
- 作品番号
- 1741740
- 最終更新
- 2025/01/18
- 総文字数
- 16,647
- ページ数
- 4ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 20
- ランクイン履歴
総合76位(2025/01/05)
ヒューマンドラマ5位(2025/01/02)
【はじめに】
出てくる教師が本当に悪魔のような性格をしています。物言いも良くないので、事前にご理解頂けますと幸いです。
お金がこの世の何よりも大切で、お金が全ての教師
×
貧乏で、人との関わりに依存している優等生
その先生に私は出会ってしまった。出会いたくなどなかったのに。
「この世はお金が全てでしょう?」
「何が最低なんですか? お金を大事だと思っていることですか? 教師をしていることですか? 僕が悪いなら、周りの人全てに嘘をついて、頑張っている自分に酔っているだけの貴方も悪いんじゃないですか?」
「そういう所が滑稽だと言っているんです。無駄に矜持だけあるなんて、最悪すぎる。反吐がでる」
その先生は、私の価値観を無理矢理裏返させた。
- あらすじ
- 貧乏で人との繋がりに依存している優等生、倉持 広奈(くらもち ひろな)は周りに距離を置かれることを恐れ、お金がないことを隠していた。
そんな時、ある先生に出会う。
「この世はお金は全てでしょう?」
そいつはただの悪魔か、それとも広奈の人生を変える教師、どちらだろうか?
この作品の感想ノート
拝読させていただきましたので、拙いながら感想を綴らせていただきます。
以前、『この輪に入りたければ「共感」して下さい。』を拝読しましたが、「どちらか好きな方を選べ!」と言われたら、正直なところ、自分は前作を選ぶと思います。しかし、今作も決して評価が低いという訳ではありません。むしろ逆です。ただ、前作のインパクトがあまりに大きすぎたという、ただそれだけの理由です(笑)
まず、テーマがとても面白いです。貧乏な女子高生の悲劇性みたいなものが、文章を通してひしひしと伝わってきました。「悲劇のヒロイン」という言葉がありますが、この悲劇性という要素は(アンチ青春を書く上での暗黙の了解なのかもしれませんが)、主人公を造形する上でとても重要なポイントであると、個人的に考えています。
そして登場人物についてですが、立花先生というキャラクターが、いわばこの世の理不尽を体現しているような人物だと感じました。しかし理不尽とはいいつつも、事実として彼は主人公に一貫して向き合い続けており、嫌味なキャラクターでありつつも、結果として主人公に気づきを与えてくれるんじゃないかという期待を感じさせてくれるという意味で、とても魅力的なキャラクターだと思いました。バトルアニメにおいて、敵キャラは敵キャラなんだけど、強くなる秘訣をそれとなくアドバイスしてくれる、憎めない奴みたいな。
前作よりもメッセージ性に振り切った雰囲気でしたが、エンタメ性とは違うベクトルの面白さと、仄かな希望を感じさせる読後感が、とても癖になるような作品でした。
以上です。改めて、素晴らしい作品を読ませていただきありがとうございました。
作品拝見しました。
人間関係の難しさ。
複雑な家庭環境での、金銭面の維持。
大変なことだと思います。
先生の言葉の選択は最後に大切なものを教えてくれました。
もしかしたら、それを伝えたくて言葉を選ばず投げかけたのかも。
先生の暇つぶしでも、教えるという教育をしたのは実は悪い先生ではなくて良い先生なのかも?と思いました。
悪い先生より、私には余裕のない主人公の言葉の方がやばいと感じました。
誰だって余裕が無ければそうなってしまうのも無理は無い。
そんな物語でした。
素敵な作品ありがとうございました。
感想ノート、失礼します。
先生、悪魔すぎ!!!と、広奈とともに苛立ちを覚えました……
大人に近付くにつれて、表面を取り繕うことが上手くなってしまう。
隠さなくてもいいことも、隠さなければならないと錯覚し、必死に“普通”になろうとする。
そんな、思春期らしい悩みや葛藤が描かれていて、とてもよかったです。
……にしても、先生にはもっと言葉を選んでほしかったですね、ヤバい。
素敵な物語を、ありがとうございました!