「ペチャンコなのだ」
最終的にミニサウルスは何の抵抗もすることができずに潰れて床にめり込んでしまった。
「少しばかり外のものより強かったが問題ないようだな」
後ろのミニサウルスは圧倒的な力で潰してしまったので何も分からなかったが、前から来たミニサウルスと戦ったイガラシたちはミニサウルスが少し強かったと感じていた。
イガラシたちの問題になるような強さではないけれど、外と違いがあるということは警戒すべき点である。
「陣形を少し組み替える。後ろからの攻撃も警戒せねばならない」
ほぼ一本道ということで前方への警戒を強めていた。
後ろからの襲撃もあるならば後ろにも人を置くべきだろうと人の配置を換える。
トモナリたちが一番後ろにいたのだが、五十嵐ギルドに挟まれる真ん中に近い位置に移動する。
その後も急に天井からミニサウルスが降ってきたり、崩れたところから飛び出してきたりとミニサウルスの急襲が何回かあった。
「さらに下に降りる階段か」
進んでいくと階段があった。
下への階段で研究所の位置を考えるにだいぶ地下に潜って行くことになるなとイガラシは思った。
「降りていくぞ」
まだミニサウルスしか相手におらず特に問題もない。
少し怪しいからと引き返す理由はなく、少し休憩してそのまま階段を降りていく。
「……怪しさがすごいな」
階段を降りると正面大きなドアがあった。
内側から大きな力を加えられたように歪んでいて、何かの存在を感じさせた。
「おっと……何かいるようだね。怖くないかい、ヒカリ君?」
「へーきなのだ! トモナリと一緒なら何が来ても大丈夫なのだ!」
「ふふふ、そうかい」
イヌサワは柔らかく笑う。
戦いも予想されるのでサングラスを外してインベントリに入れる。
見た目にあまり入りたくなるような場所ではないけれど他に行ける場所もない。
ひしゃげて半分開いたドアの隙間からイガラシたちは中に入っていく。
「あれは……」
ドアの内側は広い部屋となっていた。
部屋の真ん中には一体のモンスターがいる。
「……ティラノサウルスみたいだね」
これまで戦ってきたミニサウルスを何倍も大きくしたようなモンスターであったのだが、小さい前足と発達した後ろ足という姿は恐竜を思わせた。
ミニサウルスのデカいバージョン。
「デカサウルスなのだ」
ミニサウルスがミニならあれはサウルスじゃないのかというツッコミをする前に、トモナリたちに気づいたデカサウルスが咆哮する。
『三階
攻略条件:グェロケルクトンを倒せ』
ここに来て三階の攻略条件が急に現れた。
目の前のデカサウルスがグェロケルクトンだろう。
つまりこれがこのゲートのボス戦なのである。
「広がれ! 研修生は下がっていろ!」
まとまっていてはいい的である。
部屋はかなり広いのである程度散らばってデカサウルスを囲むように動く。
フウカとアサミも含めてトモナリたちはデカサウルスに狙われないように距離を取る。
「この施設は……恐竜を研究してた?」
デカサウルスが暴れてイガラシたちと戦い始める。
何の研究所なのかいまだに謎であるが、こんなものがいるのならデカサウルスを研究していたのではないかとアサミは思った。
「……何だかあいつ嫌いなのだ」
デカサウルスを見てヒカリは不愉快そうな顔をしている。
「何が嫌なの?」
「分からないけど……すごく嫌な感じがするのだ」
不快感の原因は分からない。
でもデカサウルスを見ているとヒカリは何だかすごく嫌な感じがしていた。
同時にほんのりと悲しみのようなものもあった。
「うーん、なんとなく分かるな」
トモナリもデカサウルスに対して奇妙なものを感じていた。
なんと言葉にしたらいいのかも分からないけれど、分かり合えそうで分かり合えない微妙な感情にモヤモヤしてしまう。
「このまま攻め立てろ!」
ミヤノがデカサウルスの尻尾を切り落とした。
刀を武器とするミヤノはトモナリから見ても動きが洗練されていて無駄がなく、そして攻撃は一撃必殺の鋭さを持っている。
「僕の出番はなさそうだね」
見た目にはイカついデカサウルスであるけれども所詮はCクラスゲートのボスである。
特殊な環境でもなければ、特殊な攻撃や能力もない。
戦う相手としては難しいところもなくデカサウルスはイガラシたちの連携に追い詰められている。
トモナリたちのそばにいるイヌサワが参戦しなくてもそのまま倒せてしまいそうであった。
「おりゃああああっ!」
足を切られて怯んだデカサウルスにイサキが飛びかかる。
怪力スキルで増した力で大剣を振り下ろす。
デカサウルスの首が切り落とされて血が吹き出した。
「おお……」
見事なトドメの一撃にトモナリも思わず声を漏らしてしまった。
『ゲートが攻略されました!
間も無くゲートの崩壊が始まります!
残り6:00』
デカサウルスの首が切り落とされてゲートが攻略された。
『安全装置が起動します!
グェロケルクトンが自爆します!
