『一階
攻略条件:全てのモンスターを倒せ』
パッと目の前に表示が現れる。
ゲート全体の攻略条件としては全ての階を攻略せよである。
つまりそれぞれの階において攻略すべき条件があるということなのだ。
一階の攻略条件はシンプルにモンスターを倒せばいいようである。
モンスターを倒せという条件は多くのゲートで出てくるもので驚くものでもない。
みんなは条件を軽く確認してすぐに表示を消して周りを警戒する。
「先発の調査ではこの階に出てくるのは外にいるミニサウルスと同じだ。二手に分かれて攻略する。異変を感じたらすぐにもう一つの部隊に連絡、ゲートが発生したりしても近寄るな」
ゲート事故の可能性はあるけれど常に全員まとまって動くのでは効率が悪すぎる。
ある程度の人数を確保しながら効率も上げるために人員を二つに分けることにした。
もう一つの部隊はシノハラが率いる。
覚醒者としての能力はトップではないけれど、冷静で周りをよく見ていて素早い判断を下すことができる人だからリーダー役を任された。
トモナリたちはイガラシが率いる部隊についていく。
良いところを見せると言っていたミヤノとは別になってしまった。
「楽できると思ったんだけどね……」
ミヤノがトモナリに力を見せるために頑張るはずだったのにアテが外れたとイヌサワは口を尖らせていた。
「今のうちに研修生に経験を積ませておくか。ヤナギ君とアムロ君も前に出て戦ってもらおう」
フウカもアサミも課外活動部で経験を積んできた覚醒者である。
Cクラスでもなんとか戦えるだけの力はある。
一階でゲート事故が起こる可能性も低い。
モンスターの実力も分かっているのでここで一つ経験を積ませてもいいかもしれないとイガラシは思った。
何もさせないのに連れてきましたというのではみんなも納得できないだろう。
「ミニサウルスを見つけました!」
「戦闘準備だ!」
三年生の二人はいいがトモナリとサーシャはまだレベル的にCクラスゲートなんて挑める力はない。
みんなが簡単に倒すから勘違いしそうになるが、ミニサウルスもトモナリたちにとってはまだまだ簡単な相手なんかではないのだ。
近くにミニサウルスを見つけて臨戦態勢を取る。
フウカとアサミは他の人と連携を取って前に出るが、トモナリたちは逆に後ろに下がる。
イヌサワはトモナリとサーシャを守るという大義名分を得て堂々と後ろに陣取っている。
ミニサウルスそのもの自体ははぐれた個体とフウカとアサミも戦ったことがある。
その時は手厚いサポート付きであったけれど今回はそんなサポートもなく相手の数も多い。
イヌサワたちがいるので大丈夫と思いながらトモナリは戦いを眺める。
直接戦わなくても多少の経験値はもらえるのだから見学だけでもありがたいものである。
「また他のやつも寄ってきてます!」
戦わないからといって何もしなくてもいいわけじゃない。
全体を見て異変がないかチェックすることや周りの警戒というものは必要である。
戦いの気配に誘われてさらにミニサウルスが寄ってきていた。
イヌサワが報告するとイガラシは走ってくるミニサウルスを確認して指示を出す。
『よく来たな……』
「えっ?」
「どうした?」
「いや……なんだか声が」
急に周りを見回すトモナリをサーシャは不思議そうな目で見ている。
『この苦しみを……終わらせてくれ……』
どこからと思ったがまた声が聞こえて分かった。
どこからでもなく頭の中に声が響く。
他の人には聞こえていないようで、サーシャは首を傾げている。
「トモナリ……」
「ヒカリも聞こえるのか?」
「ぬん。変な声聞こえるのだ」
トモナリだけかと思ったらヒカリにも不思議な声が聞こえているようだ。
「何の声かわかるか?」
「分からないのだ」
ゲート事故のヒントになるかもしれない。
そう思ったのだけどそれ以上声は聞こえなかった。
「大丈夫?」
「ああ……大丈夫だよ」
少し不安げなサーシャにトモナリは笑顔を返す。
声が聞こえたからと他に問題があったわけじゃない。
「次を探しにいくぞ」
気づいたらミニサウルスは追加で襲いかかってきた分も倒されていた。
みんなでインベントリに倒したミニサウルスを収めて他のミニサウルスを探す。
ミニサウルスは感覚が鋭く割と離れていてもトモナリたち攻略隊のことを見つけ出してくる。
好戦的でミニサウルスの方から寄ってくるので探す手間は少なくて済んだ。
『クェラケルクトンが全滅しました! 二階への扉が開かれます』
ミニサウルスを探して歩いていると表示が現れた。
どうやらもう一つの部隊の方が倒したミニサウルスが最後だったようである。
「クェラケルクトン……っていうのか」
ついでに表示によってミニサウルスの名前が判明した。
読みにくいなとトモナリは思った。
「これならミニサウルスでいいかもしれないね」
同じ感想をイヌサワも思ったらしく笑っていた。
「二階への扉は……あちらだな」
扉の位置を教えてくれるように光の柱が出現している。
そこに向かえばもう一つの部隊とも合流できるだろうと光の柱に向かって移動を始めた。
