先程の青年がこちらに戻ってきた。そして、まるで、赤子を扱うように優しい声で囁いたのだ。
「疲れたでしょう。もう少し休んだ方がいいですよ」
 それもそうだ。羽田は、どっこいしょと言いながら、ゆっくりとベッドに横たわっていく。どうにも身体が重たくて思うようには動けない。自分の身体じゃないみたいに感じられて何だかまどろっこしい。
 綺麗な目を細めながら、青年は、ずっとこちらを見守っている。
 羽田は、少し落ち着くと、腹部をさすりながら、甘えるような声で小さな不平を漏らしたのだった。
「流星、わし、朝は米がええのう……」




  おわり