「家に行くんですか?黙って居なくなっても心配なんてしないどころか喜ぶ人たちですから必要ありませんよ!」
やっとあの家族と離れられるのに会いたくない香夜は抵抗をしたが、翡翠は聞く気がないのか香夜の言葉を無視し部屋を出ていく。
香夜も仕方なく追いかけた。
水無月は寝てしまったのでお留守番だ。
「北ノ島や神通力のことを話すのですか?」
エレベーターに翡翠と共に乗り、他にホテル利用客が乗ってないため尋ねる。
『いいえ。島のことや神通力などはそもそも知られてはいけませんし、霊力やアヤカシの時点で信じられない話でしょう』
「なぜ知られてはいけないんですか?」
『例えば街に霊力がある者、ない者そしてアヤカシが共存はできると思いますか?人間は霊力がある者とない者で優劣し争いが起きるでしょう。貴女が一番よくおわかりでは?』
翡翠の言葉でハッとする。
家族や学校入学時の教師の嫌悪感たっぷりの差別的な目をする人たちもいればコンビニ店長や友人のように「関係ない」と良くしてくれた人たちもいた。
『元はアヤカシが人間を攫うなどしなければ霊力の存在など知られることなく共存できていたでしょうが…』
現代《いま》ならアヤカシが人間を攫っていったら神隠しや誘拐など頻繁に起き大問題になりそうだ。
女性は安心して外を歩けない人生は誰だって嫌だろう。
「島の人たちは霊力がない人たちのために犠牲になってるんだ可哀想…」
『……彼らも彼らの運命を受け入れています。アヤカシの番になる女性は強制的ではなく自らの意思を尊重し番になっているのです』
昔のことや島のことはわからないので、今のままのがお互いに平和なのかなと納得させた。
香夜はアヤカシに会ったことないが良くも悪くも興味が湧いた。
(どう話すのかな?)
ホテルのタクシー乗り場から香夜の自宅へ向う。
「タクシーの存在は知っているんですね」
『ええ。視察に行った時に知りました。利用は初めてですが』
『貴女こそ水無月によると酷い扱いをされたのに着物の着付けができるのですね。街に住む者は洋装がほとんどでしょうに』
「お婆ちゃんが着物の着付けの先生をしていまして教えていただいたんです!」
祖母の顔を思い出すと懐かしくなり顔も綻んだ。
『良い御祖母殿だったのですね』
「はい!とってもとっても良くしていただきました!」
自宅付近でタクシーを降り、また帰りも乗る予定なので待ってもらうことになった。
自宅の玄関ドアを開けると「マジで最悪!」「ホテルから損害賠償払えって!香夜に払わせてやる!」とリビングで怒声が響いていた。
「た…ただいま」
戦々恐々になりつつ、リビングに両親と姉たちに声を掛けると香夜の姿を目にした家族たちは無言になり、憎しみたっぷりの目で睨みつける。
やっとあの家族と離れられるのに会いたくない香夜は抵抗をしたが、翡翠は聞く気がないのか香夜の言葉を無視し部屋を出ていく。
香夜も仕方なく追いかけた。
水無月は寝てしまったのでお留守番だ。
「北ノ島や神通力のことを話すのですか?」
エレベーターに翡翠と共に乗り、他にホテル利用客が乗ってないため尋ねる。
『いいえ。島のことや神通力などはそもそも知られてはいけませんし、霊力やアヤカシの時点で信じられない話でしょう』
「なぜ知られてはいけないんですか?」
『例えば街に霊力がある者、ない者そしてアヤカシが共存はできると思いますか?人間は霊力がある者とない者で優劣し争いが起きるでしょう。貴女が一番よくおわかりでは?』
翡翠の言葉でハッとする。
家族や学校入学時の教師の嫌悪感たっぷりの差別的な目をする人たちもいればコンビニ店長や友人のように「関係ない」と良くしてくれた人たちもいた。
『元はアヤカシが人間を攫うなどしなければ霊力の存在など知られることなく共存できていたでしょうが…』
現代《いま》ならアヤカシが人間を攫っていったら神隠しや誘拐など頻繁に起き大問題になりそうだ。
女性は安心して外を歩けない人生は誰だって嫌だろう。
「島の人たちは霊力がない人たちのために犠牲になってるんだ可哀想…」
『……彼らも彼らの運命を受け入れています。アヤカシの番になる女性は強制的ではなく自らの意思を尊重し番になっているのです』
昔のことや島のことはわからないので、今のままのがお互いに平和なのかなと納得させた。
香夜はアヤカシに会ったことないが良くも悪くも興味が湧いた。
(どう話すのかな?)
ホテルのタクシー乗り場から香夜の自宅へ向う。
「タクシーの存在は知っているんですね」
『ええ。視察に行った時に知りました。利用は初めてですが』
『貴女こそ水無月によると酷い扱いをされたのに着物の着付けができるのですね。街に住む者は洋装がほとんどでしょうに』
「お婆ちゃんが着物の着付けの先生をしていまして教えていただいたんです!」
祖母の顔を思い出すと懐かしくなり顔も綻んだ。
『良い御祖母殿だったのですね』
「はい!とってもとっても良くしていただきました!」
自宅付近でタクシーを降り、また帰りも乗る予定なので待ってもらうことになった。
自宅の玄関ドアを開けると「マジで最悪!」「ホテルから損害賠償払えって!香夜に払わせてやる!」とリビングで怒声が響いていた。
「た…ただいま」
戦々恐々になりつつ、リビングに両親と姉たちに声を掛けると香夜の姿を目にした家族たちは無言になり、憎しみたっぷりの目で睨みつける。



