学校の近くで一番賑わっている駅周辺に着いた。賑わっていると言っても、休日なのにそんなに人はいない。
まさか、撮影される状況で〝初遊びデート〟をするなんて、全く思わなかったな。
今日の輪島は、風が冷たくなってきたから、上は黒い無地の長袖パーカーで下はダボッと系のデニムの姿。Tシャツ姿よりも筋肉を感じない。実は脱いだら凄いんだ!と、この辺を歩いている知らない人たちにも自慢したい気もする。ちなみに俺は白い無地のパーカーで合わせてみた。パーカー色違いのお揃い感。
「そういえば、今日のデー……遊び、何も考えてなかったけど、何する?」
「プランはいくつかまとめてある。どれがいい?」
輪島はポケットから紙切れを三枚出した。
ショッピングコース、筋トレジム体験コース、ボーリングとオススメ場所めぐり、か……。やっぱりデートだから、いつもと違うことしたいかな。
「これがいい」
俺は迷わずにボーリングとオススメ場所めぐりを選んだ。そしてボーリング場に向かうために歩き始めた。俺は後ろからついてくる取材の男をちらちら気にしながら歩くが、輪島は一切気にしていない。そしてちょっと歩くと、ボーリング場に着いた。
「輪島は、ボーリングしたことあるの?」
「……ない」
「でも輪島なら、すぐに上手くなりそうだな」
俺は中学のころ、ヤンキーの先輩に連れられて何度か来たことがある。ただ流されてやっていたから、楽しいと思える記憶はなかったな――。
受付で靴を借りてから、ボールを選ぶ。
「ボールの重さって、どのぐらいのがいいんだろう」
「情報によると、体重の十分の一ぐらいがいいのだとか」
細かい所まで調べている輪島。
本当に輪島は天才だな!
「俺は〝12〟ぐらいにしておこうかな?」
俺は自分の体重が何キロか忘れたから、適当に重すぎないボールを選んだ。輪島は迷わず店の中で一番重たい〝15〟と書いてあるボールを選んだ。
「どっちが先に投げる?」
「輪島、先に投げていいぞ」
ボーリングのボール、いきなり端っこに行って一本もピン倒せなかったら嫌だな。
――輪島に見られるの、なんか恥ずかしい。
輪島は機械に名前を入力する。
そして腕をまくり、並んでいるピンをじっと眺めた。
そしてついに、輪島がボールをピンに向けてコロコロした。
ボールは右側を勢いよくコロコロし、なんと、ピンの直前でいきなり左にカーブした。
見上げるとみえる、目の前の画面にはストライクの文字がズドンと現れた。
「輪島、すげー! かっこよすぎだから」
「次は先輩だ」
「お、おぅ」
輪島が完璧に決めたあとに俺の番。先にやればよかったかな?
というか、輪島、ボーリング本当に初めて?
ドキドキドキドキ……。
緊張しながらボールをコロコロさせると、端っこの溝にゴロンした。輪島の顔を見ると、黙って頷いてきた。
――俺も、かっこいいところ、輪島に見せたかったな。なんか、落ち込む。
「先輩は、ボールに回転をかけない方がいいかもな。あと、真ん中の三角印のところを目掛けて転がしてみろ、こうだ!」と、言いながら輪島が俺の背後から、俺の持っているボールに触れ、投げ方講座を。
なんか、後ろから抱きしめられてるみたいだ。
ボーリングに集中できない。
「先輩、ボーリングに集中して! 難しいか?」
「いや、集中出来るし……」
「じゃあ、やってみろ!」
輪島は俺から離れ、俺は輪島におしえてもらった通りにボールをコロコロした。ボールは中心をまっすぐに走っていく。そして――。
「やった! 全部倒れた!」
俺は輪島と両手をパチンとした。
ボーリングってめちゃくちゃ楽しいな!
