「ねぇ、稀星。どーしてそんなにおまじないとかそういう系信じられるの?」
いつかの七夕だった、そんなことを聞いたのは__
「えー?なんでって言われても……普通に信じる人だからじゃないのー?って、星郁は信じてなさそうだねー」
「まぁーね。結構な現実主義者だし。」
ニヤッと笑った稀星に苦笑いをこぼす。
……完全に見透かされてるし。
「だろーと思った。昔からそうだったもんね、霊のたぐいも逆にサンタとかも信じてなかったし。」
星に目を向けながらも懐かしそうに目を細めた稀星になぜか、胸が痛くなる。
……あの日からだ、もういつまでも俺は思い出話が嫌いになっている。
「……っ、…可愛げのない子供で悪かったですね。」
「ふふっそんな事は言ってないけどー。あ、じゃあこの時間も無駄だと思ってる?」
「それはさすがにねぇよ。星だってきれいだし。」
それに、
……星にすがりついてでも、あいつたちが戻ってきてほしいから。
「そっか、それなら良かったけど。」
「ま、信じられないのは確かだけどな。
……だってそうだろ?心の底から願ったって叶わなかった時に傷つくだけだ。」
……信じて願ったって、死んだ人間は蘇らない。
最初から蘇らないなら……少しでも傷つかない方法を俺なら取る。