最後の読者

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その夜。僕は自分の部屋でTwitterを見ていた。
おさない先生のアカウント。Twitterを始めると同時に探してフォローした。
先生は近年雑誌に漫画を掲載することはなかったが、Twitterには頻繁にイラストをあげていた。
ときどき『暗殺者ロキ』のイラストもあったりして、そのときは僕もコメントしたりした。

先生のアカウントホームにとぶ。最後のつぶやきはもう半年前。先生は毎日つぶやいていたわけではないけど、これだけ更新がないのは少し心配だ。
新作の漫画の準備で忙しいとかならいいけど。

画面をスクロールして過去のつぶやきを見ていると、イラストや作品の裏話の他にプライベートなこともいくつか発見した。

『仮面セイバー 息子が小さいころ大ファンでした』
『いつの間にか息子に身長を抜かされていました!大きくなったなあ〜』
『息子が高校受験のため、ボクにもゲーム禁止令がでました(笑)』

……なるほど。
あまり気にしたことはなかったけど、先生に高校生くらいの息子がいるのは間違いないようだ。

そうか……
その息子さんがうちの学校に。

「……や、やっぱり会ってみたい……」

別にお近づきになろうとか。おさない先生に会わせてもらおうとかは思わない。恐れ多い。

でも作品を発表してなく、Twitterの更新もない先生に応援の言葉を届ける手段が今はないのも事実。
もし迷惑でなければ息子さんを通じて、ファンレターを届けたり出来ないだろうか。

今でもずっと応援していると。