攻略条件:全てのモンスターを倒せ』
パッと目の前に表示が現れる。
ゲート全体の攻略条件としては全ての階を攻略せよである。
つまりそれぞれの階において攻略すべき条件があるということなのだ。
一階の攻略条件はシンプルにモンスターを倒せばいいようである。
モンスターを倒せという条件は多くのゲートで出てくるもので驚くものでもない。
みんなは条件を軽く確認してすぐに表示を消して周りを警戒する。
「先発の調査ではこの階に出てくるのは外にいるミニサウルスと同じだ。二手に分かれて攻略する。異変を感じたらすぐにもう一つの部隊に連絡、ゲートが発生したりしても近寄るな」
ゲート事故の可能性はあるけれど常に全員まとまって動くのでは効率が悪すぎる。
ある程度の人数を確保しながら効率も上げるために人員を二つに分けることにした。
もう一つの部隊はシノハラが率いる。
覚醒者としての能力はトップではないけれど、冷静で周りをよく見ていて素早い判断を下すことができる人だからリーダー役を任された。
トモナリたちはイガラシが率いる部隊についていく。
良いところを見せると言っていたミヤノとは別になってしまった。
「楽できると思ったんだけどね……」
ミヤノがトモナリに力を見せるために頑張るはずだったのにアテが外れたとイヌサワは口を尖らせていた。
「今のうちに研修生に経験を積ませておくか。ヤナギ君とアムロ君も前に出て戦ってもらおう」
フウカもアサミも課外活動部で経験を積んできた覚醒者である。
Cクラスでもなんとか戦えるだけの力はある。
一階でゲート事故が起こる可能性も低い。
モンスターの実力も分かっているのでここで一つ経験を積ませてもいいかもしれないとイガラシは思った。
何もさせないのに連れてきましたというのではみんなも納得できないだろう。
「ミニサウルスを見つけました!」
「戦闘準備だ!」
三年生の二人はいいがトモナリとサーシャはまだレベル的にCクラスゲートなんて挑める力はない。
みんなが簡単に倒すから勘違いしそうになるが、ミニサウルスもトモナリたちにとってはまだまだ簡単な相手なんかではないのだ。
近くにミニサウルスを見つけて臨戦態勢を取る。
フウカとアサミは他の人と連携を取って前に出るが、トモナリたちは逆に後ろに下がる。
イヌサワはトモナリとサーシャを守るという大義名分を得て堂々と後ろに陣取っている。
ミニサウルスそのもの自体ははぐれた個体とフウカとアサミも戦ったことがある。
その時は手厚いサポート付きであったけれど今回はそんなサポートもなく相手の数も多い。
イヌサワたちがいるので大丈夫と思いながらトモナリは戦いを眺める。
直接戦わなくても多少の経験値はもらえるのだから見学だけでもありがたいものである。
「また他のやつも寄ってきてます!」
戦わないからといって何もしなくてもいいわけじゃない。
全体を見て異変がないかチェックすることや周りの警戒というものは必要である。
戦いの気配に誘われてさらにミニサウルスが寄ってきていた。
イヌサワが報告するとイガラシは走ってくるミニサウルスを確認して指示を出す。
『よく来たな……』
「えっ?」
「どうした?」
「いや……なんだか声が」
急に周りを見回すトモナリをサーシャは不思議そうな目で見ている。
『この苦しみを……終わらせてくれ……』
どこからと思ったがまた声が聞こえて分かった。
どこからでもなく頭の中に声が響く。
他の人には聞こえていないようで、サーシャは首を傾げている。
「トモナリ……」
「ヒカリも聞こえるのか?」
「ぬん。変な声聞こえるのだ」
トモナリだけかと思ったらヒカリにも不思議な声が聞こえているようだ。
「何の声かわかるか?」
「分からないのだ」
ゲート事故のヒントになるかもしれない。
そう思ったのだけどそれ以上声は聞こえなかった。
「大丈夫?」
「ああ……大丈夫だよ」
少し不安げなサーシャにトモナリは笑顔を返す。
声が聞こえたからと他に問題があったわけじゃない。
「次を探しにいくぞ」
気づいたらミニサウルスは追加で襲いかかってきた分も倒されていた。
みんなでインベントリに倒したミニサウルスを収めて他のミニサウルスを探す。
ミニサウルスは感覚が鋭く割と離れていてもトモナリたち攻略隊のことを見つけ出してくる。
好戦的でミニサウルスの方から寄ってくるので探す手間は少なくて済んだ。
『クェラケルクトンが全滅しました! 二階への扉が開かれます』
ミニサウルスを探して歩いていると表示が現れた。
どうやらもう一つの部隊の方が倒したミニサウルスが最後だったようである。
「クェラケルクトン……っていうのか」
ついでに表示によってミニサウルスの名前が判明した。
読みにくいなとトモナリは思った。
「これならミニサウルスでいいかもしれないね」
同じ感想をイヌサワも思ったらしく笑っていた。
「二階への扉は……あちらだな」
扉の位置を教えてくれるように光の柱が出現している。
そこに向かえばもう一つの部隊とも合流できるだろうと光の柱に向かって移動を始めた。

