午前中だけでも疲れてしまったが授業中だけは本当に落ち着いた。
授業内容は前にいた学校と変わらないし、すでに学んでいたところなのでついていけた。
午後授業と帰りのホームルームが終わると雪村に呼び出され香夜は生徒指導室にいた。
「碧川さん、今日一日どうでしたか?」
「疲れました」
素直な感想を述べると雪村は苦笑する。
「氷神京介君と妹の麗菜子さんですね」
「はい……」
「彼らは当主の子供で京介君は次期当主でもありますから、この学校のボスのように振る舞ってます。妹の麗菜子さんは兄の京介君を盾にやりたい放題の問題児兄妹でね。更に彼らに媚びる者も多く教師である僕らは頭が痛い……」
本当に悩んでいるようで頭を抱えていた。
「ご当主は何も言わないんですか?…って次期当主がこんなんで大丈夫ですか?」
「お父様であるご当主様はまともですが、奥方様は大変気が強く、そんな奥方様にご当主様はベタ惚れで強く言えないんです。京介君と麗菜子さんは奥方様似でいらっしゃる」
悪い意味で気が強いようだ。
雪村は香夜の手を取り「翡翠様になんとかしてもらえませんかぁぁ〜僕らも何も言えない立場なんですぅぅ〜〜」と切実に悲願する。
困った香夜は伝えてみますと言うと手を離してくれた。
香夜は一つ気になっていたことがあった。
「たしか氷神家の子に小学生くらいの子いませんでした?」
「さあ?当主の子供は京介君と麗菜子さんのお二人と聞いています」
「え?」
なんだか怖くなってしまった。これも翡翠様に聞けばわかるかもしれないと話しをやめた。
他には授業内容についてや学校の校則など最低限困らない程度に教えてもらった。
学校を出ると相変わらずヒソヒソ。
小走りでトナカイとエゾシカが迎えに来る海辺へ向かい、翡翠の住処にしている右ノ島へ。
屋敷に「ただいま帰りました」と入る。
屋敷内を歩いていると話し声が聞こえる。
恐る恐る覗いてみると翡翠ともう一人。
『帰って来たのですね』
「はい、ただいま戻りました」
変わらない無表情の翡翠にホッとする香夜。
好きな人の姿は癒しと安心をくれる。
『翡翠、こやつかぇ?玄武の神子とやらは?』
翡翠を呼び捨てにする人を見ると綺麗な女性。
「私は碧川香夜と申します。えっと……えっと……」
先の言葉が浮かばずアワアワしていると女性は鼻で笑う。
『妾《わらわ》の名はそうじゃな…乙姫《おとひめ》と呼ぶがよい』
「乙姫…様?」
乙姫はお伽話の"浦島太郎”に出てくるような竜宮城の乙姫様のような姿。
香夜が小さい頃に読んだ絵本ではおっとり優しそうなお姫様のイメージだが、目の前にいる乙姫は美しく妖艶《ようえん》で振り向く男たちを虜にしてしまいそう。
「失礼ですが天界の方ですか?翡翠様とはどのようなご関係で?」
『たしかに失礼じゃ。妾のような美貌を持つ者が下界にいるわけなかろう』
鼻を鳴らし不機嫌になるがそんな姿も美しい。
『翡翠との関係じゃがな……』
乙姫は香夜の姿を全身眺めるとニヤッと笑う。
『妾は翡翠の番じゃ』
授業内容は前にいた学校と変わらないし、すでに学んでいたところなのでついていけた。
午後授業と帰りのホームルームが終わると雪村に呼び出され香夜は生徒指導室にいた。
「碧川さん、今日一日どうでしたか?」
「疲れました」
素直な感想を述べると雪村は苦笑する。
「氷神京介君と妹の麗菜子さんですね」
「はい……」
「彼らは当主の子供で京介君は次期当主でもありますから、この学校のボスのように振る舞ってます。妹の麗菜子さんは兄の京介君を盾にやりたい放題の問題児兄妹でね。更に彼らに媚びる者も多く教師である僕らは頭が痛い……」
本当に悩んでいるようで頭を抱えていた。
「ご当主は何も言わないんですか?…って次期当主がこんなんで大丈夫ですか?」
「お父様であるご当主様はまともですが、奥方様は大変気が強く、そんな奥方様にご当主様はベタ惚れで強く言えないんです。京介君と麗菜子さんは奥方様似でいらっしゃる」
悪い意味で気が強いようだ。
雪村は香夜の手を取り「翡翠様になんとかしてもらえませんかぁぁ〜僕らも何も言えない立場なんですぅぅ〜〜」と切実に悲願する。
困った香夜は伝えてみますと言うと手を離してくれた。
香夜は一つ気になっていたことがあった。
「たしか氷神家の子に小学生くらいの子いませんでした?」
「さあ?当主の子供は京介君と麗菜子さんのお二人と聞いています」
「え?」
なんだか怖くなってしまった。これも翡翠様に聞けばわかるかもしれないと話しをやめた。
他には授業内容についてや学校の校則など最低限困らない程度に教えてもらった。
学校を出ると相変わらずヒソヒソ。
小走りでトナカイとエゾシカが迎えに来る海辺へ向かい、翡翠の住処にしている右ノ島へ。
屋敷に「ただいま帰りました」と入る。
屋敷内を歩いていると話し声が聞こえる。
恐る恐る覗いてみると翡翠ともう一人。
『帰って来たのですね』
「はい、ただいま戻りました」
変わらない無表情の翡翠にホッとする香夜。
好きな人の姿は癒しと安心をくれる。
『翡翠、こやつかぇ?玄武の神子とやらは?』
翡翠を呼び捨てにする人を見ると綺麗な女性。
「私は碧川香夜と申します。えっと……えっと……」
先の言葉が浮かばずアワアワしていると女性は鼻で笑う。
『妾《わらわ》の名はそうじゃな…乙姫《おとひめ》と呼ぶがよい』
「乙姫…様?」
乙姫はお伽話の"浦島太郎”に出てくるような竜宮城の乙姫様のような姿。
香夜が小さい頃に読んだ絵本ではおっとり優しそうなお姫様のイメージだが、目の前にいる乙姫は美しく妖艶《ようえん》で振り向く男たちを虜にしてしまいそう。
「失礼ですが天界の方ですか?翡翠様とはどのようなご関係で?」
『たしかに失礼じゃ。妾のような美貌を持つ者が下界にいるわけなかろう』
鼻を鳴らし不機嫌になるがそんな姿も美しい。
『翡翠との関係じゃがな……』
乙姫は香夜の姿を全身眺めるとニヤッと笑う。
『妾は翡翠の番じゃ』