0:00:10』
同時にもう一つの表示が現れた。
最終的にミニサウルスは何の抵抗もすることができずに潰れて床にめり込んでしまった。
「少しばかり外のものより強かったが問題ないようだな」
後ろのミニサウルスは圧倒的な力で潰してしまったので何も分からなかったが、前から来たミニサウルスと戦ったイガラシたちはミニサウルスが少し強かったと感じていた。
イガラシたちの問題になるような強さではないけれど、外と違いがあるということは警戒すべき点である。
「陣形を少し組み替える。後ろからの攻撃も警戒せねばならない」
ほぼ一本道ということで前方への警戒を強めていた。
後ろからの襲撃もあるならば後ろにも人を置くべきだろうと人の配置を換える。
トモナリたちが一番後ろにいたのだが、五十嵐ギルドに挟まれる真ん中に近い位置に移動する。
その後も急に天井からミニサウルスが降ってきたり、崩れたところから飛び出してきたりとミニサウルスの急襲が何回かあった。
「さらに下に降りる階段か」
進んでいくと階段があった。
下への階段で研究所の位置を考えるにだいぶ地下に潜って行くことになるなとイガラシは思った。
「降りていくぞ」
まだミニサウルスしか相手におらず特に問題もない。
少し怪しいからと引き返す理由はなく、少し休憩してそのまま階段を降りていく。
「……怪しさがすごいな」
階段を降りると正面大きなドアがあった。
内側から大きな力を加えられたように歪んでいて、何かの存在を感じさせた。
「おっと……何かいるようだね。怖くないかい、ヒカリ君?」
「へーきなのだ! トモナリと一緒なら何が来ても大丈夫なのだ!」
「ふふふ、そうかい」
イヌサワは柔らかく笑う。
戦いも予想されるのでサングラスを外してインベントリに入れる。
見た目にあまり入りたくなるような場所ではないけれど他に行ける場所もない。
ひしゃげて半分開いたドアの隙間からイガラシたちは中に入っていく。
「あれは……」
ドアの内側は広い部屋となっていた。
部屋の真ん中には一体のモンスターがいる。
「……ティラノサウルスみたいだね」
これまで戦ってきたミニサウルスを何倍も大きくしたようなモンスターであったのだが、小さい前足と発達した後ろ足という姿は恐竜を思わせた。
ミニサウルスのデカいバージョン。
「デカサウルスなのだ」
ミニサウルスがミニならあれはサウルスじゃないのかというツッコミをする前に、トモナリたちに気づいたデカサウルスが咆哮する。
『三階
攻略条件:グェロケルクトンを倒せ』
ここに来て三階の攻略条件が急に現れた。
目の前のデカサウルスがグェロケルクトンだろう。
つまりこれがこのゲートのボス戦なのである。
「広がれ! 研修生は下がっていろ!」
まとまっていてはいい的である。
部屋はかなり広いのである程度散らばってデカサウルスを囲むように動く。
フウカとアサミも含めてトモナリたちはデカサウルスに狙われないように距離を取る。
「この施設は……恐竜を研究してた?」
デカサウルスが暴れてイガラシたちと戦い始める。
何の研究所なのかいまだに謎であるが、こんなものがいるのならデカサウルスを研究していたのではないかとアサミは思った。
「……何だかあいつ嫌いなのだ」
デカサウルスを見てヒカリは不愉快そうな顔をしている。
「何が嫌なの?」
「分からないけど……すごく嫌な感じがするのだ」
不快感の原因は分からない。
でもデカサウルスを見ているとヒカリは何だかすごく嫌な感じがしていた。
同時にほんのりと悲しみのようなものもあった。
「うーん、なんとなく分かるな」
トモナリもデカサウルスに対して奇妙なものを感じていた。
なんと言葉にしたらいいのかも分からないけれど、分かり合えそうで分かり合えない微妙な感情にモヤモヤしてしまう。
「このまま攻め立てろ!」
ミヤノがデカサウルスの尻尾を切り落とした。
刀を武器とするミヤノはトモナリから見ても動きが洗練されていて無駄がなく、そして攻撃は一撃必殺の鋭さを持っている。
「僕の出番はなさそうだね」
見た目にはイカついデカサウルスであるけれども所詮はCクラスゲートのボスである。
特殊な環境でもなければ、特殊な攻撃や能力もない。
戦う相手としては難しいところもなくデカサウルスはイガラシたちの連携に追い詰められている。
トモナリたちのそばにいるイヌサワが参戦しなくてもそのまま倒せてしまいそうであった。
「おりゃああああっ!」
足を切られて怯んだデカサウルスにイサキが飛びかかる。
怪力スキルで増した力で大剣を振り下ろす。
デカサウルスの首が切り落とされて血が吹き出した。
「おお……」
見事なトドメの一撃にトモナリも思わず声を漏らしてしまった。
『ゲートが攻略されました!
間も無くゲートの崩壊が始まります!
残り6:00』
デカサウルスの首が切り落とされてゲートが攻略された。
『安全装置が起動します!
グェロケルクトンが自爆します!
0:00:10』
同時にもう一つの表示が現れた。

