの個体もほぼ同じですが、戦ってみると意外と種類があります」
洋館の写真に続いてモンスターの写真が映し出された。
ただ直立で立っている様子では精巧に作られた人形である。
体や顔つきからすると女性を模した形をしているみたいだ。
服もちゃんと着させられている。
一見すると普通の人のようにすら見えるクオリティの高さだが、見えている手の関節部分は人の体にはないような線が見えていて作り物の雰囲気を呈している。
「武器を使うものもいれば、体の一部を変形させて戦うものもいます」
剣や槍を持っているオートマタや、手が刃になっていたり腕から針ようなものが生えているオートマタまでいる。
「どのオートマタがどう攻撃してくるのか予想もつきません。武器を持っている個体が急に体を変形させて変則的な攻撃を仕掛けてくることもあります。加えて魔法を使うもの時々現れることもありました」
多彩な攻撃方法。
これもオートマタゲートが厄介だと言われる一つの理由だ。
「もっとも面倒なのは……奴らはダメージを気にしないことです」
シノヅカは深いため息をついた。
オートマタの最大の特徴はダメージを一切無視してしまうことだった。
当然といえば当然の話だ。
オートマタは人形であり、生きていない。
腕を切り落とそうとも痛みを感じることはないのである。
ダメージを気にしないということは、ちょっとやそっとの攻撃でも怯まずに攻撃してくるということである。
倒さない限りは反撃をしてくる。
これが非常に厄介で三回の失敗に繋がった。
「しかし我々とてやられっぱなしではありません。オートマタを回収して調べました。その結果胴体のどこかに核となる魔石があることが分かったのです。魔石を破壊、または取り出すなどすればオートマタを倒すことができます」
可能なら魔石を避けてオートマタを破壊して、魔石を回収したいところではある。
しかし、そんな悠長なこと言っていられないなら魔石を破壊してしまった方が早い。
「現在のところ分かっている情報はこんなところです。イガラシギルドさんが来てくれて非常に心強く思っています。今回こそは試練ゲートを攻略しましょう」
「ええ、我々も全力を尽くします」
シノヅカとイガラシは改めて握手をかわす。
「ふうむ、難しそうなのだ」
「ああ、難しいよ。でも攻略法があるんだ」
イガラシギルドの中にいてはトモナリは目立たない。
誰にも見られていないトモナリはニヤリと笑ったのだった。
蝦夷ギルドのギルウドハウスの会議室でオートマタゲートの説明を受ける。
モニターに映像が映し出された。
「まずはゲート内の環境から。攻略すべき場所は巨大な洋館です」
どんよりとした空模様の下にいかにもな洋館がある。
写真でのサイズ感は分かりにくいけれど、手前に生えている枯れ木から見るに相当大きそうである。
「加えて中は空間が歪んでいるのか見た目以上の大きさと複雑さがあります」
中の様子を移した写真を見ても洋館というイメージそのまんまだった。
「次にモンスターのオートマタ。見た目的にはどの個体もほぼ同じですが、戦ってみると意外と種類があります」
洋館の写真に続いてモンスターの写真が映し出された。
ただ直立で立っている様子では精巧に作られた人形である。
体や顔つきからすると女性を模した形をしているみたいだ。
服もちゃんと着させられている。
一見すると普通の人のようにすら見えるクオリティの高さだが、見えている手の関節部分は人の体にはないような線が見えていて作り物の雰囲気を呈している。
「武器を使うものもいれば、体の一部を変形させて戦うものもいます」
剣や槍を持っているオートマタや、手が刃になっていたり腕から針ようなものが生えているオートマタまでいる。
「どのオートマタがどう攻撃してくるのか予想もつきません。武器を持っている個体が急に体を変形させて変則的な攻撃を仕掛けてくることもあります。加えて魔法を使うもの時々現れることもありました」
多彩な攻撃方法。
これもオートマタゲートが厄介だと言われる一つの理由だ。
「もっとも面倒なのは……奴らはダメージを気にしないことです」
シノヅカは深いため息をついた。
オートマタの最大の特徴はダメージを一切無視してしまうことだった。
当然といえば当然の話だ。
オートマタは人形であり、生きていない。
腕を切り落とそうとも痛みを感じることはないのである。
ダメージを気にしないということは、ちょっとやそっとの攻撃でも怯まずに攻撃してくるということである。
倒さない限りは反撃をしてくる。
これが非常に厄介で三回の失敗に繋がった。
「しかし我々とてやられっぱなしではありません。オートマタを回収して調べました。その結果胴体のどこかに核となる魔石があることが分かったのです。魔石を破壊、または取り出すなどすればオートマタを倒すことができます」
可能なら魔石を避けてオートマタを破壊して、魔石を回収したいところではある。
しかし、そんな悠長なこと言っていられないなら魔石を破壊してしまった方が早い。
「現在のところ分かっている情報はこんなところです。イガラシギルドさんが来てくれて非常に心強く思っています。今回こそは試練ゲートを攻略しましょう」
「ええ、我々も全力を尽くします」
シノヅカとイガラシは改めて握手をかわす。
「ふうむ、難しそうなのだ」
「ああ、難しいよ。でも攻略法があるんだ」
イガラシギルドの中にいてはトモナリは目立たない。
誰にも見られていないトモナリはニヤリと笑ったのだった。

