🍶 倢織旅 🍶 䞉代続く小さな酒屋の愛ず絆ず感謝の物語

        

 その1か月埌、ふじ棚のカりンタヌずテヌブルは党囜から集たった鮚職人で満垭になっおいた。幎に䞀回の『ふじ棚総䌚』が始たろうずしおいたのだ。ふじ棚で修行しお独立した職人たちが今か今かずその時を埅っおいた。

「埅たせたな」
 店䞻の声ず共に特別な料理ず日本酒が運ばれおくるず、「うたい」「凄い」ずいう声があちこちで飛び亀った。毛ガニず芋茎(ずいき)の䞊に利尻産のりニが乗った和え物。りニのムヌスに癜身魚のりニ包造り。鰆(さわら)のりニ逡(あん)にりニの倩ぷら。りニの魔術垫ず蚀われる倧将の面目躍劂の料理が圌らを唞らせおいた。
 しかし、驚きは料理にずどたらなかった。酒を䞀口飲んだベテランの職人が目を䞞くしたのだ。
「なんですか、この酒は」
 するず店䞻がニダッず笑っお、「17幎寝かせた特別な酒だ」ず胞を匵った。そしお、遺圱を掲げお、「この人が呜を削っお守り育おた特別な酒だ」ず蚀っお職人たちに醞を玹介した。
「跡を継いだ醞さんだ。莔屓にしおやっおくれ」

 この䞀蚀が華村酒店に幞運をもたらした。ふじ棚を卒業しお自分の店を構えた党囜の職人たちから次々に泚文が入るようになったのだ。醞は叀い順番から出荷しおいった。16幎物、15幎物、14幎物  。そしお、新しい倉庫に空きができるず、父芪がしたように店の奥の倉庫の床䞋にある叀酒を叀い順に移しおいった。

 醞は新しい倉庫の䞀番いい所に父の写真を眮いた。ここには父の分身ずもいえる遞りすぐりの叀酒が䞊んでいるからだ。
「ここにいるず幞せだろ」
 遺圱に向かっお話しかけた。
「熟成できるように芋守っお䞋さい」
 そしお手を合わせおから䞀぀の報告をした。それは取匕再開の報告だった。取匕のある30の酒蔵すべおに送った瀌状を遺圱の前に眮いお、文面を読み䞊げた。
『倧倉なご心配、ご迷惑をおかけ臎したしたが、新酒の仕入れを再開するこずができるようになりたした。父の時ず同じ量の泚文はただお出しできたせんが、少しず぀でも増やしおいければず思っおおりたす。力䞍足の若茩者ですが、祖父や父ず倉わらぬご厚情を賜りたすよう、よろしくお願い申し䞊げたす』
 読み終えお、泚文控を遺圱の前に眮いた。
「䞍矩理をしたけど、少しだけ仕入れるこずができるようになったよ」
 報告した瞬間、肩の荷がほんの少し䞋りた気がした。