「ついでにミスリルも取れるし一石二鳥だな」
ミスリルクラブは体にミスリルをくっつけている。
つまりミスリルクラブを倒せばいくらかのミスリルを得られるということになるのだ。
「楽勝だったね」
「トモナリ君の作戦のおかげだね。あんな手段どうやって思いつくんだい?」
まともに戦えばかなり面倒な相手だろう。
しかし茹で上げるなんて方法を使って簡単にミスリルクラブを倒してしまった。
方法としては聞いたこともないような、かなり特殊なやり方である。
やり方はミスリルクラブを倒せたことから有効なのは言うまでもない。
コウはそのような方法をどうやってトモナリが思いついたのか気になったのだ。
「ネットだよ」
「ネット?」
「決してメジャーな方法じゃないけど、色々試す人はどこにでもいるのさ」
ネットで調べたと言うのはウソである。
けれどもこの戦い方はトモナリが考えだしたものではない。
相手を熱湯に閉じ込める茹で上げ戦法を考え出したのは、トモナリが回帰前にあったことがある変人魔法使いであった。
モンスターにも体内はあって、体の中には内臓が詰まっている。
中には見たこともない臓器を持っていたり、既存の生物とはかけ離れた体内構造を持つモンスターもいるが、生物らしい体内を持っていることも珍しくないのだ。
そしてたとえモンスターであっても、内臓が外側のように強固な存在は少ない。
衝撃やダメージに強いことはあるのだけど、熱に強いなんて能力を伸ばすモンスターはいない。
変人魔法使いはそんなところに目をつけた。
物理的な質量を持たない炎は相手を拘束するのに向かず、熱を与え続けるという戦い方も難しくて非効率的である。
そこで熱湯で相手を捕まえて、熱を与え続けてしまうなんて方法を考え出したのだ。
表面的には耐えられても熱が体内にまで伝わってやられてしまう。
単に熱を与えるだけじゃなく、口から流し込んだり溺れることも狙ったりもできる。
熱耐性や火耐性を持つモンスターには通じないし、デカいモンスターはお湯で包めないし、お湯の拘束から抜け出す手段を持っているモンスターには通じない、水を警戒するモンスターには避けられがち、なんて弱点は多い。
でも意外と通じることもあってバカにできないのが茹で上げ戦法であった。
小型から中型で、力押しの戦法が多くて、水を怖がらないタイプのモンスターには有効なことが多い。
ミスリルクラブなんかはまさしくそのタイプだ。
「勉強になったよ。ただ一人でやるのは少し大変かな」
コウは茹で上げ戦法について考える。
水の玉を出すだけなら難しくない。
しかし同時に水の玉を熱湯にせねばならない。
一人で再現するなら最初から熱湯で出すなんてやったこともないことをするか、水の玉を維持しつつ炎を出して水を熱する必要がある。
水を出して、水のみで魔力的なエネルギーでお湯にできるのか。
それともお湯の状態で出せるのか。
水と炎同時に使えるか。
水をお湯にするまでにかかる時間は。
なんてぶつぶつと呟きながら考えている。
「まあ休憩はおしまいにして、ミスリル掘るか。今度はサーシャだな」
ミスリルクラブを倒してミスリル鉱脈の前には何もいなくなった。
次は誰にツルハシを渡そうかと思ったらサーシャと目があった。
「ん」
ちょっといやそうな顔はしたものの、サーシャは文句も言わずにツルハシを受け取った。
「一ヶ所目よりもミスリルは多いな」
「かにうまぁなのだぁ〜」
トモナリとサーシャがミスリル採掘する横で、ヒカリはデカい人の腕ほどもあるカニの身を抱えて食べていたのだった。
ミスリルクラブは体にミスリルをくっつけている。
つまりミスリルクラブを倒せばいくらかのミスリルを得られるということになるのだ。
「楽勝だったね」
「トモナリ君の作戦のおかげだね。あんな手段どうやって思いつくんだい?」
まともに戦えばかなり面倒な相手だろう。
しかし茹で上げるなんて方法を使って簡単にミスリルクラブを倒してしまった。
方法としては聞いたこともないような、かなり特殊なやり方である。
やり方はミスリルクラブを倒せたことから有効なのは言うまでもない。
コウはそのような方法をどうやってトモナリが思いついたのか気になったのだ。
「ネットだよ」
「ネット?」
「決してメジャーな方法じゃないけど、色々試す人はどこにでもいるのさ」
ネットで調べたと言うのはウソである。
けれどもこの戦い方はトモナリが考えだしたものではない。
相手を熱湯に閉じ込める茹で上げ戦法を考え出したのは、トモナリが回帰前にあったことがある変人魔法使いであった。
モンスターにも体内はあって、体の中には内臓が詰まっている。
中には見たこともない臓器を持っていたり、既存の生物とはかけ離れた体内構造を持つモンスターもいるが、生物らしい体内を持っていることも珍しくないのだ。
そしてたとえモンスターであっても、内臓が外側のように強固な存在は少ない。
衝撃やダメージに強いことはあるのだけど、熱に強いなんて能力を伸ばすモンスターはいない。
変人魔法使いはそんなところに目をつけた。
物理的な質量を持たない炎は相手を拘束するのに向かず、熱を与え続けるという戦い方も難しくて非効率的である。
そこで熱湯で相手を捕まえて、熱を与え続けてしまうなんて方法を考え出したのだ。
表面的には耐えられても熱が体内にまで伝わってやられてしまう。
単に熱を与えるだけじゃなく、口から流し込んだり溺れることも狙ったりもできる。
熱耐性や火耐性を持つモンスターには通じないし、デカいモンスターはお湯で包めないし、お湯の拘束から抜け出す手段を持っているモンスターには通じない、水を警戒するモンスターには避けられがち、なんて弱点は多い。
でも意外と通じることもあってバカにできないのが茹で上げ戦法であった。
小型から中型で、力押しの戦法が多くて、水を怖がらないタイプのモンスターには有効なことが多い。
ミスリルクラブなんかはまさしくそのタイプだ。
「勉強になったよ。ただ一人でやるのは少し大変かな」
コウは茹で上げ戦法について考える。
水の玉を出すだけなら難しくない。
しかし同時に水の玉を熱湯にせねばならない。
一人で再現するなら最初から熱湯で出すなんてやったこともないことをするか、水の玉を維持しつつ炎を出して水を熱する必要がある。
水を出して、水のみで魔力的なエネルギーでお湯にできるのか。
それともお湯の状態で出せるのか。
水と炎同時に使えるか。
水をお湯にするまでにかかる時間は。
なんてぶつぶつと呟きながら考えている。
「まあ休憩はおしまいにして、ミスリル掘るか。今度はサーシャだな」
ミスリルクラブを倒してミスリル鉱脈の前には何もいなくなった。
次は誰にツルハシを渡そうかと思ったらサーシャと目があった。
「ん」
ちょっといやそうな顔はしたものの、サーシャは文句も言わずにツルハシを受け取った。
「一ヶ所目よりもミスリルは多いな」
「かにうまぁなのだぁ〜」
トモナリとサーシャがミスリル採掘する横で、ヒカリはデカい人の腕ほどもあるカニの身を抱えて食べていたのだった。

