ゲートにおいて厄介な問題は、中のモンスターに遭遇するより前にも存在している。
それは入場条件や入場数の問題である。
以前トモナリは最大入場数が四人のゲートに入った。
やはり入れる人数の上限が低いほどに攻略は難しい。
多ければ何の問題もないのだけど、少ないとチームの編成にも苦労する。
時々下限入場数なんてものも設けられていたり、ゲートに入れる人数は問題となる場合があるのだ。
ただ入場数以上に問題になりがちなのは入場条件である。
多くの場合で入場条件として設けられているのはレベルによる制限だ。
特定のレベルだけということはほとんどなく、いくつ以上、いくつ以下と上限下限が設定されている。
これもいくつ以上、あるいはいくつ以下とほとんど制限がないこともあるのだけど、上限と下限両方設定されていて一定のレベル幅の間になければ攻略できないこともある。
こうなると大変だ。
基本的に覚醒者はレベルを上げて、強くなることを目指す。
低いレベルであるほどレベルが上がりやすく、低いレベルなら上げようと思えばすぐに上がっていく。
加えてレベルと覚醒者としての実力も、普通はレベルに比例して上がっていくものだ。
つまり、低レベルで実力者という存在は意外と少なかったりするのだった。
『ダンジョン階数:一階
ダンジョン難易度:Eクラス
最大入場数:22人
入場条件:レベル40以下
攻略条件:冬の結晶を破壊せよ』
「なるほどね……」
リゾート地開発計画のためにゲートの存在が邪魔になる。
そのためにゲートを攻略してほしいというお願いをトモナリはされた。
もちろんトモナリだけでなく、仲間たちもみんなで協力してということである。
トモナリがみんなに話すと、みんなもやろうと言ってくれた。
流石にあれだけ至れり尽くせりでは何もやらないという方が気まずい。
浜辺から少し離れたホテル建設予定地のど真ん中にゲートはあった。
オウルグループの覚醒者が見張っていて、ゲートブレイクなんかが起こればすぐに分かるようになっている。
ゲートに近づいて情報を確認する。
どうしてオウルグループで攻略しないのかというと入場条件が問題となっていたのだ。
「レベル40も気づけば過ぎてしまうからな……」
大型ギルドになるほど覚醒者の育成にも力を入れている。
戦力になるようにとレベルも上げてくれるので、低いレベルで留まっている人は少なくなってしまう。
オウルグループでも同様で低いレベルの覚醒者の数は少なかった。
なのでトモナリたちにお願いしてきたのだ。
低レベル覚醒者を集めて極力レベルを上げないようにして、レベル制限の大変なゲートを攻略するギルドも存在している。
だがそのようなギルドも実は需要が高い。
逆に需要が高いためにレベルを抑えようにもすぐにレベルが上がって人の入れ替わりが激しかったり、忙しくてなかなか仕事を受けてもらえなかったりする。
一方でトモナリたちはレベルはまだ高くないが、アカデミーで戦い方を習っている。
意外と貴重な人材である。
「まあ、タダでご招待なんておかしいとは思ったんだよ」
「そうだよね。でも待遇を考えるともてなしの方が高くつきそうだけど」
オウルグループのプライベートビーチにご招待されるなんて怪しいとトモナリは思っていた。
カエデは感情よりも実利で動く人で、目的があるだろうことは予想していたのである。
ただ泊めてもらったヴィラやシェフまで付いていることを考えると報酬としても十分なぐらい。
しかもゲート攻略報酬ももらえるのだから文句はなかった。
「一年はどうするか悩んだけど……」
「やるっすよ!」
「が、頑張ります!」
「装備も貸し出してくれるし、無理しなきゃ大丈夫か」
二年生はゲート攻略に参加することに誰の異論もない。
今回はハルカたち一年生もいる。
どうしようかと悩んだが、ミヤマエは一緒に行くと意気込んでいた。
ハルカも天命教の事件のことがあったためか経験を積みたいと積極的だった。
ナナやミライは行くというなら従うといった中立的な立場だったので、ミヤマエとハルカの意見で一年生も行くことになった。
一年生は自分の装備がないが、オウルグループが装備を貸し出してくれるために装備問題も解決した。
トモナリたちも一年の夏にNo.10を攻略した。
厳しい戦いになるかもしれないが、そうした経験を積んで人は強くなる。
無理をしないように慎重に攻略すれば一年生の経験にもなっていいかもしれない、とトモナリも連れていくことにした。
「よし、じゃあ準備してゲート攻略にかかるぞ」
ーーーーー
「バッカじゃない! バッカじゃない! バッッッッカじゃない!」
「そう怒るなよ」
「うっさい!」
ゲートの中は一面に白い世界だった。
ゲートの外も砂浜は白かったのだけど、同じ白でも質が違う。
なぜならゲートの中の白は砂ではなく雪で白かったからである。
一面の雪原。
それがゲートの中に広がっている。
雪が積もっているのだから当然気温は低くて寒い。
トモナリたちはオウルグループが用意してくれた防寒具を着込んでいるが、それでも冷たさが体に沁みてくるようだった。
外はあんなに暑くて海が気持ちいいぐらいだったのに、外との気温差にミズキは怒っている。
