＝＝＝＝＝＝＝＝　この物語はあくまでもフィクションです　＝＝＝＝＝＝＝＝＝
　==============　主な登場人物　================
　中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
　中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。（今回は出番無し？）
　中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
　中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
　泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
　泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
　高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。

　新里[筒井]警視・・・警視庁テロ対策課勤務。

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　==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


　午前9時。中津興信所。会議室兼所長室。
　マルチディスプレイに、中津警部が映っている。隣にいるのは、新里だ。
　片手を挙げてアピールしている。
　「今回の仕事は、後で新里警視の『地獄の取り調べ』が待っている案件だ。柴又の歯科医宅での強盗事件だ。指名手配していたが、未だ逮捕に至っていない。ところが、夏目リサーチがガチャガチャデータ、偽の運転免許証データから、骨格指定で割り出した人物がいる。通称リン・ホイホイという那珂国人だ。先頃、別件から、リンと親しい人物の家がヨコハマの関内にあることが分かった。」
　「兄貴。警視庁の応援な訳ね。人数出せない言い訳の為の。この間の案件と同じだ。」
　「まあ、そう僻むな。そろそろ世代交代して『世代交代』になるだろうが、未だに神奈川県警と警視庁は猿と犬だ。お前達が『頭数』ではないことは、『警視庁では』広く知れ渡っている。」
　「地図、送ってくれ。万一EITOかお義姉さまの案件が入ったら、そっち行くぜ。」
　「物わかりのいい弟で俺は嬉しい。よろしくな。あ、因みに、こっちがモンタージュで、こっちがシステムで復元した顔。覚えてて。」
　「全然、別人じゃないですか？モンタージュって、タダの似顔絵じゃないですか。」と、根津が文句を言った。
　「警部。クスリ、やってないですか？」と、高崎が言った。
　「お前も言うようになったね。兄貴のクスリは、ビタミン剤とドリンク剤だよ。副作用かな？」

　午後1時。ヨコハマ。関内駅近くの住宅街。
　警視庁の刑事と神奈川県警の刑事が踏み込んだ時、巧みに被疑者と被疑者の
　友人は逃走したが、高崎・健二、根津と泊が取り押さえた。

　2人とも、那珂国語で何か叫んだ。
　高崎が自動翻訳機で訳した。警察官は一部しか配布されていないが、高崎達は常備している。
　『人違いって言ってるだろ？』『お前の目はどこにある？』
　中津興信所所員は、クビを傾げた。
　矢野警部が苦笑しながら、神奈川県警刑事に礼を言い、パトカーで被疑者達を連行した。
　「高崎さん、お腹減ったんだけどぉ。」と根津が言い、「分かったよ、食べに行こう。『経費』で。」
　高崎は、帰った後渋い顔を見せる健二所長の土産を考えていた。

　―完―

　※歯科医監禁強盗事件は、実際の事件を参考にしていますが、残炎ながら、その事件では、まだ被疑者逮捕に至っていません。