「星郁……綺麗だね。」

芝生に寝っ転がり、星を掴むように空に手をかざす。


「あぁ…、だな。」


私を見た星郁も真似して同じことをしていた。そんな星郁が面白くて小さく笑みをこぼす。


また星空に視線を戻すと、星が増えたかのように輝きが増していた。

音のしない世界で、星だけが輝いてる。

何度も見たはずなのに、満天の星は私の胸を何度も何度も震わす。



………やっぱ、眩しいなぁ。

星郁にバレないように、顔を背けて涙をこぼした。



毎年、年に1回だけ夜中にこっそり家を抜け出し2人で星を見に行っている。



__いつか、この願いが叶うように。


たった1つの願いをこめて。