冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

「…………」
学校につき、自分のクラスの自分の座席前まで来ると香夜は絶句した。

自分の席がないのだ。

「どうしたのよそ者ぉ?」
笑いながら麗菜子が声を掛ける。
今日は昨日よりも化粧が濃く、アクセサリーも派手でジャラジャラ付けていた。

「席は?」

「ぎゃああっ!よそ者が声を発したわぁ!気持ち悪い!!」
「学校がよそ者を歓迎してないってわかんねぇのかよ。よそ者はこれだから世間知らずは」
生徒たちが香夜を馬鹿にするように

「私、ゴミ捨て場で見たかも〜早く行かないとホームルーム始まっちゃうよ〜」
「よそ者に教えるなんてお優しい麗菜子様、素敵!」と取り巻きが褒めちぎる。

水無月はモフッとしながら成り行きを見守る。
香夜は水無月に「手を出されなければ黙っててほしい」と。
助けようとしてくれる水無月には感謝しているが、水無月や翡翠に頼らず、自分でなんとかしなければならない。
少しずつ打ち解けられれば…と。

昨日の様子から水無月と玄武の神子と聞いて怯んだ。
だから手は出してはこないだろうし、嫌味は家族で慣れている。
ある程度なら我慢できる。
問題は氷神家の兄妹。
考えたくはないが、もし北ノ島に住むのなら彼らに下手なことは出来ないので悩ましい……

机と椅子を取り戻すためにゴミ捨て場に向かう。
場所を聞いたが無視されたので、東京の学校のゴミ捨て場や焼却炉がどんな場所にあったっけ?と模索していると廊下に小学生の子がいた。


「何か探してるの?」
「私の机と椅子」

よく見ると氷神家の当主の子。
京介と麗菜子と一緒にいた子だ。

「あっちにあるよ」
香夜の手を取ると案内してくれる。

ゴミ捨て場ではなく、学校内にある小さな池に机と椅子が捨てられていた。

「うわ…どうしょう」
池に入らないと取り戻せない。長くて丈夫な棒があればいいが都合良く落ちていない。

「お姉ちゃんは神通力があるじゃない」
「私、使いこなせないよ?」
何故、神通力があることを知っているんだろう?初代神子の家柄だから?

「頭の中でどうしたいか想像するの。やってみて」
半信半疑ながらも池の方を向き、自分の前に戻るようイメージをする。

すると香夜の前に机と椅子が現れる。
まるで机が瞬間移動してきたよう。

「よかったね!ボクは行くよ」
「ありがとう。名前聞いていいかな?」
「ん〜〜〜…次までに考えておくね。またね〜」
笑顔で走り去る子供。