それは入場条件や入場数の問題である。
以前トモナリは最大入場数が四人のゲートに入った。
やはり入れる人数の上限が低いほどに攻略は難しい。
多ければ何の問題もないのだけど、少ないとチームの編成にも苦労する。
時々下限入場数なんてものも設けられていたり、ゲートに入れる人数は問題となる場合があるのだ。
ただ入場数以上に問題になりがちなのは入場条件である。
多くの場合で入場条件として設けられているのはレベルによる制限だ。
特定のレベルだけということはほとんどなく、いくつ以上、いくつ以下と上限下限が設定されている。
これもいくつ以上、あるいはいくつ以下とほとんど制限がないこともあるのだけど、上限と下限両方設定されていて一定のレベル幅の間になければ攻略できないこともある。
こうなると大変だ。
基本的に覚醒者はレベルを上げて、強くなることを目指す。
低いレベルであるほどレベルが上がりやすく、低いレベルなら上げようと思えばすぐに上がっていく。
加えてレベルと覚醒者としての実力も、普通はレベルに比例して上がっていくものだ。
つまり、低レベルで実力者という存在は意外と少なかったりするのだった。
『ダンジョン階数:一階
ダンジョン難易度:Eクラス
最大入場数:22人
入場条件:レベル40以下
攻略条件:冬の結晶を破壊せよ』
「なるほどね……」
リゾート地開発計画のためにゲートの存在が邪魔になる。
そのためにゲートを攻略してほしいというお願いをトモナリはされた。
もちろんトモナリだけでなく、仲間たちもみんなで協力してということである。
トモナリがみんなに話すと、みんなもやろうと言ってくれた。
流石にあれだけ至れり尽くせりでは何もやらないという方が気まずい。
浜辺から少し離れたホテル建設予定地のど真ん中にゲートはあった。
オウルグループの覚醒者が見張っていて、ゲートブレイクなんかが起こればすぐに分かるようになっている。
ゲートに近づいて情報を確認する。
どうしてオウルグループで攻略しないのかというと入場条件が問題となっていたのだ。
「レベル40も気づけば過ぎてしまうからな……」
大型ギルドになるほど覚醒者の育成にも力を入れている。
戦力になるようにとレベルも上げてくれるので、低いレベルで留まっている人は少なくなってしまう。
オウルグループでも同様で低いレベルの覚醒者の数は少なかった。
なのでトモナリたちにお願いしてきたのだ。
低レベル覚醒者を集めて極力レベルを上げないようにして、レベル制限の大変なゲートを攻略するギルドも存在している。
だがそのようなギルドも実は需要が高い。
逆に需要が高いためにレベルを抑えようにもすぐにレベルが上がって人の入れ替わりが激しかったり、忙しくてなかなか仕事を受けてもらえなかったりする。
一方でトモナリたちはレベルはまだ高くないが、アカデミーで戦い方を習っている。
意外と貴重な人材である。
「まあ、タダでご招待なんておかしいとは思ったんだよ」
「そうだよね。でも待遇を考えるともてなしの方が高くつきそうだけど」
オウルグループのプライベートビーチにご招待されるなんて怪しいとトモナリは思っていた。
カエデは感情よりも実利で動く人で、目的があるだろうことは予想していたのである。
ただ泊めてもらったヴィラやシェフまで付いていることを考えると報酬としても十分なぐらい。
しかもゲート攻略報酬ももらえるのだから文句はなかった。
「一年はどうするか悩んだけど……」
「やるっすよ!」
「が、頑張ります!」
「装備も貸し出してくれるし、無理しなきゃ大丈夫か」
二年生はゲート攻略に参加することに誰の異論もない。
今回はハルカたち一年生もいる。
どうしようかと悩んだが、ミヤマエは一緒に行くと意気込んでいた。
ハルカも天命教の事件のことがあったためか経験を積みたいと積極的だった。
ナナやミライは行くというなら従うといった中立的な立場だったので、ミヤマエとハルカの意見で一年生も行くことになった。
一年生は自分の装備がないが、オウルグループが装備を貸し出してくれるために装備問題も解決した。
トモナリたちも一年の夏にNo.10を攻略した。
厳しい戦いになるかもしれないが、そうした経験を積んで人は強くなる。
無理をしないように慎重に攻略すれば一年生の経験にもなっていいかもしれない、とトモナリも連れていくことにした。
「よし、じゃあ準備してゲート攻略にかかるぞ」
ーーーーー
「バッカじゃない! バッカじゃない! バッッッッカじゃない!」
「そう怒るなよ」
「うっさい!」
ゲートの中は一面に白い世界だった。
ゲートの外も砂浜は白かったのだけど、同じ白でも質が違う。
なぜならゲートの中の白は砂ではなく雪で白かったからである。
一面の雪原。
それがゲートの中に広がっている。
雪が積もっているのだから当然気温は低くて寒い。
トモナリたちはオウルグループが用意してくれた防寒具を着込んでいるが、それでも冷たさが体に沁みてくるようだった。
外はあんなに暑くて海が気持ちいいぐらいだったのに、外との気温差にミズキは怒っている。

