「なんとなく怪しさを感じるな」
モンスターを討伐することが攻略の条件ではないので積極的にミニサウルスを倒す必要はない。
けれどもイガラシは集まっているミニサウルスに何かを感じた。
「……倒してみるぞ」
ゲートの中で異常を感じるものを発見した時は何かがある可能性が高い。
どの道周辺を捜索するのにミニサウルスの群れは邪魔である。
バレないうちに先制攻撃を仕掛けられるなら倒してしまった方が後々楽だ。
イガラシはミニサウルスを倒すことにした。
魔法や弓で先制攻撃を仕掛ける。
ミニサウルスとの力の差があるのでこれだけでも半分ほどが倒れてしまう。
イガラシに気づいたミニサウルスはまっすぐに走ってくる。
もう一度魔法を使えば簡単に倒せそうな気がしなくもないけれど、今後のために魔力の温存も大事になってくる。
ここは魔法は使わずしっかりと引きつけてみんなで戦う。
「トモナリ君のインベントリはどうだい?」
「まだ空きがあります」
「じゃあこっちの死体頼めるかな?」
あっさりとミニサウルスは倒された。
ミニサウルスの死体は回収してインベントリに入れていく。
トモナリのインベントリはまだまだ余裕がある。
というかそもそもインベントリの上限がどこなのかトモナリですらまだ把握していない。
すぐに容量いっぱいになる人も多い中で、トモナリのインベントリはかなり大きい。
何体かのミニサウルスをインベントリに納めて、トモナリはフウカの状態を確認する。
フウカはよくついていっている方だと思う。
周りが強いせいで勘違いしがちだがミニサウルスもトモナリから見れば十分に強いモンスターなのである。
Cクラスならフウカとしては適正レベルか少し上ぐらいだ。
無表情なので分かりにくいが、無理をしている可能性もあるのでトモナリは随時フウカの体調には気をつかっていた。
「スポドリです」
「ありがと」
インベントリから外から持ってきたスポーツドリンクの水筒を取り出してフウカに渡す。
「大丈夫そうですか?」
「うん、大丈夫。むしろ楽しい」
ギリギリの戦いではあるけれど、アカデミーの中ではそうした経験はあまりできない。
強さによってどうしてもレベルが上がるのにも差が出てくるので、フウカからするとアカデミーでの経験は少し物足りなくなっていた。
今はついていくのも大変だけど戦っているという高揚感を感じていた。
「無理しないでくださいよ」
「しそうになったら止めて」
「……努力はします」
「ぺちんって叩いて止めてやるのだ!」
「期待してるよ」
死体の回収が終わったらミニサウルスが集まっていた周辺に向かう。
「ここに入り口があります!」
「……ここが正解のようだな」
ミニサウルスがいた付近にまた別の入り口があった。
扉はひしゃげたように破壊されていて出入りができるようになっている。
中は青い魔力が渦巻いている。
単純に研究所に入るのではなく次の階への入り口となるゲートになっているのだ。
「これは次の階に行けるみたいですね」
『研究所を発見しました!』
「当たりだ。シノハラたちに連絡をとって合流するぞ」
ーーーーー
「こんなタイプの入り口もあるんだな」
イガラシに合流したシノハラは研究所入り口のゲートを見て驚く。
名目上階と言われていてまるで層のようにそれぞれの別の空間が広がる階が存在しているかのようにみんな思っているが、そうではない場合もある。
連続した空間をそれぞれ分けて階としているゲートも時々存在している。
今回は研究所の外と研究所は繋がっていて連続した空間だが、ゲートによって分けられているのだ。
「次が三階……より警戒を強めて進むぞ」
ゲート情報によるとこのゲートは三つの階で構成されている。
となると次の三階が最終階であり、通常ならボスが出現する階となる。
そしてここまでゲート事故は起きていない。
やはり何か起きるなら三階だろうとイガラシは注意喚起する。
すでに安全確認は行なっているので中に入る。
ゲートの先は人工的な施設であった。
おそらくゲートのあった入り口から入ってきた先の中なのだろう。
後ろを振り返ってみると破壊された扉があって青く渦巻くゲートがある。
そしてさらにその後ろは天井が崩れて塞がれていた。
なんとかゲートを避けて研究所の中に入ろうとしても不可能だったようだ。
「さて……急にきな臭い感じになったな」
シノハラが周りの様子を見て顔をしかめる。
一階、二階と人工物を感じさせることのない自然環境が舞台だったのに、三階にきて怪しい気配のある研究所が舞台となった。
明らかに空気感が違う。
「なんというか……明かりついてんのも嫌だね」
研究所の中は荒れていた。
ミニサウルスがつけたものだろうか壁に大きな傷があったり床にものが散乱している。
その一方で地下にある研究所なのに中は明るい。
天井にある明かりがまだ生きていて研究所の中は十分な明るさがあるのだ。
暗くて廃棄された雰囲気があれば人もいないだろうと思うのだが、変に人の気配を感じさせるような雰囲気がまた気持ち悪い。
