最後の読者

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数日後。
僕は小山内くんの家に来ていた。学校終わりに校門で待ち合わせしてそのまま向かう。
小山内くん家は学校から電車で数駅、40分くらいの距離で、閑静な住宅街にあった。


「お、お邪魔します…」

「どうぞ。母親、いま仕事でいないんで、気楽にしてください」

「そうなんだ。小山内くん兄弟って…」

「あー、俺、一人っ子です」

「そっか。僕と同じだね」

なんて会話をしながら階段を上がり、二階へ。
階段を上がってすぐの部屋が小山内くんの自室らしい。

そして奥の突き当たり。ピッタリ閉められた、茶色いドア。そこがおさない先生の自室……兼、仕事場……とのことだ。

「わ、あ、あの、本当に僕が入ってもいいの?ただのファンなのに。先生に申し訳ないな」

「大丈夫です。きっと親父も歓迎しますよ」

「ほ、本当?」

「はい。それに生前親父が言ってたんです。『おれが死んだら、おれの漫画に関わるものは淳司の好きにしていい』って。だから、俺が親父の仕事場を好きにするのは、親父公認です」

「そう、なんだ……」

そういえば、おさない先生の訃報をツイートしたのは小山内くんだ。
先生がそうやって全てを彼に預けたということは……小山内くんはきっと先生の漫画の一番の理解者だったのだろう。