「勝宏坊っちゃん、貴方私に言うことは?」

「おお怖。もうバレちゃった?」

「報復に勝宏坊っちゃんの黒歴史、会社に送りつけましょうか?そうですねぇ。中学生になってもおねしょしてたことでもいいですし、あれでも良いな。」

「悪かったって。」

「そんなんで済むとお思いですか?」

「いいじゃん両思いなんだから。」

「駄目です。旦那様に顔向けできませんし、親父に怒鳴られます。」

「雅さん…………。」

「なんですか?」

「仁さんは死んだよ。」

「えっ?」

「また忘れちゃった?辛いのは分かるけど、もう1年経ったよ。もうそろそろ受け入れようよ、雅さん。」

「そうだ、親父は死んだんだった。」

この会話も何回したことか、勝宏には分からなかった

「雅さん…………。」

「はい?」

雅は泣くように笑った。

「そうだ。雅さんは隆宏の居場所知ってる?雅さんなら知ってるかなと思って。」

「隆宏お坊ちゃんなら、シンガポールにいますよ?」

「そう、なら良いんだ。」

「では失礼します。」

「お疲れ様。」