王位継承権第100位だったカイ=アラヤが、10位に躍り出た。
そんな通知が届き、候補者たちの間に激震が走った。
そして、その通知を以て候補者争いが一旦終了したのだった。
どうもこの候補者争いは二段階に分けて行われるらしく、今まで行っていたのは10位までを絞り込む、いわば予選のようなものだったらしい。
医院の開設と黒胡椒交易、二つの功績を以て、カイはどうにか最後の戦いに臨める切符を手にしたということになる。
「さすがにこの二つの功績は大きかったんですね。カイ様が残れて、本当に良かった……」
最後の戦いに臨む10人が、今宵集められる。正装で王宮に呼ばれたレアとカイは、緊張と安堵とを感じながら、長い廊下を歩いていた。
「……それだけじゃない。俺の評価が上がったのはもう一つ、とある重要人物を発見したから、らしい」
「え?」
そんな話は聞いていない。不思議に思ってカイを覗き込むと、カイもまた、レアをじっと見つめていた。
「アラヤ公爵の子孫だ」
「そ、そんな方と、いつ?」
「……アラヤ公爵は遠征に出てすぐ事故に遭い、記憶をなくして、しばらく辺境の村で介抱されていたようだ。そこで出会った女性と夫婦になり、そのまま暮らし続けたんだとか。その子孫が、最近王都に戻ってきたらしい。ある者の妻として、な」
「……どなたです?」
まだきょとんとしているレアを見て、カイはなんだかガッカリしていた。何故だろうか。
「まぁ、気にするな。それより、これから強敵たちとまみえるぞ。覚悟はいいか」
「はい」
息を呑んで告げると、カイは大広間の扉をくぐった。その先には、既に他の9名の姿があった。いや、10名いる。おずおずと、顔ぶれを見渡すと……
(この人たちは……!)
驚きのあまり、声が出なかった。
広間に居並ぶのは、カイの他の王子たち。どの顔も、見覚えがある。よく覚えている。
レアが、前世でプレイした乙女ゲームの、攻略対象たちなのだから。そして、そんな彼らに従うように、一人の少女が立っている。
(あのゲームの、ヒロイン……!)
不安そうな面持ちでレアを見つめるその少女に、レアは戦慄した。
過ぎ去ったと思っていた脅威が、今、一斉に降りかかってきた。思わず後退るレアの手を、隣に立つカイがそっと握りしめた。
「恐れることはない。俺が、君を守る」
そうだ。彼こそが、レアの運命を変えてくれた。ならば、彼の運命を変えるのもまた、自分でなければ。
そう思って、レアはカイの手を力強く握り返した。
「はい、カイ様。私も、あなたを守ります……!」
この決闘を、二人で勝ち抜いてみせると、レアは心に誓ったのだった。
そんな通知が届き、候補者たちの間に激震が走った。
そして、その通知を以て候補者争いが一旦終了したのだった。
どうもこの候補者争いは二段階に分けて行われるらしく、今まで行っていたのは10位までを絞り込む、いわば予選のようなものだったらしい。
医院の開設と黒胡椒交易、二つの功績を以て、カイはどうにか最後の戦いに臨める切符を手にしたということになる。
「さすがにこの二つの功績は大きかったんですね。カイ様が残れて、本当に良かった……」
最後の戦いに臨む10人が、今宵集められる。正装で王宮に呼ばれたレアとカイは、緊張と安堵とを感じながら、長い廊下を歩いていた。
「……それだけじゃない。俺の評価が上がったのはもう一つ、とある重要人物を発見したから、らしい」
「え?」
そんな話は聞いていない。不思議に思ってカイを覗き込むと、カイもまた、レアをじっと見つめていた。
「アラヤ公爵の子孫だ」
「そ、そんな方と、いつ?」
「……アラヤ公爵は遠征に出てすぐ事故に遭い、記憶をなくして、しばらく辺境の村で介抱されていたようだ。そこで出会った女性と夫婦になり、そのまま暮らし続けたんだとか。その子孫が、最近王都に戻ってきたらしい。ある者の妻として、な」
「……どなたです?」
まだきょとんとしているレアを見て、カイはなんだかガッカリしていた。何故だろうか。
「まぁ、気にするな。それより、これから強敵たちとまみえるぞ。覚悟はいいか」
「はい」
息を呑んで告げると、カイは大広間の扉をくぐった。その先には、既に他の9名の姿があった。いや、10名いる。おずおずと、顔ぶれを見渡すと……
(この人たちは……!)
驚きのあまり、声が出なかった。
広間に居並ぶのは、カイの他の王子たち。どの顔も、見覚えがある。よく覚えている。
レアが、前世でプレイした乙女ゲームの、攻略対象たちなのだから。そして、そんな彼らに従うように、一人の少女が立っている。
(あのゲームの、ヒロイン……!)
不安そうな面持ちでレアを見つめるその少女に、レアは戦慄した。
過ぎ去ったと思っていた脅威が、今、一斉に降りかかってきた。思わず後退るレアの手を、隣に立つカイがそっと握りしめた。
「恐れることはない。俺が、君を守る」
そうだ。彼こそが、レアの運命を変えてくれた。ならば、彼の運命を変えるのもまた、自分でなければ。
そう思って、レアはカイの手を力強く握り返した。
「はい、カイ様。私も、あなたを守ります……!」
この決闘を、二人で勝ち抜いてみせると、レアは心に誓ったのだった。


