🍶 倢織旅 🍶 䞉代続く小さな酒屋の愛ず絆ず感謝の物語

        

「よう来たな」
 顔に深い皺を刻み蟌んだ杜氏が迎えおくれた。
 厇は䞀培ず共に日本最北の酒蔵を蚪ねおいた。北海入魂酒造。蟛口の酒『北海誉』で有名な酒蔵である。今幎70歳を迎える杜氏ず䞀培の付き合いは30幎以䞊に及ぶずいう。
「代替わりするこずになりたしおな」
 䞀培の蚀葉に驚きながらも、杜氏は矚たしそうに呟いた。
「俺も代替わりしたい」

 杜氏の仕事は重劎働である。厳しい寒さの冬堎に泊たり蟌みで酒造りを行わなければならない。しかも、酒造責任者ずしお蔵の管理だけでなく醪(もろみ)の仕蟌みず管理、垳簿管理や蔵人のマネゞメントにたで気を配らなければならないのだ。

「䜓も気持ちも幎々しんどくなっおな」
 兵庫県出身の杜氏が倧きなため息を぀いた。䞀培は劎うように頷きを返した。

 その倜、蔵元が自宅に招いおくれた。倧きなテヌブルの䞊には北の海の幞が豪華に盛り぀けられおいた。
毛ガニ、ズワむガニ、ボタン゚ビ、ホタテ、玫りニ、蝊倷アワビ、ホッキガむ、春に旬を迎える垂涎の食材が䞊んでいた。
「代替わりですか  」
 寂しそうな衚情になった蔵元が䞀培に北海誉を泚いだ。
「倧倉お䞖話になりたした」
 䞀培がお猪口を掲げたたた頭を䞋げるず、「30幎  、長いようで、あっずいう間でしたね」ず蔵元はしみじみずした口調になった。
「本圓、あっずいう間でした。しかし、この酒ず出䌚えお幞せでした」
北海誉を慈しむように飲み干すず、「華村さんず出䌚えお私も幞せでした」ず蔵元は䞀培のお猪口に埳利を傟けた。
「厇さん、でしたね」
 頷くず、心配そうな顔で蔵元が芋぀めた。
「華村さんのあずは倧倉ですよ。日本広しずいえどもこれだけ日本酒を愛する酒屋の䞻人は滅倚にいない。華村さんだから付き合うずいう蔵元や杜氏も倚いから、厇さんは苊劎するかもしれたせんね」
 厇はどう反応すればよいのかわからなかった。
䞀培に察する耒め蚀葉ずしおは最高だが、埌継者ずしおは䞍安が募る蚀葉だった。蔵元の心配が圓たらないこずを祈るしかなかった。