豪奢なシャンデリアが照らす2階の奥から、その声は響いてきた。鈴を転がしたような、愛らしい声だ。そして姿を現すと、声の主は、その声音に違わぬ見目だった。
ふんわりと波を描く金の髪、大きく丸い宝石のような翠色の瞳、赤く艶やかな唇……お人形のようだと、レアは思った。
呆気にとられるレアと、黙って見つめるカイの前に、その『お人形』は足早にやって来た。
「お初にお目にかかりますわ。第61王女のエステル=シルヴォラ=ヒルヴィサーリです。どうぞお見知りおきを」
ちょこんと挨拶のお辞儀をしたのを見て、レアは慌てて居住まいを正した。
「……カイ=アラヤ=ヒルヴィサーリ。こちらは私の婚約者であるレア=ハイラ嬢」
レアが深々とお辞儀をすると、エステルははにかんでまた会釈をしてくれた。本当に、『可愛らしい』……そんな印象だった。
エステルは、ふわりと2階を指し、微笑んだ。
「どうぞあちらへ。ちょうど時間ができたところでしたの。お話ししたいわ」
「……そちらの女性は、私と貴女を会わせたくないようだったが……構わないので?」
「まぁ、当たり前でしょう。アラヤの方でも誰でも、私に会いに来て下さったお客様はおもてなししないとね」
エステルがそう言うと、受付の女性はぴたりと口を閉じた。
にこやかな空気に巻き込まれたまま、レアもカイも、エステルに従って応接室へと通されたのだった。歩く中、様々な人の視線が針のように突き刺さる。
その視線一つ一つを、レアはよく目に焼き付けた。きっとこの視線こそが、いつか乗り越えねばならない最大の試練になるような気がして。
ふんわりと波を描く金の髪、大きく丸い宝石のような翠色の瞳、赤く艶やかな唇……お人形のようだと、レアは思った。
呆気にとられるレアと、黙って見つめるカイの前に、その『お人形』は足早にやって来た。
「お初にお目にかかりますわ。第61王女のエステル=シルヴォラ=ヒルヴィサーリです。どうぞお見知りおきを」
ちょこんと挨拶のお辞儀をしたのを見て、レアは慌てて居住まいを正した。
「……カイ=アラヤ=ヒルヴィサーリ。こちらは私の婚約者であるレア=ハイラ嬢」
レアが深々とお辞儀をすると、エステルははにかんでまた会釈をしてくれた。本当に、『可愛らしい』……そんな印象だった。
エステルは、ふわりと2階を指し、微笑んだ。
「どうぞあちらへ。ちょうど時間ができたところでしたの。お話ししたいわ」
「……そちらの女性は、私と貴女を会わせたくないようだったが……構わないので?」
「まぁ、当たり前でしょう。アラヤの方でも誰でも、私に会いに来て下さったお客様はおもてなししないとね」
エステルがそう言うと、受付の女性はぴたりと口を閉じた。
にこやかな空気に巻き込まれたまま、レアもカイも、エステルに従って応接室へと通されたのだった。歩く中、様々な人の視線が針のように突き刺さる。
その視線一つ一つを、レアはよく目に焼き付けた。きっとこの視線こそが、いつか乗り越えねばならない最大の試練になるような気がして。


