その後、漫画を載せたツイートは『バズり』、最終的に一万近くリツイートされ、いいねも五万弱ついた。
リプライもたくさん送られ、その中には作品への感動や称賛の他にも、『暗殺者ロキ』に対するファンコールのようなものや、おさない先生の逝去を惜しむ声もたくさん見られた。
きっとこの声のほとんどは『ロキ』の連載中には届かず、そしてこの声の何倍もの声なき声がまだあるのだろう。
そして残酷なことだが、おさない先生が若くして逝去されたことや、人気漫画家の田井中先生が評価したことを含めての反応なのかもしれない。
漫画の価値とはなんだろう。
それはあまりに掴みどころがなく、流動的で、僕なんかには一生わからない気がする。
でも、たとえそうだとしても、僕にとっての最高の漫画は変わらない。
ずっと、ずっと『正義の暗殺者ロキ』だ。
「……神丘先輩」
小山内くんが少しくぐもった声で言った。
「入院中の親父が、神丘先輩の手紙で泣いて喜んだって……言いましたよね」
「あ、うん。おさない先生が僕のこと覚えていてくれて嬉しかった…」
「覚えてるに決まってますよ。先輩、連載終わってからも何回も親父に手紙くれてたらしいじゃないですか」
「あ、はは。おさない先生、そんなことまで君に話したの?」
ちょっと恥ずかしいかもしれない。
「それだけ嬉しかったんですよ、親父は……」
小山内くんは遠くを見るような目で微笑んで、言った。
「最期まで親父を漫画家でいさせてくれて、ありがとうございます」