モンスターを討伐することが攻略の条件ではないので積極的にミニサウルスを倒す必要はない。
けれどもイガラシは集まっているミニサウルスに何かを感じた。
「……倒してみるぞ」
ゲートの中で異常を感じるものを発見した時は何かがある可能性が高い。
どの道周辺を捜索するのにミニサウルスの群れは邪魔である。
バレないうちに先制攻撃を仕掛けられるなら倒してしまった方が後々楽だ。
イガラシはミニサウルスを倒すことにした。
魔法や弓で先制攻撃を仕掛ける。
ミニサウルスとの力の差があるのでこれだけでも半分ほどが倒れてしまう。
イガラシに気づいたミニサウルスはまっすぐに走ってくる。
もう一度魔法を使えば簡単に倒せそうな気がしなくもないけれど、今後のために魔力の温存も大事になってくる。
ここは魔法は使わずしっかりと引きつけてみんなで戦う。
「トモナリ君のインベントリはどうだい?」
「まだ空きがあります」
「じゃあこっちの死体頼めるかな?」
あっさりとミニサウルスは倒された。
ミニサウルスの死体は回収してインベントリに入れていく。
トモナリのインベントリはまだまだ余裕がある。
というかそもそもインベントリの上限がどこなのかトモナリですらまだ把握していない。
すぐに容量いっぱいになる人も多い中で、トモナリのインベントリはかなり大きい。
何体かのミニサウルスをインベントリに納めて、トモナリはフウカの状態を確認する。
フウカはよくついていっている方だと思う。
周りが強いせいで勘違いしがちだがミニサウルスもトモナリから見れば十分に強いモンスターなのである。
Cクラスならフウカとしては適正レベルか少し上ぐらいだ。
無表情なので分かりにくいが、無理をしている可能性もあるのでトモナリは随時フウカの体調には気をつかっていた。
「スポドリです」
「ありがと」
インベントリから外から持ってきたスポーツドリンクの水筒を取り出してフウカに渡す。
「大丈夫そうですか?」
「うん、大丈夫。むしろ楽しい」
ギリギリの戦いではあるけれど、アカデミーの中ではそうした経験はあまりできない。
強さによってどうしてもレベルが上がるのにも差が出てくるので、フウカからするとアカデミーでの経験は少し物足りなくなっていた。
今はついていくのも大変だけど戦っているという高揚感を感じていた。
「無理しないでくださいよ」
「しそうになったら止めて」
「……努力はします」
「ぺちんって叩いて止めてやるのだ!」
「期待してるよ」
死体の回収が終わったらミニサウルスが集まっていた周辺に向かう。
「ここに入り口があります!」
「……ここが正解のようだな」
ミニサウルスがいた付近にまた別の入り口があった。
扉はひしゃげたように破壊されていて出入りができるようになっている。
中は青い魔力が渦巻いている。
単純に研究所に入るのではなく次の階への入り口となるゲートになっているのだ。
「これは次の階に行けるみたいですね」
『研究所を発見しました!』
「当たりだ。シノハラたちに連絡をとって合流するぞ」
ーーーーー
「こんなタイプの入り口もあるんだな」
イガラシに合流したシノハラは研究所入り口のゲートを見て驚く。
名目上階と言われていてまるで層のようにそれぞれの別の空間が広がる階が存在しているかのようにみんな思っているが、そうではない場合もある。
連続した空間をそれぞれ分けて階としているゲートも時々存在している。
今回は研究所の外と研究所は繋がっていて連続した空間だが、ゲートによって分けられているのだ。
「次が三階……より警戒を強めて進むぞ」
ゲート情報によるとこのゲートは三つの階で構成されている。
となると次の三階が最終階であり、通常ならボスが出現する階となる。
そしてここまでゲート事故は起きていない。
やはり何か起きるなら三階だろうとイガラシは注意喚起する。
すでに安全確認は行なっているので中に入る。
ゲートの先は人工的な施設であった。
おそらくゲートのあった入り口から入ってきた先の中なのだろう。
後ろを振り返ってみると破壊された扉があって青く渦巻くゲートがある。
そしてさらにその後ろは天井が崩れて塞がれていた。
なんとかゲートを避けて研究所の中に入ろうとしても不可能だったようだ。
「さて……急にきな臭い感じになったな」
シノハラが周りの様子を見て顔をしかめる。
一階、二階と人工物を感じさせることのない自然環境が舞台だったのに、三階にきて怪しい気配のある研究所が舞台となった。
明らかに空気感が違う。
「なんというか……明かりついてんのも嫌だね」
研究所の中は荒れていた。
ミニサウルスがつけたものだろうか壁に大きな傷があったり床にものが散乱している。
その一方で地下にある研究所なのに中は明るい。
天井にある明かりがまだ生きていて研究所の中は十分な明るさがあるのだ。
暗くて廃棄された雰囲気があれば人もいないだろうと思うのだが、変に人の気配を感じさせるような雰囲気がまた気持ち悪い。

