━━━━北ノ島。

日本の島国を中心に東西南北の島があり、翡翠は北ノ島担当だ。

アヤカシの世界には日本に繋がる異空間なら4つの島それぞれの海の入り江にある洞窟から番を探すためにやってくる。

掟では番になれるのは長女のみだが、4つの島の中には長女の代わりに次女などが番になったり、アヤカシにはランクがあり上位のアヤカシの番になると島の住人は逆らえず威張り散らす番の女性がいたりもする。

ちなみにアヤカシの最上位は天狗だが、ある事件がキッカケで最上位から転落し近々、第2位の妖狐のアヤカシが最上位になる予定だ。

島の住人たちは島から出ることは許されず、物資は月に一度、アヤカシたちが手引し島に届けられる。


神獣は人間とアヤカシのトラブルや島を監視し守る役目をしている。

島は動物やアヤカシや霊力のある人間には見えるが、霊力のない人間や人間が作った人工的な物には絶対見えないのだが、そんな中で漂流した人間がいるのは大事件と呼んでいいほどだ。


翡翠は北ノ島に到着する。

「翡翠様…あの…」
島の住人たちが翡翠に気づくがほとんどの住人らは漂流してきた人間にザワザワしていた。

『漂流してきた人間がいるそうですね』
「はい」
翡翠様に道を開けるように声を掛けると野次馬に来ていた住人たちは一斉に道を開けた。

翡翠は漂流した人間を目視する。

そこにいたのは気を失って倒れていた金髪の若い女性。

翡翠は金髪の女性のあることに気づく、霊力があり更に神通力を持っていたのだ。

『この娘は島の住人ですか?』
「いいえ」
漂流してきた時点で違うとは思うが一応確認はしておく。
『島民ではない者がいるのは一大事でしょう。事情を聞かねばなりません、この娘を捕らえなさい。死んでもらっては困りますから島の医師を呼ぶように』

翡翠の命令で住人たちは金髪の女性を運ぶ。