第9話『冬のデスゲーム大会に向けて』

 白猫神高等学校の文化祭終了して2日後。
 「みな、冬のデスゲーム大会だな」
 良太は教室の壇上で、クラスメイト達に向けて言う。
 「ああ、そうだな」
 「そうだね」
 生徒達は少し緊張した面持ちで、つぶやく。
 「てかさ、俺なんかがリーダーでいいのか?」
 良太は訝しげに、クラスメイト達に問う。
 「いいんだよ」
 「いいと思います」
 良太は深く溜息を漏らした後。
 「みんなが知っていると思うが、俺のパーティーの一人、今野結菜が死んでしまった。それは俺の責任だ」
 良太は片手で胸をおさえるが、声が震える。
 「お前だけの責任じゃないだろ!」
 「そうだよ!」
 クラスメイト達が良太を力強くフォローする。
 良太の心が少し癒えた。
 「ありがとう!」
 それからクラスメイト達と話し合い。
 「七海陽葵!」
 「え? え? 私?」
 突然、良太が彼女に向けて、名前を言う。
 「実はな、陽葵の悪魔は進化した。それも魔天使だ」
 生徒達はざわついた。
 「まてんし?」
 「何だソレは?」
 すると、良太は腕を組む。
 「俺もよくわからないが、魔天使は希少性の高く、なおかつ強いらしいぞ」
 「ふ~ん」
 「そうなんだぁ~」
 クラスメイト達は、よく理解していないようだ。
 良太はニヤリとし。
 「それだけじゃない。ヒナタの悪魔は回復魔法も使えるようになったし、何より蘇生魔法を扱える」
 「「「!!」」」
 生徒達は耳を疑った。
 「それは、マジかよ!?」
 「そうだ。だが、一回使うと2分のクールダウンがいる」
 「2分か……」
 「いや、たった2分でまた使えるんだろ! 最強じゃねぇか!」
 「確かに!」
 「デスゲームで復活できるなんて、すげぇよ!」
 「死のリスクが減るじゃん!」
 「そうだよ!」
 生徒達も陽葵の悪魔のすごさに、気づき始めた。
 「ヒナタが蘇生役として、集中すれば。おそらくだが、死者を出さずにゲームをクリアできるかもしれない」
 「「「うおおおおおおおおおおおお――ッ!!」」」
 生徒達は歓喜する。
 陽葵は慌てて椅子から立ち上がる。
 「ちょっと、待ってよ!! 私、滅茶苦茶、責任重大じゃん!!」
 「そうだぞ! 頑張れ! 陽葵!」
 「ちょっと!! 待ってよ!!」
 陽葵を抗議をしたがスルーされてしまった。話しはどんど進む。
 良太は壇上をバンバン叩く。
 「いいか、お前ら。本番、緊張して震えてる場合じゃないからな。週5でもいいからデストレ、行けよ」
 「ちょ! 週5もか??」
 「週5かよ」
 「お金が……」
 「安心しろ。事前に頼んでくれたら、俺が予約してやるし割引してやる」
 「え!」
 「デストレでアルバイトしてるのか?」
 「俺の親父が、デストレの経営者だ。頼めば、なんとかなる」

 「「「おお!」」」

 それから、クラスのみなで週5でデストレ屋で猛特訓する日々を送る事になった。

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