「もうそろそろ、ボーリングは終わるぞ」
「いや、もう1ゲームだ!」
そんな会話が繰り返され、あっという間に時間は過ぎていった。
まさか、撮影される状況で〝初遊びデート〟をするなんて、全く思わなかったな。
今日の輪島は、風が冷たくなってきたから、上は黒い無地の長袖パーカーで下はダボッと系のデニムの姿。Tシャツ姿よりも筋肉を感じない。実は脱いだら凄いんだ!と、この辺を歩いている知らない人たちにも自慢したい気もする。ちなみに俺は白い無地のパーカーで合わせてみた。パーカー色違いのお揃い感。
「そういえば、今日のデー……遊び、何も考えてなかったけど、何する?」
「プランはいくつかまとめてある。どれがいい?」
輪島はポケットから紙切れを三枚出した。
ショッピングコース、筋トレジム体験コース、ボーリングとオススメ場所めぐり、か……。やっぱりデートだから、いつもと違うことしたいかな。
「これがいい」
俺は迷わずにボーリングとオススメ場所めぐりを選んだ。そしてボーリング場に向かうために歩き始めた。俺は後ろからついてくる取材の男をちらちら気にしながら歩くが、輪島は一切気にしていない。そしてちょっと歩くと、ボーリング場に着いた。
「輪島は、ボーリングしたことあるの?」
「……ない」
「でも輪島なら、すぐに上手くなりそうだな」
俺は中学のころ、ヤンキーの先輩に連れられて何度か来たことがある。ただ流されてやっていたから、楽しいと思える記憶はなかったな――。
受付で靴を借りてから、ボールを選ぶ。
「ボールの重さって、どのぐらいのがいいんだろう」
「情報によると、体重の十分の一ぐらいがいいのだとか」
細かい所まで調べている輪島。
本当に輪島は天才だな!
「俺は〝12〟ぐらいにしておこうかな?」
俺は自分の体重が何キロか忘れたから、適当に重すぎないボールを選んだ。輪島は迷わず店の中で一番重たい〝15〟と書いてあるボールを選んだ。
「どっちが先に投げる?」
「輪島、先に投げていいぞ」
ボーリングのボール、いきなり端っこに行って一本もピン倒せなかったら嫌だな。
――輪島に見られるの、なんか恥ずかしい。
輪島は機械に名前を入力する。
そして腕をまくり、並んでいるピンをじっと眺めた。
そしてついに、輪島がボールをピンに向けてコロコロした。
ボールは右側を勢いよくコロコロし、なんと、ピンの直前でいきなり左にカーブした。
見上げるとみえる、目の前の画面にはストライクの文字がズドンと現れた。
「輪島、すげー! かっこよすぎだから」
「次は先輩だ」
「お、おぅ」
輪島が完璧に決めたあとに俺の番。先にやればよかったかな?
というか、輪島、ボーリング本当に初めて?
ドキドキドキドキ……。
緊張しながらボールをコロコロさせると、端っこの溝にゴロンした。輪島の顔を見ると、黙って頷いてきた。
――俺も、かっこいいところ、輪島に見せたかったな。なんか、落ち込む。
「先輩は、ボールに回転をかけない方がいいかもな。あと、真ん中の三角印のところを目掛けて転がしてみろ、こうだ!」と、言いながら輪島が俺の背後から、俺の持っているボールに触れ、投げ方講座を。
なんか、後ろから抱きしめられてるみたいだ。
ボーリングに集中できない。
「先輩、ボーリングに集中して! 難しいか?」
「いや、集中出来るし……」
「じゃあ、やってみろ!」
輪島は俺から離れ、俺は輪島におしえてもらった通りにボールをコロコロした。ボールは中心をまっすぐに走っていく。そして――。
「やった! 全部倒れた!」
俺は輪島と両手をパチンとした。
ボーリングってめちゃくちゃ楽しいな!
「もうそろそろ、ボーリングは終わるぞ」
「いや、もう1ゲームだ!」
そんな会話が繰り返され、あっという間に時間は過ぎていった。



