最後の読者


………それから小山内くんと特に関わることもなく2ヶ月が過ぎた。
学年が違うので、会おうとしなければ会うことはない。
そんなわけで姿を見かけることすらなかった。

でも心の片隅ではいつも引っ掛かっていた。
あの日、小山内くんが言ったことが忘れられなかったのだ。


「……ん?」

そんなある夜。
部屋でダラダラとスマホをいじっていたとき。
Twitterのタイムラインに、見覚えのあるアイコンを見つけた。

…おさない先生のものだ。

「お、先生の久しぶりのつぶやき……!」

半年以上音沙汰のなかった先生のアカウント。
久々につぶやかれた内容に僕はウキウキしながら目を通す。

「えーと……
……おさない洋司の……息子です……?」



『おさない洋司の息子です。
先日、父が他界しました。
みなさんには知らせていませんでしたが、父は半年前に癌が見つかり、闘病しておりました。』

『生前、父の漫画を応援してくださっていたみなさんに心から御礼申し上げます。
これからも時おりは、父の漫画を思い出してくださると嬉しく思います。』



「………え…………」